Home > 総合 > 主席と主食

主席と主食

  • 2021-07-02 (Fri) 17:11
  • 総合

 大谷翔平君がホームランを3本も打ったニューヨークでの対ヤンキース戦。彼が先発のマウンドに立った第3戦を楽しみにしていたが、制球が定まらず、塁を埋めては自滅し、1回も投げ切れずにマウンドを降りた。救援の投手も打たれて、自責点は何と7点。これでは防御率が酷い数字に落ちるのは避けられない!
 私は途中でテレビ観戦を諦め、散髪に出かけた。帰宅してパソコンを開けると、なんとまだゲームが続いている。どうやら途中で雨が降り、かなりの時間、中断していたらしい。大リーグの凄いところは長時間でも雨が止むのを待ち、ゲームの成立を目指すところだ。プロ野球だったら、とっくに雨天コールドが成立していたことだろう。
 ゲームは信じられない展開を見せていた。何と、貧打のエンゼルス打線から最終回表に満塁ホームランが飛び出し、8対8の同点に追いつき、さらに猛攻、最終的に11点を上げて逆転勝利。翔平君はとっくにゲームを離れていたが、負け投手として記録に残るのを奇跡的に回避できた。
 一夜明け、本日(2日)未明の第4戦は悪天候により中止となった。私はDHとして打者に専念する翔平君が再び目の覚めるようなホームランをかっ飛ばすのを期待してスマホの目覚ましで中途半端に早起きして中止を知り、大いに落胆した。とはいえ、打者としてはニューヨーカーやヤンキースファンに強烈な印象を与えたことは間違いない。ヤンキースのスター選手、アーロン・ジャッジ外野手は翔平君を称して “He’s a generational talent, that’s for sure.”(世代を代表する才能の持ち主)と語っていた。generation は一世代のことだから、まあ30年ぐらいの感覚だろうか。ベーブ・ルースの再来とも称される翔平君なら「100年に一人の逸材」とでも称してもらいたいぐらいなのだが。
                  ◇
 翔平君が乱調で早々とマウンドを降りたのを見た直後に1日は中国共産党の創設100年の記念すべき日であることを思い出し、中国の国営テレビ局にチャンネルを合わせると、天安門広場で催されていた記念式典が生中継されていた。習近平総書記(国家主席)が演説していた。中国語の勉強のために耳を傾けたが、残念ながら理解できるところは少なかった。
 本日の読売新聞を読むと、習氏の演説は中国の「強国」路線を堅持し、米国への対抗心を強くにじませていたと総括している。「中華民族の偉大な復興」という政治スローガンを21回も繰り返したとか。どのような政治体制であれ、一党独裁が永続的に許される社会はいびつだと思わざるを得ないが、習氏や党の指導部はこのことについて何の不安も疑念も感じていないのだろうか。
 公民館の中国語講座の冒頭のショートスピーチを作文していて面白いと思ったことがある。主席は中国語のピンイン表記ではzhǔxí。主食のピンイン表記はzhǔshí。日本人には両者の区別が容易にできる人は少ないのではないかと思う。私にはそうだ。ネットでその辺りを調べてみてもヒットすることはないので、この二つの語の発音の酷似はたいしたことではないようだ。私の印象では主席のxíは涼しげなシーに聞こえ、主食のshíは喉の奥でこもったシーに聞こえる。両者の区別が難なくできる日が来ることを祈りたい気分だ。

Home > 総合 > 主席と主食

Search
Feeds

Page Top