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久しぶりの床屋さん

  • 2014-04-14 (Mon) 01:16
  • 総合

 いつからか定かではないが、髪の毛をずっと伸ばしていた。田舎の長姉の家に椎茸取りの手伝いに帰った時、姉から坊主頭を諌められたのだ。
 私「Sあねえ、なんば言よっとや。これがええっちゃが。シャワー浴びても、すぐ乾く。整髪料もつけんでええ。坊主頭が一番衛生的で気持ちもええっちゃが!」
 姉「そんでも、見苦しいもんは見苦しい。伸ばせば、少しは見栄えもええなるのに!」
 私「俺はこれが気に入っとるっちゃが。本人がええちゅうのやから、これでええやろ。もう今さら、女の視線を気にする年でもねえがな」
 おおよそこんな会話を交わした記憶がある。そして数日後に帰福。スポーツジムに行き、プールで泳いだ後、サウナに入り、体を洗った後、鏡に映った我が姿を見て、「そうだな。姉の言う通りにしてみるのも一興かな」と思った。それまではほぼ二週間に一回は自宅の風呂場で電池バリカンを使い、頭を刈っていた。このバリカンは私が会社を早期退社してアフリカの旅に出る直前、行きつけの床屋さんが「アフリカで散髪屋に行くのは大変でしょうから、これで時々刈ったらいいですよ」とプレゼントしてくれたものだった。
 それ以来、ほぼ2週間おきに頭を刈っていた。後ろの方が見えないので、いつも後部に不安を感じながら、刈っていた。その煩わしさから解放されて、ふと気づいたら、髪の毛がだいぶ伸びてきていた。そうこうするうちに、ここ最近、両耳の辺り、それと後頭部辺りが少し伸び過ぎかなと思えてきた。坊主頭の時は自分でバリカンで何とか処理できたが、「長髪」になった今はさすがにそれはできない。
 それで、昨日(日曜)床屋さんに出かけた。私が住んでいる地区は、こうなって初めて気がついたことだが、床屋さんがやたら多い。何だか、角々にあるみたいだ。これでそれぞれが商売が成り立っているということはここは人口が増えている地区なのだろう。
 「カット1000円」と案内が出ている、とある一軒の床屋さんをのぞく。女性の理髪師二人だけの小さなお店で愛想もいい。頭頂部には決して手を触れず、両耳と後頭部の辺りだけ、できるだけ少しの量、はさみを入れてくれるよう懇願した。洗髪もないから、すぐに散髪は終わったが、それでも次のような会話のやり取りはできた。
 私「いやあ、久しぶりだよ。床屋さんのいすに座るのは。でもあれだね。側頭部の髪の毛はあっても、頭頂部が寂しいのは実に残念。何とかならないものだろうかねえ」
 理髪師「頭頂部は女性ホルモンが関係しているらしいですよ。男の人は年がいくと、女性ホルモンが少なくなっていき、その影響が頭頂部に出るみたいですね。女の人に禿げが少ないのはそういうことらしいですよ」
 私「へえ、そうなの? 初めて聞いたわ。でも、何だか説得力あるね、その論は」
 理髪師「特に男っぽい人ほど頭頂部が寂しくなるようですよ。胸毛がある人とか」
 私「本当? 実は私も胸毛があるんだよ。そうか、男っぽいと禿げやすいということか」
 理髪師「ええ、そう聞いたことがあります」
                    ◇
 私がその店を出る時、上機嫌だったことは言うまでもない。散髪した頭もすっきりした。

Comments:8

二流子 2014-04-14 (Mon) 12:57

哀しいとう字に1本の棒足して
しみじみ人は衰えてゆく
              福島市 美原凍子

桐一葉落ちて天下の秋を知り~という句がありますが、頭頂部の淋しさは理髪師の論で埋められたようですね。刺激を受けて淋しさも消えるかも知れません。朝日歌壇の短歌はもうその域を超えてしまった老女の嘆きでしょうか。

nasu 2014-04-15 (Tue) 10:25

二流子さん 老女かあるいはそういう近しい人を見ての嘆き・哀れみの歌かもしれませんね。私も郷里に帰る度、近しい肉親のそういう姿を見てそう感じます。どうせ我もそうなるのなら、滅びの美学を追求してやれ、と思うこともあります。コメントありがとうございます。三流子より

やすよ 2014-04-15 (Tue) 23:09

省一さん こんばんは~
「春子」のあとは「床屋さん」へ。ブログのふるさと関連記事を楽しく読みました。
今日の私は、孫に会いに久しぶりに電車に乗って出かけました。行きはルンルン♪、帰りは事故で電車が大幅に遅れました。本屋さんで時間をつぶすつもりが、『大人になったら着たい服』サブタイトルが「背筋を伸ばして大人の春」。私にとってタイムリーな本です。ええ。買いましたよ。コーヒーショップで読みました。白髪がいい感じになってきましたので、おしゃれの”さじ加減”も気になってきています。還暦の楽しみはこういったところにもあるなあと自分に期待しているところです。夏よ来い。

省一 2014-04-16 (Wed) 12:10

やすよさん いいですね。お孫さんですか。可愛い盛りでしょうね。あちきには望むべくもない世界です。還暦の楽しみ、いいですね。僕らの世代は「ひできー、かんれきー」でしょうか!

やすよ 2014-04-16 (Wed) 14:08

省一さん そうですねぇ~ 「座布団3枚」といったところでしょうか(^^)。しかし、そのあと、いいニュースが入りました。 『英語でさるく』の点訳のことです。 私は「ひでぇ=カンゲキ!」ってなっています。
それで追伸です。
 大阪・交野市「虹の会」のS.Nさんがすごくがんばってくださったようです。登録は視覚障害者情報総合ネットワーク「サピエ」に登録されます。今月末までには検索で見つかると思います。
製本したものが省一さんに届くと思いますよ~~。

nasu 2014-04-16 (Wed) 16:28

やすよさん それはとても身に余る光栄です。拙著を点字訳して頂いたことは。実は本日から大学の前期授業が始まり、久しぶりに教壇に立ったところでした。教科書はその『英語でさるく』です。学生に教える私のパワーが一段とアップされた感じです。「虹の会」のS.N.さんに大感謝します。ありがとうございました。

砂月 2014-04-30 (Wed) 23:40

なすさん!お久しぶりです(^^)/~~~

モカジャバのさつきです!

あっ!元モカジャバです、現在はいずみさんもお店をたたみ悠々自適に毎日をお過ごしの模様です。
なすさんの坊主頭以外を目にした事がない砂月は
なすさんの顔に毛が生えたお姿を妄想しております(笑)!

お元気そうで何よりです。

またブログを楽しみにして居ます♡

那須 2014-05-01 (Thu) 09:13

さつきちゃん 久しぶりだね。元気かな? モカジャバ時代が懐かしいよ。みんなと会える場がもうないしね。でも忘れていずにブログに立ち寄ってくれたんだね。ありがとう。

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