- 2025-07-09 (Wed) 16:35
- 総合
このところの暑さには参ってしまう。サウナにでも入ったような暑さだ。私はとある中学校の勤務を終えるとすぐに電車で数駅離れた高校に向かうのだが、駅へは徒歩で20分程度。普段はどうということもない距離なのだが、今はこれがなかなかの苦行。私は常時ハンチングをかぶって歩いているが、頭の中はぼおーっと霞がかかったような感覚になる。教壇に立ち、生徒にこの猛暑について語っているときに思い出したことがある。嗚呼あの時はもっと暑かったと・・・。
それはアフリカ・スーダンでの取材。1980年代末、まだ南スーダンが分離独立する前のスーダンを取材で訪れた。首都ハルツーム。とある一軒のホテルに投宿した。当時はこの国はまだ熾烈なスーダン内戦の渦中にあった。ただし、テロ事件はそう日常茶飯事ではなく、取材活動で恐怖を覚えた記憶はない。イスラム過激派が台頭する以前であり、アフリカ取材はまだのどかさがあったと言えば言い過ぎか。
ホテルを朝出て、情報省に向かう。目的は何だったのか今となってはよく覚えていない。とにかく情報省に向かって歩いていると、暑さが尋常ではないことに気づく。たまらない。歩き続けることができない。それで迷うことなくホテルに引き返す。部屋に戻り、ぱぱっと衣服を脱ぎ、シャワールームに駆け込み、シャワーを浴びる。お湯はいらない。水で十分。涼しくなったところで再び衣服を身につけ、情報省に向かう。だが、途中でまたホテルに引き返したくなる。シャワーを浴びたくなる。とにかく身体がハルツーム特有の暑さに慣れるまでは大変だった。駐在していた南隣のケニア・ナイロビは赤道直下とはいえ、高地にあるから、木陰に入るとからっとした涼気さえ味わえたのとは大きな違いだった。
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新聞を読んでいてAI(人口知能)に関する記事が出ていない日はないのではないか。そう思えるほど、連日、どこかの面でAIの活字が踊っている。購読している読売新聞に興味深い記事が出ていた。米グーグル社の検索に異変が見られるという見出しの記事で、検索結果をAIが要約して表示する機能により、利用者がその基になる情報を提供しているウェブサイトへのアクセスが激減しているのだという。
以下に冒頭部分をそのまま紹介しておきたい。――グーグルは昨年8月、「AIによる概要」という検索の新機能を日本で開始した。例えば「ハンバーガー 健康 影響」と検索すると、「ハンバーガーは高カロリー、高脂肪の傾向があり、食べ過ぎると肥満や生活習慣病のリスクを高める可能性がある」といった回答がページ上部に大きく表示される。回答は、関連するサイトの情報をAIが要約して生成したものだ。――
この新たな展開で参照元のサイトまでアクセスする人が減ることから「ゼロクリック検索」とも呼ばれているという。グーグルがサイトとの共存関係を破壊するような行動に出た背景には、チャットGPTなど対話型AIサービスの普及があり、危機感を抱いているらしい。実は私自身、グーグルよりもチャットGPTの方を重宝するようになっているからグーグルの焦りは理解できる。携帯電話(スマホ)自体の利便性も一昔前には想像できないほどの進化をみせているが、それを支えるAIの進化はアナログ人間の私にはついていけない。
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