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約1.2度の変化

  • 2021-07-22 (Thu) 07:38
  • 総合

 世間では本日(木曜日)から4連休らしい。浮世離れの日々を過ごしているので全然知らなかった。東京オリンピック・パラリンピックもいよいよ開幕する。ソフトボールや女子サッカーは一足早くゲームが行われた。コロナ禍があり、オリンピック開催を冷ややかに見つめている人たちも少なくないようだ。
 高度成長期に行われた1964年の東京オリンピック。私は小学校5年生だった。小学生なりに興奮して競技中継をテレビで見たことを覚えている。今のムードとは比較することさえ無理があるだろう。メダルを目指す選手には何の罪もない。オリンピックが事実上スタートした以上、何とか無事に大会が最後まで遂行されることを願わざるを得ない。
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 幾度かこのブログでも書いてきているが、私は外国語学習の要点は語順の習得にあると思っている。月曜朝のNHKラジオの中国語講座を聴いていて、この語順に関する考察が出てきた。例文は「私は彼女に告白する勇気がありません」という文章。中国語ではこの文章を二つの言い方で表現することが可能だとか。
 まず最初の訳文は「我没有向她表白的勇气」。次の訳文は「我没有勇气向她表白」。いずれの文章も「私はありません=我没有」という主語動詞が冒頭に登場しており、日本語とは大いに異なる。続く「向她表白的勇气」は「彼女に対して告白(表白)する勇気」という意味で、何となく日本語感覚で分かるかと思う。二つ目の文章中の「勇气向她表白」は「勇気、彼女に対して告白する」という語順で、勇気の内容を後ろから説明している。
 後者は英語的な語順と言えるかと思う。英語なら上記の文章は “I don’t have the courage to confess my love to her.”とでもなるのだろう。courage(勇気)の内容を後ろから説明している。中国語では英語のように名詞(目的語)を後ろから説明することも、日本語のように前から説明することも可能な言語だと言えるようだ。この「融通無碍」なところが中国語の面白さであり、不思議さであるのだろう。
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 先週、ドイツやベルギーで集中豪雨により住宅街で洪水が発生し、多くの死者が出ていることを書いた。そうしたら、今度は中国内陸部の河南省でも洪水が発生し、大きな被害が出ていることを知った。想定をはるかに上回る豪雨による被害は全世界で同時進行形で起きているということか。これに近年勢力が増す一途の台風やハリケーンの襲来を考えると、その甚大な被害の規模は想像するだに恐ろしい。
 英BBCの記事を読んでいて、次の記述があった。地球温暖化の影響による異常気象の深刻さを憂えた後の文章だ。Experts say global warming makes torrential rainfall more likely. The world has already warmed by about 1.2C since the industrial era began.
 私が驚いたのは、世界の平均気温が産業革命前の1850~1900年の平均に比べ、約1.2度上昇しているとの記述。え、わずか約1.2度なの? どうやらこの約1.2度の変化がいわゆる異常気象をもたらしている原因のようだ。人間の基礎体温も1.2度変化すれば一大事だろうが、地球という惑星にとってもただ事ではないようだ。

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