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中国映画『芳華』

  • 2019-10-02 (Wed) 11:46
  • 総合

20191002-1569984223.jpg  寝付きが悪いので、コーヒーを断って一か月。最近は割とすっと眠りに落ちるようになった気がする。本当にコーヒーが原因だったのかは自分でもよく分からないが、まだしばらくはこのままできるだけコーヒーから遠ざかる生活を続けようかと考えている。
 自分で料理するようになると、外で食事するのも段々と億劫になるようだ。会社勤めの頃は外食するのが当たり前の暮らしだったのが信じられない気もする。今は英語教室で出かける小倉駅前の海鮮料理店でお昼を食べるぐらい。ネギトロ丼に生海苔味噌汁で計858円。ネギトロ丼はさすがに美味い。これで十分満ち足りた気分となる。ご馳走様。
                  ◇
 公民館の中国語講座の先生から推薦された中国の映画を観るために早良区の福岡市総合図書館を訪れた。福岡映画サークル協議会の主催で、第14回中国映画を観る会という催しとなっていた。足を運んだ甲斐のある力作だった。
 作品はフォン・シャオガン監督の『芳華(youth)』。1970年代の文化大革命時に歌や踊りを披露して人民軍の兵士を慰労する役目の文工団が舞台。そこで青春時代を送った若者の姿が描かれていた。日本語字幕付きで時々、私にも理解できる中国語表現が出てくると嬉しかった。最初に戸惑ったのは女性の語り手がどの少女なのか分からなかったこと。この手の作品ではだいたい最も美しい、あるいは魅力的な少女がヒロインなのだろうと推測がつくが、美形の子が何人も出て来るので??という感じだった。
 文工団に17歳の可憐な少女がやって来る。父親は共産党政権からブルジョア、反革命のレッテルをはられ、投獄され、母親は再婚したが、再婚の家庭でのけものにされてきた不幸な過去を持つ。少女は文工団でも臭いと蔑まれる。ダンスの練習をした後など、人一倍の汗っかきの体質のため、その汗が臭うだけのことなのだが。少女は団員の仲間の青年に恋心を抱くが、この恋は失恋に終わる。
 文革が終了して文工団も解散となるが、中国が隣国ベトナムと戦争に突入したため、少女と青年の人生は再び交差する。兵士となった青年は右手を失い、従軍看護婦となった少女は爆撃に遭い、その後遺症で精神を病み、施設に送られる。
 毛沢東時代に四人組という権力の亡者に率いられた文革がいかに非人間的な悪政だったかは我々は今は分かっている。知識階級の人々は有識であるという理由だけで迫害され、幾多の無実の人たちが死に追いやられた。作品ではその辺りはあまり触れられていなかったのが気になった。傷痍軍人となった青年が若い警察官らに冷たくあしらわれるなど、改革開放後の中国で拝金主義が罷り通っている姿は描かれてはいたが。
 昨日の1日は中国では国慶節。今年の国慶節は中華人民共和国が誕生して70年の節目に当たる。天安門広場前で習近平国家主席がにぎにぎしく、中国軍の近代装備を前に車に乗って閲兵しているのをテレビの生中継で見た。中国が今やアメリカを追い落とす勢いの超大国であることは誰もが否定できない事実だが、それが世界に平和と安定をもたらすものであるのかどうか。そうなって欲しいとは隣国に住む者として切に願うが。

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