書籍

『そら耳のつづきを』湊圭伍

『そら耳のつづきを』
湊圭伍

B6判、並製、112ページ
定価:本体1400円+税
ISBN 978-4-86385-466-6 C0092

装丁:畑ユリエ

 

現代川柳は《現在》の破片である──。

川柳の伝統を批判的に受け継ぐ現代川柳作家による480句。

『はじめまして現代川柳』でも注目された著者の待望の第一句集。

2021年5月下旬刊行。

 

【収録句より】

マグカップで壊せるような朝じゃない

そら耳のつづきを散っていくガラス

最初が運、途中は夢でいいですね

ガラス屋の軽トラの荷台のデュシャン

君が袖ふる愛をガシガシ消すために

足もとはNIKE行き交う年もまた

ヒロシマにダーツふわっと散る光

神よ神よ砂ずりがまだ来てませんね

漱石のちょっと発熱ちょっと死後

助手席でカバンのなかを拭いている

何となく明るいほうへハンドルを  

 

【目次】
1 イカロスの罠

2 ヘルタースケルター

3 仮設の家

 

【著者略歴】
湊圭伍(みなと・けいご)
1973年大阪生まれ。愛媛県松山市在住。2009年より「川柳バックストローク」に投句、2010年(第30号)より同人。同時期より「川柳結社ふらすこてん」に投句。以降、「川柳カード」「川柳スパイラル」「せんりゅうぐるーぷGOKEN」同人。小池正博編著『はじめまして現代川柳』(書肆侃侃房、2020年)に、湊圭史名義で自選76句掲載。詩誌「Lyric Jungle」同人。詩集に『硝子の眼、布の皮膚』(草原詩社、2004年)。

愛媛新聞(6月6日)

《「かつおぶし踊れユッスー・ンドゥールじゃけ」など480句を収録》

『そら耳のつづきを』訂正箇所について

「あとがき」 p.108の最後から2行目に「川柳天鐘」とありますが、正しくは「川柳点鐘」です。関係者の方々にお詫び申し上げます。(湊圭伍)