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populism そのもの

  • 2019-02-07 (Thu) 10:15
  • 総合

 昨年10月から再放送されているNHKの韓国語と中国語の初級講座を聴き続けていることは何度も書いた。両方とも2回目の聴取だし、初級の講座だからすっと理解できるのが普通だろう。実際「まいにちハングル講座」は比較的、楽にフォローできている。テキストを見ずとも理解できるときもある。これに対し「まいにち中国語」の方はそうもいかない。予習していてもやはりテキストがなくては厳しいものがある。私の語学力がまだ韓国語の方が中国語よりも上ということもあるかもしれないが、中国語の方が日本人にとってより厄介な言語だと思えなくもない。あくまで素人の推論だが・・・。
 とはいえ、視覚的には中国語の方が韓国語よりもずっと意味が分かりやすいとも思えることもしばしば。例えば、本日目にした表現は「百闻不如一见。」これは実際の発音はともかく、中国語特有の簡体字をじっと見つめていると、その意味は「百聞は一見に如かず」ではと何とか察しがつくかと思う。韓国語はハングル表記だから、日本人にはハングル文字を見てその意味がすっと頭に浮かぶことは普通はあり得ないだろう。この点では中国語の方が日本人にはより身近に感じる言語と言える。ただし、「百闻不如一见。」を乱暴にカタカナで表記すると「バイウェン ブールー イージェン」。日本語とは程遠い開きがある。
                 ◇
 トランプ米大統領の一般教書演説をケーブルテレビのCNNの生放送で見た。何度も何度も繰り返される、あまり意味のないスタンディングオベーション(standing ovation)に辟易した。椅子から起ち上っての拍手は主に共和党議員を中心になされ、座ったままの民主党議員の不機嫌な顔も印象に残った。途中で「USA」の合唱が湧き起ったのには驚いた。「音源」は傍聴席に詰めかけた大統領支持派の人々だったのかも?
 「お前のせいだよ」と思わず突っ込みを入れたくなったのは、トランプ大統領が現在の米議会はかつてないほど女性議員が占めていると、女性の積極的な政治参加はまるで自分の政権運営の成果であるかのように誇らしげに語ったときのこと。トランプ政権の誕生そのものが民主党の女性議員を数多く誕生させた主因ではないか。
 彼は演説の冒頭部分で党派色を打破し、アメリカの全国民のために働くと語ったが、とてもそうとは思えない。いまだ決着を見ない自身のロシア疑惑の捜査を頓挫させたいと願う次のような訴えは到底理解できない。“An economic miracle is taking place in the United States – and the only thing that can stop it are foolish wars, politics or ridiculous partisan investigations. If there is going to be peace and legislation, there cannot be war and investigation. It just doesn’t work that way!”(アメリカでは経済の奇跡が起きている。それを妨げるものは馬鹿げた戦争、政治、愚かな党派色の強い捜査だ。平和と政策を実現するためには戦争や捜査はあってはならない。そんな風にはいかないのだ)
 経済的苦境にあえぐ労働者階級、一般庶民の味方であるかのように振る舞った演説はまさにポピュリズム(populism:大衆迎合)の香りがふんぷんとした。悩ましいのは彼が日本の安全保障のキーパーソンであり続けることだ。大統領は今月27,28両日に二回目の米朝首脳会談をベトナムで行うことも演説の中で表明したが、果たして・・・。

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