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再び台北に

  • 2019-04-02 (Tue) 21:47
  • 総合

20190402-1554209191.jpg 新元号フィーバーに沸き立つ日本を発ち、台湾を訪れた。昭和から平成への改元時には海外にいて実体験していないので、少なくとも令和への代替わりはとくと見ておきたかった。今この項を台北のホテルで書いていて、驚いたのは「れいわ」と打って変換キーを押すと、即座に「令和」という漢字が出てきたこと。電子辞書で「れいわ」と打っても「例話」しか出てこないのに。私のパソコンはもうだいぶがたが来つつある。それなのに新元号がすっと打てるとは不思議でならない。
 令和。英語表記は「REIWA」になるのだという。日本語ではLとRの区別がないから特段のことでもないが、英語の発音のことが普段から念頭にある私はつい、巻き舌を意識してしまう。テレビでは「令和」を平板に発音するのか、語頭にアクセントを置いて発音するのかで「激論」になっていた印象がある。無アクセント地区である宮崎県出身者にはどうでもいいことだが、Rが語頭に来る語には興味を覚えずにはおれない。
 飛行機の中で読んだ読売新聞の文化欄で日本古代文学に精通している識者が次のように書いていた。——日本語の本来の言葉には、外来語や漢字の熟語を除いて「R」で始まる語はありません。新元号「令和」を初めて聞いたとき、その「R」の音が語頭にくることや、「令」が「命令」といった言葉を連想させるところに違和感を覚えました。しかしよく味わうと、やはり和やかな世を願う深い思いがこもっていると感じます。——
 中国語の初心者である身を顧みずに付記する。中国語で「令和」をピンイン表記すると、ling-he となるかと思う。「令」はrではなくl字音だ。中国語でもr音が語頭にくる語彙はきわめて少ない。その中国語ではl字音の語彙の方がr字音の語彙よりもきれいに聞こえるように私は感じている。日本語はlとrを特段区別しないのでまああまり関係ないかなとも思うが。なお、「令」の字は中国語の表記では若干異なるが、私のパソコンでは同じ字になってしまう。
                  ◇
 さて、昨秋以来の台北。到着したときは曇り空で少しがっかりした。天気予報を見ると、これから先も晴れマークに雨マークが混在しており、あまり期待はできないようだ。
 今回も初日から悪戦苦闘した。携帯電話を使えるようにするルーターを台北の空港で借りたのだが、これがどうも使えるようにならない。ホテルから電話を入れて何度も問い合わせたが、先方に英語を話す人が少なく、意思疎通に四苦八苦。仕方なく、台北でよくのぞいているカフェに足を運び、顔馴染みの店員さんに助けてもらおうと思ったが、生憎私が知っている店員さんたちはもう辞めていた。それでも初めて見る若い女性の店員さんに声をかけると、二人がかりで携帯とルーターをあれこれ調べてくれた。気がついたら、問題なくスマホが使えるようになっていた。初めての客に対するこうした親切な行為。深く感謝!
 ルーター26日間の借り賃は1,800台湾ドル。台北空港での両替レートでざっと計算すると、1元が3.8円の勘定だから、6,840円。1日当たり約260円の計算だ。
 初日の夕食はお気に入りの牛肉麺に水餃子。締めて160元(約610円)。台湾の旅で嬉しいのはどこでも一人食が全然珍しくないことだ。女性の姿も多い。だから食堂にすっと入って、人の目を気にせず、黙々と食べることができる。

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