Home > 総合 > “How dare you!”

“How dare you!”

  • 2019-09-28 (Sat) 21:35
  • 総合

20190928-1569673868.jpg ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会が大盛り上がりを見せている。にわかラグビーファンが急増しているようだ。日本代表はさすがに世界ランキング2位のアイルランドにはかなわないだろうと踏んでいたが、土曜日の試合で見事に逆転勝利を収めた。ノーサイド直後に興奮した生中継のNHKアナが「もうこれは奇跡とは言わせない」とかなんとか絶叫していたが、多くの人がその興奮を共有したことだろう。
 ラグビー発祥の国、英国のBBCをのぞくと、次のような書き出しの記事が目に入った。Hosts Japan pulled off one of the biggest upsets in Rugby World Cup history as they beat world number two-ranked Ireland 19-12 in Shizuoka. 日本の歴史的な勝利を単にwin とかdefeat ではなくpull off という句動詞を使っているところに「困難をものともせずにやってのけた」というニュアンスが醸し出されている。
                 ◇
 先週はトランプ米大統領の弾劾に向けた動きとか、英国の欧州連合(EU)からの離脱を巡る英国政治の更なる混迷とか、大きなニュースが相次いだため、CNNやBBCをケーブルテレビで見る時間が久しぶりに多かった。しかし、一番印象に残っているシーンは上記のニュースではなく、ニューヨークの国連本部で開かれた気候変動サミットに登場したスウェーデンの女子高校生のスピーチだろう。グレタ・トゥンベリさん(16)。
 最初に彼女のことを知ったのは彼女が地球温暖化(global warming)に抗議する意味合いを込め、大量の温室効果ガスを排出する飛行機便ではなく、ヨットを利用して英国からアメリカへ渡った際の報道だった。へえ、勇気ある少女がいるものだと思った。そして彼女が国連本部で行った演説にさらに驚かされた。地球温暖化を阻止する取り組みがお粗末極まりないと各国の政治指導者を声高に糾弾したからだ。耳に残っているのは次の一言。
 “How dare you!” 辞書にも訳例は載っている。「よくもまあ・・」とか「厚かましくも・・」などといった訳例で「他人に対する憤慨を表す」と説明されている。日常生活では聞きたくもないし、口にすることも憚られる表現だろう。
 彼女の実際の発言を一部抜粋すると。You have stolen my dreams and my childhood with your empty words. And yet I'm one of the lucky ones. People are suffering. People are dying. Entire ecosystems are collapsing. We are in the beginning of a mass extinction, and all you can talk about is money and fairy tales of eternal economic growth. How dare you!(あなた方は空虚な言葉を繰り返すだけで、私の子供時代を台無しにし、夢を奪いました。それでも私はまだ運のいい方です。苦しみにあえぎ、死んでいる人たちもいるのですから。あらゆる生態系が危機にさらされ、地球は大量絶滅時代のとば口に立たされています。それなのにあなた方が口にするのはお金のことか成長が永遠に続くといったおとぎ話だけ。よくもまあ!)
 彼女はスピーチの最後の方で、次のように叱責もしている。And if you choose to fail us, I say: We will never forgive you.「(温暖化問題を)このまま放置するなら、私たち(若い世代)は絶対に許しませんことよ」。この少女は偉大な指導者となる可能性を秘めた原石? 

Home > 総合 > “How dare you!”

Search
Feeds

Page Top