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ヒラリーの決意

  • 2016-07-29 (Fri) 12:48
  • 総合

 暑い。大学の前期最後の授業。最後だから珍しくスーツを着て、駅から大学へ歩く。すぐに汗びっしょり。サラリーマン時代には毎日こんな苦労をしていたのか。遠い記憶。この日朝足を通したズボンはお腹回りがぎりぎりだった。もう少し普段の運動の負荷を増やさないといけなそうだ。悲しくなる。
 郷里の先輩のメールでらっきょう酢にハーブを入れているとあった。そうか、そういう手があったか。よし、スーパーに行き、ハーブを買い求めることにしよう。それをゴボウ、ニンジンの瓶とゴーヤのタッパーに入れてみよう。どんなに香しいピクルスに変貌することだろうか。今から楽しみだ。お腹回りの引き締めにも役立ってくれるといいのだが・・・。
                 ◇
20160729-1469764532.jpg 米民主党の党大会。この国の歴史上初めて主要政党の大統領候補となったヒラリー・クリントン氏が受諾演説を終えて閉幕した。女性に対する壁としてはおそらく世界で最も強固なものの一つであろう「ガラスの天井」を打破したヒラリー氏。彼女のスピーチを端的に表現すると、アメリカをさらにより良い国にしようという “a strong commitment”(強い決意)だろうか。党大会会場のフィラデルフィアが舞台となった独立宣言起草の歴史に言及しながら、先人は小異を捨てて団結し、世界中の国々がモデルと仰ぐ国を育んできたのだと訴えた。共和党候補のドナルド・トランプ氏が豪語するように一人の個人の力で変革はもたらされるものでもなく、“We are stronger together.” と国民の融和の大切さを強調した。
 私には前日にジョー・バイデン副大統領がヒラリー氏を激賞したスピーチも印象に残っている。彼はトランプ氏を痛烈に批判した。例えば次の文章。“He’s trying to tell us he cares about the middle class. Give me a break. That’s a bunch of malarkey.” 私は最後の語は初めて耳にした。電子辞書を引くと、「たわごと」(nonsense とか silly things)と載っている。「トランプ氏は自分がミドルクラスの人々を大切に思っていると私たちに信じさせようとしているが、冗談も休み休み言ってもらいたいものだ。彼の言っていることはたわごとのオンパレードだ」ぐらいの意味合いだろうか。
 アメリカに帰国した私の恩師によると、このmalarkeyという語は彼が若い時には何度か耳にしたことがあるが、今ではすっかりすたれた語彙で、こうした語を使うと、揶揄の対象となる可能性がある。しかし、労働者階級を含めたミドルクラスを代表するバイデン氏がこの語を使っても誰も彼を揶揄ったりすることはないだろう。それは彼がこの語を堂々と使う資格があるからだという。なるほど。バイデン氏はそういう人物だったのだ。
 ところで、上述の通り、昨日は前期の最後の授業。前期は私の力不足からか、学生からはあまり手応えが感じられず少々がっかりしながら、大学のロビーでスクールバスを待っていた。学生が一人近づいてきて、「先生、私のこと覚えていますか?」。去年教えた成績の良い学生だった。彼女は最近洋画を見ていて、登場人物が “Give me a break!” と叫ぶシーンで私のことを思い出したという。彼女が受講していた講座では何度もこの表現を説明していた。強烈な不満や時に憤りを口にしたい時の口語表現だと。「先生、あ、あの表現だとすぐに分かりました」と彼女は嬉しそうに語った。私も嬉しく思ったのは言うまでもない。

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