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アフガニスタン、再びタリバン支配へ

  • 2021-08-17 (Tue) 15:28
  • 総合

20210817-1629181487.jpg アフガニスタンの親米民主政権が遂に崩壊した。あまりにもあっけない終焉だった。政権を奪取したのはかつてアフガンを支配していたイスラム主義勢力のタリバン。2001年9月にイスラム過激派のテロ組織、アル・カーイダによる米同時テロを受け、米軍がアフガンに進攻し、政権の座を追われて20年。アル・カーイダやイスラム過激派勢力が再び活気づく可能性も否定できない。なにより、西側の民主主義を全面的に否定し、特に女性の社会進出を忌み嫌うタリバンの再興は国際社会にとって悲報であり、脅威でもある。
 首都カブールから多くの外交官、国民らが逃げ出す中、現地にとどまったとみられるCNNの女性記者が銃を手に意気軒昂のタリバンの幹部戦闘員らにマイクを向けていた。この幹部は流ちょうな英語で「婦女子はこれからも教育を受けることができる。ただし、顔全体を覆うヘジャブをかぶらなければならない」と話していた。アフガニスタンの女性のためにもそうした「柔軟さ」がリップサービスでないことを祈りたいが、タリバンが具体的にどのような施策を打ち出すのか?
 私は国際情勢の取材の現場を離れて久しいが、今回のアフガン民主政権崩壊すなわち米国のアフガン撤退はベトナム戦争のサイゴン陥落のような衝撃(大事件)ではないかと思える。「瓢箪から駒が出る」みたいにアフガニスタンが安定することにつながれば、まさに奇跡的な展開だが、そんなに甘くはないだろう。
                  ◇
 数日前、次の文章が頭に浮かんだ。「私は中学生時代に一人でアメリカに旅した男を知っている」。続いてこの文章をそれぞれ、英語と中国語、韓国語に翻訳したら、どういう文章になるだろうかと考えてみた。英訳はまあこんな感じだろうか。I know a man who traveled to America alone in junior high school. 中国語と韓国語の対訳はネットの助けも得ながら考えてみた。それぞれ次のような文章となるのではないか。「我认识一个中学时代独自去米国旅行的男人」。「저는 중학생때 혼자 미국으로 여행갔던 남자를 알아」。
 日本語は「私は・・・男を知っている」と主語と述語が遠く離れ、述語は文末に置かれている。韓国語も同様に「저는・・・남자를알아」と主語と述語が離れ、述語は文末にある。これに対し、英語は「I know a man」と始まり、中国語も「我认识」と「私は・・・知っている」が文頭に出てくる。ただし、英語ではその男が「中学生時代に一人でアメリカに旅をした」という大事な情報は、関係代名詞を使い、そっくり後ろから説明されている。
 これに対し、中国語では「一个・・・男人」の間にそうした情報がぎっしり詰め込まれている。この点では日本語に近いと言えるかもしれない。
 このブログでも何度か書いているが、外国語学習の要点は語順の習得にあると考えている。英語では大事な情報は後ろから添えられる。日本語と韓国語では大事な情報は基本、前から順序よく付け加えていく。私は中国語はSVOを念頭に置きながらも、大事な情報は前置きしてもOKという印象を抱いている。だから、「一个・・・男人」というように言わば、英語の a と manの間に諸々の情報を詰め込むことが許される、と理解している。こんな感じで英中韓の言語の学習が進めばいいのになあと願っているが、はてさて? 

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