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♪♪Fight the Virus ♪♪

  • 2020-04-24 (Fri) 11:18
  • 総合

 今週の日曜日はスカイプを使った二回目の英語教室。今度はスマートに実施できることを願っているが、果たして・・。しかし、スカイプはとても便利な代物だ。髭を剃るだけでOK。外出着に着替える必要ない。これまで実際の教室の場に行くのにかけていた物理的時間もとても有効に活用できる。第一、交通費も不要だ。コロナウイルスに罹患するのを怖れる受講生も思いは同じだろうか。
                 ◇
 遠く離れた地に住んでいる同郷の一学年上の先輩からスマホのラインにとある歌が送られてきた。クリックしてみると、Fight the Virus というタイトルが出てきて、耳に心地よいメロディーとともに「コロナウイルスに負けずに力を合わせて闘おう」という趣旨の歌詞が流れる。嗚呼、あのサイモン&ガーファンクルの名曲 “Sound of Silence” のパロディーソングなのだ。いい歌だと思った。Ten thousand people maybe more が罹患して苦しんでいるという歌詞があるので、コロナウイルスが猛威を振るう前に制作されたのだろうか。
 パソコンでも Fight the Virus song と検索すれば、この歌が出てくる。私の世代の人なら青春時代を懐かしく思い出すかもしれない。世界が人類が一丸となってコロナウイルス撲滅に闘うことを訴えたこの歌を懐かしく思いながら聞くのは果たしていつのことになるのか。いや、我々はまだ今のコロナ禍の戸口に立っているに過ぎないのかもしれない。
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 『漢詩鑑賞事典』。今読んでいるのは孟浩然(689-740)という唐の時代の詩人の漢詩で「春暁」と題した五言絶句。最初の句、起句は私でも耳にした、目にしたことがある。「春眠暁を覚えず」だ。縦書きの漢詩を横書きにしていいものか迷うところではあるが、次のような語句が並んでいる。春眠不觉晓 处处闻啼鸟 夜来风雨声 花落知多少
 『漢詩鑑賞事典』に掲載されている漢文訓読では、以下のようになる。春眠暁を覚えず 処処啼鳥を聞く 夜来風雨の声 花落つること知んぬ多少ぞ
 漢文訓読では一句、二句、四句目が押韻していることは分かりにくいが、中国語のピンイン表記ではそれぞれ、晓(xiǎo)、鸟(niǎo)、少(shǎo)と韻を踏んでいる。
 続けて日本語訳は——。春の眠りは心地よく、うつらうつらと夜の明けたのも気づかずに寝ている。外ではあちらでもこちらでもいかにも春が来ましたとばかりピイチクとなく小鳥の声が聞こえてくる。そういえば、ゆうべは風雨の音がしていたが、花はいったいどれほど散ったことやら。<鑑賞>の項では概略次のように述べられている。この詩のテーマは後半二句から「惜春の情」と解釈されることが多いが、キーポイントは起句の「春眠暁を覚えず」にあり、春のぬくぬくとした眠りを貪る人物のありよう、つまり「高士の世界」なのである。夜が明けたのも知らず春の眠りを貪っているのは、宮仕えを拒否した、つまり世俗の巷を低く見ている「高士」と称する人物なのである。
 「高士」とは広辞苑には①人格の高潔な人②世間から離れ、山林などに隠れている有徳の人とある。「高士」ならずとも春の眠りを貪りたい気分だが、コロナウイルスが跋扈する時節柄、とてもそのような悠長なことは言っておられない世の中のムードだ。

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