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シングルライフ

  • 2019-02-13 (Wed) 10:22
  • 総合

 新聞紙上で生涯を独身または独居で過ごす生き方をテーマにした記事を目にすることが多くなっている。そういう時代のようだ。概ね「シングルライフ」も悪くない、知恵を出し合いましょうといったメッセージが込められている感じだ。
 シングルライフのプロである(といっても何の自慢にもならないのは百も承知、二百も合点の)私も当然、興味を持ってそうした記事を読んでいる。最近の記事では次のように書かれていた。「9割以上が結婚していた時代は終わり、生涯未婚率(50歳の未婚率)は右肩上がり。2040年には、男性の3割、女性の2割近くが生涯未婚という推計です。飲食店情報サイトが昨年行ったネット調査では、ひとりで外食する『ひとり飯』の人を見ても『寂しそう』『孤独』と感じない人が8割以上いました」とか。本当にそうなの?
 ケーブルテレビを見ていると、若い女性が一人で居酒屋に出かけ、日本酒や焼酎の杯を傾け、「プハー」とやっている番組も流れている。一昔前は考えられなかったような設定だ。いい時代だとつくづく思う。今の私は飲食店で一人酒を楽しむ暮らしからはすっかり遠ざかってしまったが。
 それで思い出したのは先日、アメリカ人女性の友人と交わした会話。私より年長の彼女とは私が福岡に転勤した直後に知り合い、私のことをよく激励してくれるありがたいお人だ。私が独り身の人生を生きていることを彼女は私の記憶間違いでなければ、“Shoichi, you are a solitary person, but not a lonely person.” と表現した。日本語にするなら、「あなたは一人でいることを厭わない性格なのよ。孤独な人ではないわ」。私は彼女の表現がすっと腑に落ちた。そうだ、私は子供の頃からなぜかそうだったのだ。
 参考までに、「シングルライフ」は英語では “living alone” や “single life”が頭に浮かぶ。「結婚生活」は “marriage life” ではなく、“married life” と表現するようだ。
                 ◇
 私は外国語を話すときに死活的に重要なのは語順だと思っている。もちろん、発音やイントネーションの大切さは言うまでもないことだが。
 中国語の語順は基本的にSVOだから、英語に近く、日本語とは異なるが、ときに日本語によく似ていると感じることもある。最近目にした次の文章。「彼が紹介してくれた本は、買えました」。日本語だと主語(私・僕)が省略されているが、中国語ではそれをしっかりと補った上で次のようになる。—— 他介绍的书,我买到了。—— 日本語にぴったり重なり合う語順だ。嬉しくなる。「紹介」が中国語では「介绍」と逆転するのも面白い。
 「あなたの話をはっきり聞き取れませんでした」という文章はどうだろう。これは—— 我没听清楚你说的话。—— 「あなたの話を」という日本語では冒頭に出てくる表現が中国語では「你说的话」と最後になる。これを見れば、中国語はSVOの言語だということが実感できる。「清楚」という語句が出てくる。日本語で「清楚な美人」と言えば興味をそそられるが、中国語にはそういうニュアンスはないようで、「明確である、はっきりしている」という意味。似ているようで似ていない。
 中国語の独学は一喜一憂の繰り返しだ。

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