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スター誕生!

  • 2022-04-10 (Sun) 20:03
  • 総合

 台湾・台北にある淡江大学に3年前に1か月だけ中国語を学ぶために留学したことを前回の項で書いた。そのことを思い出しながら、香椎浜のジョギング路を歩いていてふと思った。そういえば、高校を卒業してどれぐらいになるのか。18歳。桜が散っている今の時期に大学に入学した。まさに半世紀前、50年の歳月が流れている。信じ難いがそういうことになる。半世紀の後、今ここでこうして暮らしているとは思いもしなかった。いや、半世紀の後にどこで何をしているのか、などと考えもしなかったのではないか。
 そう思えば、もう十分生きたことになる。もうこれ以上、あれこれ思い悩むことなどないのではないか。私はこの歳になると亡き父親のことを考えることがある。語感的には父親ではなく親父だが、その親父は郵便局に勤め、退職後は山や田畑で働くのが日課だった。山仕事には時々付き合わされたことがある。そう嫌ではなかったが、楽しみにしていたわけではなかったような。今となってはもっと喜んで手伝っていれば良かったと反省する。親父にとっては山仕事の後に一人焼酎をあおるのが楽しみだった。
 今にして思う。親父のような生き方も悪くなかったと。故郷は山また山で、人家は少なく、谷川は透き通った水が流れる。小鳥の鳴き声だけを耳にしながら山の仕事に精を出す。考えようによっては至福の生き方ではなかったかと。私には山仕事は望むべくもない。私の「山」は言わば「書籍」「語学」か。ならば、日々それに向かい、研鑽を積むしかない。親父との比較で一つだけ共通しているのは、一日の終わりに楽しむことができる焼酎だ。末永く楽しめるように節度ある飲酒を心がけよう。
                  ◇
 とこんなことを書きながら、日曜日、テレビで大リーグの生中継、それにプロ野球のゲームもちらっと見て、競馬の桜花賞のレースも楽しんでいたら、どこかでロッテの若きエース、佐々木朗希君が脱三振ショーを繰り広げているという速報を目にした。え、それは見なくてはと思い、慌ててケーブルテレビのチャンネルをロッテ対オリックス戦に合わせると、佐々木君の奪三振ショーの真っ最中だった。連続奪三振は13で終わったが、完全試合は続いている。いや、これは記録的なゲームになるぞ。最後までこの試合を見るしかないではないか!
 そして佐々木君は完全試合を達成した。奪った三振は19。与えた四死球は0。奪三振数はプロ野球タイ記録。連続三振は従来の記録9を大幅に上回る新記録。ほぼ完璧と形容できる完全試合だろう。163㌔や164㌔といった快速球を次から次へ投げ込んでいた。あっぱれと言うほかない! 彼が高校3年の夏に岩手県予選の決勝戦だかで登板を回避して物議を醸したことがあった。監督は彼の将来を考えて無理をさせなかったと報じられたような記憶が残っている。当時、佐々木君に対し、何となく「ひ弱」な印象を抱いたことを覚えているが、いやはや恐れ入りました。
 私のこのパソコンで「ささきろうき」と打つと、「佐々木労基」と印字される。その内にきちんと「佐々木朗希」という文字が出てくるようになるのだろう。大谷翔平君も凄いと思うが、佐々木君も凄い。二人ともに岩手県の出身だ。私は新聞社の盛岡支局で2年間勤務した経験があるが、岩手にこのような傑物が出る素地があるのかどうかは分からない。願わくは佐々木君に早く大リーグに行ってもらい、大リーグファンの度肝を抜いてもらいたい!

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