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断酒三日会わざれば

  • 2015-06-08 (Mon) 10:12
  • 総合

 プロゴルファー、松山英樹選手のアメリカでの活躍が目覚ましい。先週末からオハイオ州で行われたメモリアルトーナメントは一日だけ幸運にも、パソコン上で彼のプレーを1番ティーから最終18番のホールアウトまで完全生中継で見ることができた。睡眠時間はだいぶ削られたが。
 アメリカでの優勝経験で言えば、松山選手は昨年のこの大会で1勝を上げているだけ。しかし、彼はその後、マスターズなどメジャーと呼ばれる大きなトーナメントでも上位に食い込んでおり、前評判は高かった。優勝候補の一人として挙げる専門家もいた。
 松山選手はグリーン上でパットを外した悔しさからパターでグリーンを傷つけてしまい、ベテランプロから “idiot” と非難され物議を醸したこともあったが、今は米メディアの評判は上々のようだ。コメンテーターの口からは「アイアンの切れ味は現在、プロの中でも屈指」「いつかはメジャーを取っても不思議ではない好素材」といった称賛の声を耳にした。
 3日目を終えて5位タイ、1位からは5打差で迎えた日曜の最終日。私は午前4時半に起床し、今度は映像を見れなかったものの、スコアがリアルタイムで分かるパソコン上の画面に声援を送ったが、松山選手は16番のパー3で痛恨のダブルボギーを叩き、優勝争いから脱落。私はこの時点で睡魔に勝てず、再び寝入った。朝起きて確認すると、最終18番ホールで見事なバーディーを奪い、首位から3打差の5位タイで締め括っている。世界の強豪プロに混じってのこの成績は立派だ。
                  ◇
 断酒生活がすっかり体に馴染んだ。私にとって断酒は少なくとも一石三鳥の利点がある。①日々の出費が抑えられ、大いに助かっている。以前は毎日、さきいかやピーナッツなどの乾き物を肴に焼酎のロックを4、5杯。毎晩のこの晩酌だけで毎月約〇万円の酒代が出ていたはず。②体重が確実に減少の一途にある。一時は80キロ台目前という危機的状況にあったが、今では66キロ台にまで落ちた。捨てようと思っていた昔のジーンズが再びはけるようになった。③夕刻の飲食の後にお決まりだったうたた寝が皆無となった。深夜まで物思いにふけることができるのは嬉しい。断酒三日会わざれば刮目して見よ、の心境だ。
 昨年「還暦」を迎えた身だが、還暦とは「元に戻る、還る」ということらしい。私的には「郷里の田畑や川で遊んでいた坊主頭の子どもの頃に戻る」と考えたい。だから「飲酒」しないのはごく当たり前の話。もう一つ、ここで正直に記すと、ギャンブルからも足を完全に洗った(かと思う)。パチンコはもう随分以前にやめていたが、競馬だけは週末にパソコンを駆使してちまちまと楽しんでいた。競馬は「推理」のゲーム。その推理に費やす時間は馬鹿にならず、「費用対効果」の観点からも「赤字大」。ギャンブル即悪癖とは思わないが、色々思うことがあり、この際完璧に決別することを決意した。
 Life is short. (人生は短し)。私に残された時間はあとどれほどか。読み終えたばかりの『伊勢物語』の初心者向け現代語訳本の末尾に次の和歌があった。———— つひに行く道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを———— 平安時代に生きた色好みの美男の歌仙のこの思いだけは昭和・平成を生きている凡夫凡才の身にも共有できる。

Comments:2

くろまめ 2015-06-08 (Mon) 19:10

心身すっきりの省一さんへ
 
ブログの更新 毎回楽しみにしています。
ほぅ~ わぁ~ うひゃ~ 読んでいていろいろ思うことがあります。

「人生短し」。 
じゃじゃ。最近特に実感しています。7掛けで安心しておりましたが、0,7で割った辺りにきているなあと(爆)。

nasu 2015-06-09 (Tue) 08:47

くろまめさん そうですばい。「人生七掛け」ですばい。僕らはいままだ「40歳代」の壮年期ですよ。英語で second childhood というと「老人ぼけ」を意味しますから、あえてsecond youth とでも訳しましょう。カラオケとは無縁の日々ですが、次に歌うとしたら、三田明の懐メロでもやりますよ。歌はもちろん、「美しい六十代」ですな。

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