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魚津に遊ぶ

  • 2015-04-12 (Sun) 13:30
  • 総合

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 大阪、京都を経由して小雨の中、富山・魚津に向っている。JR特急サンダーバード号。魚津は二年ぶりの訪問だ。東京時代にお世話になった親しい知人を訪ねる。東京からも一人友人が合流する。懐かしい面々との再会だから飲まないわけにはいかないだろう。体重増は不可避。まあいい。福岡に戻ったら断酒粗食の日々が待っている。帳尻は合うだろう。
 旅の合間に読んでいたヘロドトスの『歴史』(岩波文庫・松平千秋訳)の上巻を読み終えた。前々回の項で紹介した以外で印象に残っている記述を以下に断片的に記しておきたい。
                  ◇
 コーカサス山中には多種多様の人種が多数棲息しているが、その大部分はもっぱら野生の木の実などを食糧にして生きている。(中略)これらの人種の男女の交わりは、家畜と同じく公然と行われる。
 エジプト人は・・・小便を女は立ってし、男はしゃがんでする。一般に排便は屋内でするが、食事は戸外の路上でする。どうしてもせねばならぬことでも恥ずかしいことは秘かにする必要があるが、恥ずかしくないことは公然とすればよい、というのが彼らの言い分なのである。
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 南が西に傾いている方角では、エチオピアが人の住む世界の涯になる。この国は多量の金、巨大な象、さまざまな野生の樹木に黒檀を産し、この国の住民は世界中で体躯はもっとも大きく、容姿は最も美しく、寿命は最も長い。
 インド人の国土の東方は砂漠を成し、実際われわれの知る限り、またわれわれが多少とも確実な知識をもっている限りにおいて、アジアに住む人類の内ではインド人が最東端の民族なのである。インドの東方は砂漠を成しているため全く無人の境だからである。
 西の方ヨーロッパの端の地域については、私は確実な知識をもたない。少なくとも私は、琥珀の原産地と伝えられる、北の海に注ぐ河があって、異国人たちがその河をエリダノスと呼んでいるというごとき話を信ずることはできないし、わが国に渡来する錫の原産地であるというカッシテリデス(「錫島」)の実在することも知らないのである。

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 古代ギリシアの歴史家ヘロドトス(484BC-430BC)の時代の人々にとって、日本や中国、英国、フランスなどは「存在」しなかったも同然だったのだ。
 上巻の中では最後に次の文章を自分の記憶に焼き付けたいと願った。
                      ◇
 実際どこの国の人間にでも、世界中の慣習の中から最も良いものを選べといえば、熟慮の末誰もが自国の慣習を選ぶに相違ない。このようにどこの国の人間でも、自国の慣習を格段にすぐれたものと考えているのである。そうだとすれば、これほど大切なものを嘲笑の種にするなどということは、狂人ででもなければ考えられぬ行為といえるであろう。
                      ◇
 古代ギリシアの歴史家の「気づき」を二千五百年後の先進文明の現代に住む我々人類は今なお「手本」としなければならない。我々は果たして少しは賢くなったのだろうか?
 (写真は上が、魚津の温泉でくつろぐ私。このような写真をお許しあれ! 下はお世話になったMママのご馳走に舌鼓を打つ)

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