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「俏皮话」(qiàopihuà)

  • 2021-07-14 (Wed) 09:14
  • 総合

 アメリカで刊行されているキリスト教信仰にまつわるエッセイ集 “Daily Guideposts 2021” を毎朝読んでいることを今年初めの頃に書いた。芦屋市に住む敬愛する人から毎年頂いている本で、今年は読みそこなっていた2011年本も同時進行形で読んでいる。日々生きている、生かされていることを神様に感謝する思いに浸る。興味深い文章にもよく出くわしている。
 最近の例を記しておきたい。あるご夫人が書かれていた。海外の旅で訪れたインドネシアでの体験。ジャカルタでは “belum” という語があり、英語だと “not yet” という意味らしい。交渉の余地のない、取り付く島もない “no” ではなく、“not yet” なのだとか。この後の文章がすこぶる面白かったので、以下に記すことを許してもらいたい。
 Belum leaves room for dreams. Asked in a job interview, “Do you have a college degree?” a fifty-year-old man who left school at nine will answer, “Belum.” And during a doctor’s exam, if an eighty-year-old woman is asked, “Do you have any children?” she’ll smile and reply, “Belum.”
 素晴らしい表現だと思う。生きてさえいれば、チャンスはあるはず。人生に不可能なことなどないのではないか、と思わせてくれる言葉ではないか。私は上記のエッセイを読んだその日は凄く気分が良くなった。日本語だとどういう表現になるのか。「あなたは大学を出ていますか?」「まだです」。「あなたは子どもさんがいますか?」「まだです」。こんな感じだろうか。「まだです」。私もこれからこう答えて行こうかな?
                  ◇
 公民館の中国語講座。毎週できるだけ通っているが、力をつけているのかどうか甚だ心許ない。まあしかし、NHKラジオの中国語講座(初級)がテキストなしで何とか理解できるのだから、少しは力はついているのだろう(と思いたい)。
 先日の公民館講座。例によって私が駄洒落をかます。一応、世間的には「ウイット」と称しているが、まあ「親父ギャグ」と大差ないか。広辞苑で「親父ギャグ」を引くと「年配の男性が口にする、時代感覚からずれた面白くない冗談や洒落(しゃれ)」とある。自分で言うのも何だが、私がかますのは「面白くないことはない」と思う。それで、厚かましくも「ウイット」と称しているのだ。
 少なくとも受講生の一人であるご夫人は私の駄洒落を「面白い」と感じてくれているようだ。彼女は私の駄洒落を「俏皮话」(qiàopihuà)と中国語で表現してくれた。私が使っている日中辞典では「駄洒落」と引くと、確かに「俏皮话」が真っ先に載っていた。しかし、ここからが大切なのだが、「俏皮话」を中日辞典で確認すると「才知あふれる言葉、機知に富む言葉」と出ている。どうやら単なる「親父ギャグ」ではないようだ。「俏」(qiào)は「垢抜けした、気のきいた」という意味の形容詞らしい。
 私は「駄洒落をかます」をこれまで「开玩笑」と表現していた。これからは「我喜欢说俏皮话」と言うことにしよう。「親父ギャグ」ではありませんよ、「才知にあふれた言葉」なんですよと。先方がどう受け取るかはまた別の話だが・・・。

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