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瓢箪から駒?

  • 2019-08-21 (Wed) 11:27
  • 総合

 ほぼ毎日のようにネットでのぞいているアメリカのトークショーがある。スティーブン・コルベアという才気あふれたテレビタレント(TV personality)がホスト役の番組で、彼の歯に衣着せぬブラックユーモアにはいつも感心しながら楽しませてもらっている。
 最近の例を紹介すると————。どうやらニューヨークのある通りを改名する運動が起きているとか。有名な五番街の56丁目から57丁目にかけての通り。ここをバラク・オバマ前大統領の名前を取り、President Barack Obama Avenue と改名すべく、署名活動が進められているという。面白いのはこの通りにはあのトランプ大統領のトランプタワーがあり、もし改名の手続きが成就すれば、トランプタワーの住所は 725 President Barack Obama Avenue となる運びとか。トークショーのスタジオに集まった反共和党、反トランプ層と思われる聴衆からは一斉に拍手喝采が起きた。
 この改名キャンペーンは一人の女性が冗談(joke)として始めたものだったとか。コルベア氏は次の言葉でその女性に語りかけるように締め括っている。“Careful…some things that start as a joke, end up as president.” (気をつけて。冗談として始まったものが場合によっては大統領となってしまうこともあるんですよ)。トランプ大統領の大統領選出馬も当初は冗談として見る向きも多かったが、米国民が気づいた時には手遅れで、彼は大統領に選ばれてしまったことを痛烈に揶揄っている。「おーい山田君、座布団1枚!」いや “Give him a floor cushion.” か。
                  ◇
 このブログで少し前に大リーグを見る熱意が失せつつあると書いた記憶がある。大谷翔平君を筆頭に日本人プレーヤーの調子が今一つだったからだ。特に西武ライオンズからシアトルマリナーズに鳴り物入りで移籍した菊池雄星君はこのところポカスカ滅多打ちにされ、哀れな惨状を呈していた。日本時間月曜未明に彼が投げる試合がケーブルテレビで放送されることを知った。どうせまた打たれるのだろうと思ったが、松山英樹選手の調子がだいぶ上向いている米ゴルフの生中継もあったので、チャンネルを合わせた。
 そうしたら、西武時代を彷彿させるかのように生き生きとした表情で彼がマウンドに立ち、堂々の投球を見せている。球数も少なく、9回を96球で投げ切り、奪三振8個の完封劇を演じた。チームも7点を挙げて援護。もちろん、この一試合だけで彼の評価が急激に上がることはないだろうが、少なくともチーム内での評価は好転したようだ。サービス監督は次のような言葉で菊池投手をほめたたえた。彼がこの日のような素晴らしい投球がこれからもできる才能にあふれた投手であるという評価だ。そうであればいい。
 “Yusei is a very talented pitcher, and we know that. He has the ability to have outings like this. There’ll be rough ones along the way, like anybody has, but I’m really happy and proud of him.” 
 日本のプロ野球は悲しいかな、巨人が調子いいと、やはり見てしまう。浮世の些細な楽しみ事に過ぎないことは分かっている。黄泉の国ではもっと崇高な楽しみ事があるのだろうかと考えてしまう。もっとも地獄ではなく、天国に行けたとしたらの話だが。

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