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an entry sheet?

  • 2019-05-24 (Fri) 11:21
  • 総合

 日英両紙を読んでいて、時々手がとまることがある。自分がかつて禄を食んだ(いや、これは随分古臭い言い回し!)新聞だから、重箱の隅を楊枝でほじくる(いやこれもそうだ)ようなことはしたくないのだが、ため息をつきたくなるようなときが少なくない。
 本日(木曜日の朝)もそうだった。「ジャパン・ニュース紙」の時事英語を紹介するコラムで「通年採用」のことが出ていた。英語だと year-round hiring と言うそうだ。なるほど。次のような記述があった。<就職活動で学生らが経歴や志望動機などを書く応募書類は「エントリーシート」(entry sheet)と呼ばれていますが、あまりネイティブスピーカーが使う表現ではありません。curriculum vitae(CV)やresumeの方が一般的でしょう>
 確かにその通りだろう。entry sheet は最近まで耳にしたことがない語だ。その意味合いは初めて聞いたとしても何となく推測がつく。だから、我々が日本語の会話でそう表現しても全然問題はないと思う。まして周囲の人々がそう思って実際に使っているのであれば。しかし、英語表現を紹介するコラムでははっきりと書くべきだと思う。これはいわゆる「和製英語」(Japanese English)の一つだと。そうでないと、entry sheet という語彙でも英語として通用するという間違ったことを伝えることになる。
 私が学生時代にはサラリーマンは和製英語だと教わった。だから英語では a salaryman ではなく an officer worker と書くべきだと。今ではsalarymanも立派な英語として認知されているようだ。entry sheetもやがてそうなるかも分からないが、まだ時期尚早だ。
 なお、筆者はCVやresumeの方が一般的と説明しているが、もっと一般的な表現は an application form だろう。CVやresumeは普通まずは「履歴書」と解すべき語彙だ。
                 ◇
 ケーブルテレビで見ている韓国語のドラマ「かわせ運命」(原題)が佳境を迎えつつある。台湾に旅している一か月近くが「抜け落ちて」いるのだが、何の違和感もなくフォローできている。腹違いで生まれた兄弟が文字通り、生母・継母を交え、骨肉の出世争いを展開するのだが、なぜか彼(彼女)らが途中から同じ屋根の下に住み、衝突するというすさまじいドラマ。韓国語の学習に役立つという目的がなかったならば、とても付き合える代物ではない。
 ここまで見ていて、どうも腑に落ちないことがあった。それは男が恋人(妻)を呼ぶ敬称だ。彼女の名前はジナ。その彼女を恋人(夫)が呼ぶ時にジナ氏(씨)と呼んでいる。二人が知り合った当初は違和感はなかったが、恋人となり、夫婦の関係になってもそう呼び続けている。なんだかよそよそしい呼び方だなとずっと思っていた。
 本日のNHKラジオの「まいにちハングル講座」でこの敬称がテーマになっていた。そこでもこの氏(씨)が登場していた。韓国人のフルネームにこの(씨)を使うのは問題ないが、名字だけに使うと大変失礼になると説明されていた。キム・ヨンジェ・シならいいが、キム・シではいけない。ファーストネームだけに(씨)を使うのは親しい間柄ならOKで、「親近感を含んだ印象になる」との由。ネットで調べると、次のような記述を見つけた。<名前+씨は親しみのある呼び方であり、恋人同士で使うこともある>と。なるほど、そうだったのか、親しみのある呼び方だったのか。だったら理解できる。

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