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senseless killing

  • 2016-07-18 (Mon) 23:14
  • 総合

 アメリカでまた警察官を狙った銃撃事件が起きた。今度は警官6人が撃たれ、3人が死亡。射殺された銃撃犯は黒人だった。事件があったのは南部ルイジアナ州の州都バトンルージュ。ここでは今月5日に白人警官が黒人男性を射殺する事件が起きており、黒人社会から猛反発を受けていた。その報復のように見える。
 銃撃事件で一般市民が死傷する事件が絶えないアメリカでもこのところの銃撃事件は異常だ。私はバトンルージュには行ったことがないが、近くのニューオーリンズには『アメリカ文学紀行』の旅で足を運んだ。歴史的に多人種の市民が共存し、街の至るところに音楽があり、美味い料理でも知られる居心地のいい土地だった。
 CNNを見ると、射殺された一人はモントレル・ジャクソンという名の黒人警官。CNNによるとジャクソンさんは5日の事件後にフェイスブックに、黒人警官であることの葛藤や地元の町、人々への愛着の念を切々と綴ったメッセージを書きこんでいる。私の印象に残ったのは次のくだりだ。“I swear to God I love this city, but I wonder if this city loves me. In uniform I get nasty, hateful looks and out of uniform some consider me a threat.”(神に誓って言うが、私はこの町が大好きだ。この町が私をそう思ってくれているかどうかは自信がない。制服を着ている時には嫌な憎しみに満ちた目で見られ、制服を脱ぐと今度は危険人物ではないかとあやしむ人々がいる)
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 ケーブルテレビで偶然見つけた放送大学テレビというチャンネルの「韓国語講座」が全15回の放送日程を終えた。印刷教材(教科書)なしで毎週土曜日深夜、45分の講座を一心に視聴した。
 最終回の講座で番組の末尾に講師の大学教授(日本人)とアシスタントのネイティブスピーカー(韓国人)二人の簡単なおしゃべりが流された。韓国人のお話は字幕があって助かったが、面白いと感じたコメントがあった。それは女性アシスタントが次のように語ったことだ。来日して日本語を学んで何か変化があったかというような問いに対する返答だったかと思う。彼女は来日当初は日本語が分からず苦労したが、日本語を学ぶにつれ、漢字の理解が深まったという。それで韓国に帰国した際などに向こうの友人たちと語らっていると、自分の漢字力が友人たちにうらやましがられ、鼻が高いとにこやかに語った。
 それで思い出した。3月だったか韓国の統営を訪ねた際に、豊臣秀吉が送り込んだ水軍を撃退した、救国の名将、李舜臣イスンシン将軍の銅像が立つ公園を探したことがあった。その時に20代の若者が歩いていたので、彼に助けを求めたが、彼はガイドブックの「李舜臣将軍銅像」という漢字を見せても首を傾げるだけだった。漢字だけでは祖国の英雄「이순신イスンシン」だと分からなかったのだ。釜山大学では自分自身の名前を漢字で書かせるとちょっと手間取った女子学生もいていささか驚いた。
 ハングル文字一辺倒の教育を受けていれば、韓国の若者が漢字が読めなくなるのは当然の帰結だろうか。とすると、彼らが中国語を学ぶ時には私が感じている以上の難しさを味わっていることになる。このあたりのことも次に釜山を訪れた際に誰かに尋ねてみたい。

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