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full of beans (元気一杯)

  • 2021-06-26 (Sat) 10:45
  • 総合

 『数学は言葉』(東京図書 新井紀子著)という本を読んでいることを書いた。数式はあまりなく、「和文数訳」「数文和訳」という言葉も見えることから、英語を教える(考える)上で「引き出し」が増えそうな気がしていることなどを書いた。ざっと読み終えた。今の読後感はちょっと残念というところか。あまり、引き出しは増えなかった。まあ、それでも参考になったことは幾つかある。例えば・・・。
 「私は部屋中に本を置いています」をコンピューターに英訳させると、I am putting the book all over the room. という文章となるという。著者は述べる。「日本語では、ふつう、名詞の数は表示しません。(中略)人間なら、「部屋中に」においてあるくらいだから、本は複数あるのだな、とわかりますが、コンピュータには判断がつかないため、“the book” と単数形になってしまいました」。機械翻訳の限界か?
 なお、前回紹介した和文英訳例。「カリフォルニアではしばしば雨が降ると聞く」→ “I hear that it often rains in California.” 著者は以下のように問いかける。「この文の主たる部分はどこでしょう。「雨が降る」でしょうか。ちがいます。「聞く」が主たる部分です。しかもそれは、主語である「私」が省略されている文です。これがこの文の骨格を形作ります」
 著者の指摘の通りだ。文法的にはその通りだ。しかし、私はそれでも上記の文章の主たる部分はit rains(雨が降る)だと見なしたい。「(私は)聞く」は重要な部分ではない。it rainsの部分に他の表現を置けば、多種多様な言い方が可能となる、というようなことを英語学習者に説いていきたいと考えている。
 数学の本はまた別の書を探したい。できるかどうか分からないが、高校の数IIレベルにまでは行きたいと願っている。
                  ◇
 久しぶりに「懐かしい」表現を見た。エリザベス英女王とジョンソン首相とのやり取り。詳しいことは預かり知らないが、コロナ対策を担当しているハンコック保健相のことが話題となり、女王が彼は “He is …“ と言葉を続けようとしたら、首相がその後を継ぎ、“… full of beans.”と答えていた。「彼は元気一杯ですよ」との返答だ。
 昔昔、次のようなジョークを聞いた(文章を見た)ことがある。うろ覚えだが、大方次のようなやり取りだった。海辺のひなびた宿に泊まりに来た男性客が朝食後、姿を消す。その日の午後、刑事が宿にやって来て、宿の女将さんに尋ねる。「泊まり客の○○さんが崖から身投げして死んでいるのが見つかりました。今朝方、彼に不審なことはありませんでしたか?」と。宿の女将さんはその客が朝食(English breakfast)をお腹いっぱい食べたことから、自殺するなんてありえないと応える。
 その際の女将さんの言葉が “He was full of beans.” だったような。English breakfastには beans が不可欠だ。その beans をたくさん食べていたと女将さんは指摘していたのだ。full of beans は「元気な」ことを意味する慣用句だということをこの時知った。
 私は毎朝、納豆(fermented soybeans)を食している。日々、full of beans でいるのだから、健康かつ元気でいないわけがないと改めて思った次第だ。

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