書籍

『春の台』上田貴代

『春の台(うてな)』
上田貴代

四六判、上製、192ページ
定価:本体2,000円+税
ISBN978-4-86385-652-3 C0092

 

《流れゆく老いの暮しのアクセント「春の台(うてな)」は真っ赤な椿》

心臓を患う夫との尺八と筝の二重奏

子供や孫たちとの歳月に

登山や自然観察などから生まれる歌が寄り添う

 

【収録歌より】
泡立ち草の黄の帯すすきの白き帯宝満の土手に秋はとどまる
チェーンソー聞き続けたる晩年の父親の耳遠くなりたり
子の声を聞きたき日には亡き母もかくありしかと思ふ 立秋
ふるさとで迎へし朝のまどろみに聞きなれし母の雨戸くる音
何もいらぬ十分食べたと食を辞し九十二歳の母は逝きたり

 

【著者プロフィール】
上田貴代(うえだ・たかよ)

昭和十六年十一月 兵庫県神戸市で出生
昭和三十七年   神戸山手女子短期大学卒業
昭和五十一年三月 やまなみ短歌会に入会
平成二十九年   やまなみ賞受賞
現在福岡県小郡市在住