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台風一過?

  • 2014-07-10 (Thu) 11:52
  • 総合

 九州はこのところ、台風8号襲来のニュースが大きな扱いを受けていた。新聞などでは7月に日本列島に接近する台風としては「過去最強クラス」(気象庁)と報じており、憂鬱な気分で過ごしていた。(福岡に住む私はもう過去形で書いてもいいのだろう)
 私は世の中で嫌いなものがあるとすれば、台風は間違いなくワーストスリーの中に入るかと思う。台風シーズンが近づくと、しょっちゅう気象情報(今は天気予報とは言わないらしい)のサイトにアクセスしている。衛星画像を見て、台風の発生状況を確認する。台風が九州に向かっていることが分かると、(無駄な抵抗であることは分かっているものの)スクリーンの衛星画像に念を送り、台風が九州及び日本を直撃することのないように祈る。
 宮崎はかつて台風銀座と言われた。私の実家は山深い地の小さな川沿いにあり、台風が来るといつも川の水が恐ろしいほど増えた。子供の頃には台風が来るのが嫌でたまらなかった。今もそうだ。だから、今度の台風8号にも念を送り、進路変更や勢力が弱まることを祈った。
 今、この項を書いている木曜日朝、窓の外は穏やかだ。曇天ではあるが、雨は降っていない。何だか拍子抜けだ。福岡市内の小中学校は本日は全校休校措置とテレビのニュースは伝えている。私が通っている近くのスポーツジムも昨夜、引き揚げる時、フロントの職員が「明日は台風で臨時休業となりました」と利用者に声をかけていた。
 台風の勢いがピークで通過した沖縄県では大きな被害が出ているようだ。前線が刺激されて、遠く離れた長野県では土石流が起き、中学生の男の子が死亡している。
 予測可能な自然災害については、注意報とか警報の類は多少大げさ過ぎても構わないとは思う。しかし、強風域にあったはずの福岡では、少なくとも私が住む地区ではほとんど台風の猛威を感じることはなかった。多分、暴風雨は台風の南側で強く、幸い、北側ではそう激しくはなかったのだろう。福岡では少なくとも、メディアが連日報じていた「大型で強い」台風と感じることはなかった。
 参考までに、太平洋上で発生する台風(typhoon)は日本や米国、中国など太平洋に面した14か国・地域で構成する台風委員会が、加盟国の言葉を使って順番に命名している。動植物や自然現象にちなんだ名称で、我々が台風8号と呼んでいるこの台風の呼び名はtyphoon neoguri (タイフーン・ノグリー)。ノグリーとは韓国語で「狸」を意味するとか。
 もう一つ付記しておきたい。台風が九州(日本)に来ないことをいつも祈っていると書いたことと矛盾するように思えるかもしれないが、日本のメディアの報道を見ていて、いつも感じることがある。それは台風の進路が日本を逸れて韓国やフィリピン、あるいは中国などに向かった時点で、日本の台風報道は停止する。だが、台風は消えてなくなったわけではない。向かった先で甚大な被害をもたらすことも少なくない。気象情報を伝えるNHKのアナウンサーが末尾にひとこと、例えば、「この台風は今回はフィリピンに上陸すると見られています。フィリピンで大きな被害をもたらさないことを祈りたいと思います」とか言ってくれればなあ・・・などと感じるのだ。
 まあ、そこまで期待するのは無理な相談なのだろう。

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