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October 2025
ノーベル文学賞
- 2025-10-11 (Sat)
- 総合
中国語の独学は全然進展していない。公民館講座の受講を辞めて久しいし、NHKラジオの初級講座を毎朝、聴いている程度の学習に過ぎない。韓国語も似たようなものだが、韓国語はネイティブ講師の面白い講座をYouTubeでほぼ毎週定期的に聴いているので、遅遅とした歩みではあろうが、ちょっとずつは身につけあるかと願っている。
残念なのは中国語に関してはこれもNHKラジオの初級講座以外には習慣にしているものはない。ネットすなわちYouTubeで面白いものがあればとずっと漁っているが、どうもそういうものは見当たらない。数日前のこと、いつものように麻雀番組をAbemaTVで見ようとスクロールしていたら、現代の中国ドラマのようなものが目に入った。ちょっとのぞいてみたら面白かった。吹き替えではなく、字幕付きだから、中国語の勉強にもなる。残念なのは何回か見ると、その後は有料となっている。無料だったらなあ!
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今村夏子氏の小説『むらさきのスカートの女』の英訳本 “The Woman in the Purple Skirt”をオンライン英語教室で読んできていたが、今月末でようやく読み終える。受講生(2人)も楽しんでくれたような印象だ。
来月からは短編の名手の米作家オー・ヘンリーにちなんだ “The Best Short Stories 2025: The O. Henry Prize Winners” の受賞作品の数々を読もうかと考えている。アマゾンで既に本は入手しており、これからゆっくり読んでいこう。
11日からの3連休。関西方面に旅する。今度は神戸ではなく明石を目指し、明石在住のU先生の庭園の見学が主目的。5月の連休時に集まった方々と再会する。美味い酒が飲めそうだ。私はこのところずっとノンアルだけを飲み、「断酒」の日々を続けているが、この日ばかりは本物の酒か焼酎を頂こう。楽しみだ。
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小説と言えば、2025年のノーベル文学賞が発表された。受賞したのはハンガリーの作家クラスナホルカイ・ラースロー氏(71)。読売新聞を引用させてもらおう。スウェーデン・アカデミーは「週末的な恐怖の中で説得力に満ち、先見性のある作品は芸術の力を再確認させる」と評価したという。デビュー作の『サタンタンゴ』は共産主義崩壊直前のハンガリーの田舎にある放棄された集団農場で暮らす貧困層の住民たちを力強く示唆に富んだ言葉で描いたと紹介されている。
へえ、ハンガリーの作家が受賞かと思ったものの、その名を耳にしたことはないし、ハンガリーの国の位置を正確に頭の中で思い浮かべることさえ難しい。ネット購読しているケニアの新聞「デイリーネーション」をいつものようにちらっと通し読みしていたら、ネーション紙もこの受賞を報じていた。その見出しがふるっていた。“Writer who uses looooong sentences wins Nobel Prize for Literature” 彼の作品の一つ “Herscht 07769“ は400頁を超える大作だが、なんと一文で書かれているとか。この文章が長々と続くのが彼のスタイルだとか。辛抱強い読み方を余儀なくされるのだろう。英訳本を読んでみたいような、いや、そこまでして読みたくはないような。英米の作家からは味わえない作品世界が広がっているのだろう。
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“keep up appearances”
- 2025-10-04 (Sat)
- 総合
国内外で大きな動きが起きている。変わりがないのはウクライナが舞台となったロシアの侵略戦争だ。プーチン露大統領が心変わりしない限り、ウクライナの人々の窮状は続く。ウクライナが攻勢を強め、ロシアの被害が拡大すれば、プーチン氏が核兵器を使う可能性だって否定できない。出口が一向に見えない。
新聞社の国際部に籍を置いていた身であれば、本来ならイスラエルとイスラム主義組織ハマスの和平交渉について書くべきなのだろうが、中東情勢は直接取材した経験が乏しい。従ってネタニヤフ・イスラエル首相が何を考えているのかとんと分からない。今の惨状は明らかにイスラエルの一般市民を襲撃したハマスの残忍なテロが引き金となったことは間違いないだろうが、ユダヤ人とパレスチナ人との確執は門外漢には容易に口をはさみ難いことも事実。ガザ地区を着の身着のままで追われ、飢餓の危機にさらされているパレスチナ住民には一日も早く安寧の日々が戻ることを願わざるを得ない。
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土曜日の午後、外ではもの凄い雨が降っている。私が住んでいる沈滞の安マンションは出水の心配をする必要はないが、他の周辺地区はどうだろうとちょっと心配になる。NHKテレビの自民党総裁選の開票作業の報道を横目にこの項を打っている。総裁選はどうやら高市早苗氏と小泉進次郎氏の決選投票になったようだ。テレビで二人が決選投票を前に行った最後の演説に耳を傾けたが、正直、心を打つ内容ではなかった。どちらが新総裁、続いて新首相に選出されても何だかなあと思わざるを得ない。どちらが選ばれるにせよ、今の日本国民の民度に相応しい人物なのだろう!(高市氏が結局勝利した)
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英BBCのホームページを見ていたら、ある女優の訃報が目に入った。見出しはKeeping Up Appearances star Patricia Routledge dies at 96 (「キーピング・アップ・アピアランシィズ」のスター俳優パトリシア・ラウトレッジ氏が96歳で死去)とある。
私が新聞社のロンドン支局に勤務していた1990年代、見出しにうたわれたこのドラマが大好きでよく見ていた。英国の庶民の上流志向をユーモラスかつ皮肉たっぷりに描いた喜劇で、彼女の計算された何気ない仕草に何度笑わされたことか。実力に裏打ちされた名演だった。このドラマに出ていた役者の大半は鬼籍に入っているのだろう。そうか、彼女もついに逝かれたか。
“keep up appearances” は英語でよく見られる表現で「世間体をよくする、見栄を張る」という意味が辞書に載っている。彼女が演じたのはロンドンの郊外の住宅に住む主婦、ハヤシンス・バケット(Hyacinth Bucket)。私の印象に残っているのは彼女、すなわちバケットさんが自宅にかかってきた電話に出る時など、自分の名前をBucketとは言わず、Bouquet(ブーケイ)と発音し、あたかもフランス名のような気取った印象を漂わせていたことだ。BBCの記事は次のように記述。She pronounced “bouquet” – a comic creation who lampooned the extremes of English pretension and snobbery. そう、イングランド人の上流崇拝、俗物性をユーモラスに描き、健全な笑いをもたらしてくれるいいドラマだった。
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