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遅ればせながら(その2)

  • 2022-09-24 (Sat) 09:45
  • 総合

 前回に記したブログをいささか「軌道修正」した方がいいかなとこの数日、思って過ごした。まずは私の郷里である宮崎県西都市の山里が先の台風で大きな被害を受けたことを知らず、気ままにブログの駄文をアップしたこと。郷里の村おこしに真摯に取り組んでいる組織「東米良創生会」にアクセスすると、地区の被害が甚大であることが分かった。
 文字通り限界集落で高齢者の多い地区だけに電気や水道が止まり、道路が寸断されれば、苦しい生活を余儀なくされることは必定。これまでも大雨が降ると土砂崩れがあり、山道が交通止めになることはしばしば起きていた。だから、台風が太平洋上に発生すると心がいつも沈む。ネットで天気図や衛星画像を見て、「どこかに消え失せろ」と念を送ることもある。
 コロナ禍もあり、ここ数年、郷里に足を運んでいない身として肩身が狭くなるばかりだ。これからもまだしばらくは帰郷は無理だろう。どうするか。少しでも復興に役立てて欲しいとささやかな募金をすることにした。年金生活者の身ではその額はしれているが、せめてできることはやらないと。前回のブログのタイトルは「遅ればせながら」としたが、こっちの方がまさに「遅ればせながら」だ。
                  ◇
20220924-1663980227.jpg 前回の項ではエリザベス英女王の逝去とチャールズ新国王の誕生にも言及した。末尾に新国王の前途に疑問符をつけるような文章を綴った。ここでも「軌道修正」したい。
 私は新聞社のロンドン支局勤務時代にチャールズ皇太子(当時)とダイアナ妃、カミラ夫人(現王妃)が絡んだ泥沼の不倫愛憎劇を何度も記事にして送稿した。確かにダイアナ妃が元近衛将校と不倫関係にあったことはダイアナ妃自身が認めた事実ではあるが、そういう事態を招いたのはチャールズ皇太子がカミラ夫人と続けていた関係だった。まあ、私のような庶民からは雲の上のやんごとなき人々のお話とはいえ、皇太子に尊敬の念を覚えることは到底無理だった。それで上記の記述となったのだが、英字紙ジャパン・ニュースの記事を読んで少し刮目させられた。
 “Why King Charles III will surprise the world” と題したワシントンポスト紙からの転載記事。書き出しが印象的だ。King Charles III will surprise us. The man whose family has served as the physical symbols of colonialism has spent his life trying to free his mind from the calcified prejudices of empire. Britain’s new head of state is a loud admirer of Islam, a critic of Western interventionism and a champion of multiculturalism who will win his country new friends – and some populist enemies – across the world.
 チャールズ国王がその心中から大英帝国の残滓つまり凝り固まった偏見(calcified prejudices)をそぎ落とし、諸国が友好を深め共存する(multiculturalism)を信奉している人物であったとは知らなかった。またイスラム文化圏に対し並々ならぬ関心と理解を示してきていたことも。大英帝国時代の植民地主義が中東やアフリカを中心とした多くの国々で今なお残る紛争・対立の火種を作ったことは周知の事実だ。新国王が少なくとも今もアメリカ政治を混乱させているトランプ前大統領のような人物ではないことを知っただけでもほっとさせられる。

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