- 2021-07-28 (Wed) 09:36
- 総合
東京オリンピック。前回の項で「さあ、これからしばらくテレビの前に釘付けになるのか。大リーグのゲームもある。やがて甲子園の高校野球も始まる。スポーツ好きにはたまらないシーズンだが・・・」と書いたが、本当にそうなっている。陳腐な表現だが、スポーツは「筋書きのないドラマ」。こちらが望むような展開にならないこともしばしばだが、それはそれ、あれもこれも観戦していて楽しいのだから仕方ない。
すがすがしいシーンも目にしている。火曜日の柔道男子81㌔級の決勝。永瀬貴規選手がモンゴルの選手を延長の末に技ありで倒し、初めての金メダルを獲得した。二人は勝敗が決すると抱き合い、お互いの手を高く掲げて健闘を称え合った。二人の行動が儀礼的なものではなく、心からそうしたいのだということがよく分かった。モンゴルの選手はお手本としたい good loser(潔い敗者)だった。
女子ソフトボールにも魅せられた。宿敵アメリカとの金メダルをかけた決勝戦。13年ぶりに復活した女子ソフト。次のパリ五輪ではまた「消滅」することになっている。「幸薄い」競技は熱く応援せざるを得ない。熱戦を2対0で制したのは39歳のエース上野由岐子投手を擁する日本だった。信じられないようなプレーも飛び出した。アメリカの6回裏の攻撃中、1死1,2塁のピンチに強烈な打球がサードを襲い、グラブからはねたボールをショートが追いかけ、地面に落ちる前に奇跡的に捕球し、飛び出していた2塁ランナーも差してダブルプレーでピンチを脱したのだ。滅多にお目にかかれるようなファインプレーではない。神様が日本に味方したかのような一幕だった。
女子ソフトを長年支えてきた元日本代表監督の宇津木妙子さんの解説も日本チームを母親が激励しているようで、味わいがあり耳に心地よかった。
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米CNNのホームページを見ていて、ああ、まさにそうだよなと思わざるを得なかった。もうこの名前はこのブログに記したくないのだが、そう、トランプ氏が先の大統領選では不正があったのだ、本当は自分が再選を果たしていたのだ、と信じ難い嘘八百を今なお吹聴しているというニュースが大きく報じられていた。見出しが ‘Sore loser’ Trump reaps fruits of election lies in Arizona というものだった。“sore loser” という語。まさにトランプ氏に打って付けの形容の語句だ。“good loser” の対局にあるネガティブな語であることは soreの原意が「ずきずき痛む」という形容詞であることを知っていれば推測できる。改めて辞書を繰ると(実際には電子辞書だが)good loserの対義語として bad(sore, poor) loser が挙げられ、「負けてぐずぐず言う人」と載っていた。
もがけばもがくほど醜態をさらしているトランプ氏をまだ盲目的に支持し、彼の集会に足を運ぶ人々がいる現実はどう考えても私が知るアメリカではない。CNNの記事でトランプ氏が政権にあった当時の対コロナ失政や1月の首都ワシントンの連邦議会議事堂襲撃事件に関し、彼を戦争犯罪人として裁くべきと説く専門家の意見が目をひいた。トランプ氏のスピーチをYouTubeで見たが、常軌を逸した発言の数々を聞くと、失礼ながら彼はもはや監獄か精神病棟に送り込むべき人物ではないかと思えてならない。
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