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『嵐が丘』再び映画化

  • 2026-02-14 (Sat) 18:49
  • 総合

 英BBCのネット記事を読んでいて、英文学の名作『嵐が丘』(Wuthering Heights)の映画化が物議を醸していることを知った。『嵐が丘』は2012年の英文学紀行の取材の旅で初めて読んだのだが、その幻想的なムードに魅了され、大好きになった作品。私は作品の舞台となったイングランド北部のヨークシャー地方を歩き回った。
 その『嵐が丘』が再び米国で映画化されたのだが、評価が真っ二つに割れているのだとか。正確には覚えていないが、ずいぶん昔の映画は観た記憶がある。小説同様、感銘を受けたと思う。よくは覚えていないが。今回の新作はオーストラリア出身の女優マーゴット・ロビーの製作・主演。
 ネット情報によると、マーゴット・ロビーは恋人役のジェイコブ・エロルディを「彼が雨に打たれるだけで観客は息もつけない」と大絶賛しているとか。それでなくとも相手を焼き尽くすような炎の愛が描かれる印象があるが、いやはや何とも凄まじい愛情が描かれているのだろうと覚悟して劇場に足を運ぶべきか。福岡市内でも今月下旬から上映されるとかで、さてどうしたものか。
 などと思い、本棚からただ一冊残っている拙著『イギリス文学紀行』を引っ張り出してパラパラとめくってみた。著者のエミリー・ブロンテ(1818-1848)の項を読み返してみる。書いた内容はだいたい覚えてはいるが、忘れてしまっていることも少なくないようだ。記憶違いに驚いたこともある。原題の”Wuthering Heights” を私は「ワザリングハイツ」と思っていた。それが現地音に近い発音だと。しかし拙著には「ウザリングハイツ」と明記している。以下のように詳述している。
 ウザリングハイツ(Wuthering Heights): wuthering という表現はヨークシャー地方の方言で、天候が悪化して「風が吹きすさぶ」ような状態を意味する形容詞だという。heights は普通に「丘」や「高地」を表す言葉。原作のタイトルも我々日本人には「何と発音するのだろう」と「記憶」に残るが、これを『嵐が丘』と最初に翻訳した訳者の腕も素晴らしいと思う。なお、日本語表記で「ワザリングハイツ」と書く向きもあるようだが、現地では皆「ウザリングハイツ」と発音していた。
 そうか。すっかり忘れていた。現地の人々が口にしていた正しい発音は「ウザリングハイツ」だったのだ。ワザリングハイツではない!
 いずれにしろ、封切りになれば観に行こうかなと考え始めている。気にいるかどうかはともかく、ヨークシャー地方のロケがたっぷりと組み込まれているのだろう。私が丘陵を歩いた時はいつ頃だったか? 8月頃? ロンドン五輪たけなわの時分だった。爽やかな空気に誘われて闊歩したが、途中で喉が渇き、ペットボトルか何かを携帯すべきだったと少し悔いたことを覚えている。それでもうだるような暑さからは遠く、散策後にパブで飲んだビールの美味さを引き立ててくれた。映画を見て当時の思い出に浸るのも一興かもしれない。
 日本と英国の国土を比較すると日本の方がずっと大きい。英国は歴史と伝統のイメージがあるが、単体の国としては小国。ただ、列車やバスで旅すると、英国は平野が広がっているのが良く分かる。残念ながら我が国土は山林が目立つ。この差は意外と大きい。

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