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九里の東九陵

  • 2024-01-07 (Sun) 22:03
  • 総合

 私が泊まっていたホテルはユースホステルのような宿で4日間だけの予約だったので、昨日(土曜日)予定通りチェックアウトした。幸い近くに少しだけハイレベルのホテルを見つけ、簡単に移動することができた。週末をはさむのでレートは跳ね上がるが、致し方ない。いずれにしろ、残りあと2日間だけの宿だ。
 午後遅くにチェックインして部屋に入った。驚いた。平日のレートはそう大きくは変わらないが、快適さが全然違う。部屋が広く、作業机もある。トイレ兼シャワー室は清潔で使い勝手も申し分ない。ウォシュレットも備えてある。後で気がついたが、部屋全体がオンドルになっており、暑くさえ感じた。前のホテルにはなかった電話も付いている。しまった。こんなホテルがすぐ近くにあったのなら、始めからここに予約を入れておけば良かった!
 とこれは午後遅くにチェックインして感じたこと。この日はその前に友人、ジンさんの案内で彼の地元・九里にある朝鮮王朝の歴代王が眠るお墓である「朝鮮王陵」(チョソンワンヌン)を歩いた。「朝鮮王陵」はユネスコ世界文化遺産に登録されている。九里の王陵はその中でも「東九陵」(トングルン)と呼ばれ、その名が示すように王朝の開祖である太祖(テジョ)を始め九つの墓が集中した最大の王陵群だという。
 王陵は儒教と風水に基づいて作られたと言われる。ソウルは福岡と比較しても寒さが厳しい。今回のソウル訪問中、雨はあまり降らなかったが、どんよりした曇り空が多かった。だが、東九陵を歩いている間は暖かい日光が差し込み、幸福な気分にさせられた。王陵がここに作られた理由の一端が理解できたような気がした。王様が歩いた参道の石段を歩く時は厳粛な気分にさせられた。それと同時に身と心が引き締まる思いにもなった。
 朝鮮王朝は1392年から1910年まで27代519年続いた朝鮮最後の王朝。日本が朝鮮を併合し、朝鮮王朝が滅びた1910年という年号を目にするといつも複雑な気持ちになるのは私だけではないだろう。
 移動したホテルで目覚めると日曜日。ベッドで寝転んでこの項を打っている。テレビを付けると、韓国版ののど自慢を(おそらく)生放送している。NHKテレビ日曜ののど自慢は今ではほとんどまともに見たことはないが、ここののど自慢は別の話。よくまあ、こんなに公衆の面前で思い切った歌や踊りを披露できるものだと思う。日本人と韓国人の国民性の違いを感じる。どちらがいいと言うつもりなどは毛頭ない。
 こちらののど自慢。観衆も存分に楽しんでいることが画面から伝わってくる。番組を象徴する有名人だと勝手に思っている高齢の男性司会者も依然ご健在のようだ。いつまでも見ていたいが、この日はかつて中東で一緒に取材したことのあるもう一人の友人、ぺさんとお昼を食べる約束を取り付けていた。そろそろホテルを出なくては。
 ペさんとのランチの後は買い物に出かけたい。私は明日には帰福しなければならない。この一週間、下着以外は着た切り雀。ズボンとシャツぐらいはソウルの思い出とともに買いたい。今よく着ていて、今回の旅でも着ているコートはずっと昔のソウルの旅で購入して重宝している。同じように長く着用できる衣服が欲しいと願っている。
 ペさんにどこに行けば適当なものが買えるか尋ねてみよう。

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