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アリナミン

  • 2016-08-31 (Wed) 09:40
  • 総合

20160831-1472603913.jpg 水曜早朝。約一週間の釜山滞在を終え、帰福のフェリーに向かった。語学的には収穫が少ない旅となったが、願っていた再会が果たせなかったこともあり、致し方ない。釜山港でタクシーを降り、フェリーの受付に。順調に手続きを済ませ、出国審査も終え、出発ロビーでコーヒーを飲んでいると、何やら、雰囲気がおかしい。フェリー会社の人があたふたとやって来て、対馬海峡周辺の波の状況により、出航便がキャンセルとなったという。
 この日朝6時頃に起きてホテル(3階)の窓から外を見た時、はす向かいの商店のひさし状のカバーが激しく波打っていた。あれ、強烈な風が吹いているぞ。日本の東北地方を駆け抜けた台風の余波かな。海は大丈夫かな。地理的に距離があるから、まあ、たいした影響はないだろうと踏んでいた。だから、チェックイン直後にキャンセルを伝えられ、やっぱりなあとがっかりした。
20160831-1472603945.jpg 同じフェリー会社の便は午後3時過ぎにもある。この便に切符を振り替えてもらい、これを待つことにした。この便もキャンセルになる可能性はあると言われたが、6時間以上も経過すれば、波も収まるかもしれないと望みを天に託した。
 港のフェリー待ち合い所では他にすることもない。読書にいそしむ意欲もわかない。それでパソコンを開き、この項を記している次第。釜山最後の夜はK氏に付き合ってもらった。キューバから訪韓中のジャズのグループの演奏会があるので行きませんかと誘いを受けたので同行した。演奏会の前にK氏と一緒に食事しながら、いろいろ話をした。面白く聞いたこともあった。これはいつかきちんと整理して記したい。
 ジャズ演奏会を楽しみ、K氏に別れを告げた後、地下鉄でホテルに向かった。今回の旅では南浦洞の光復路と呼ばれる大通りに立つ屋台で何度か食事した。お店のおばちゃんと韓国語で悪戦苦闘した。情けなくなるほど話が通じなかった。NHKの初級のラジオ講座のテキストが分かる程度ではやはり、現実の会話には太刀打ちできないということを再認識させられた。最後の夜も屋台をのぞこうと思ったが、屋台にいけば、焼酎をまた飲むことになる。お腹は満たされており、真っ直ぐホテルを目指した。
20160831-1472603975.jpg ホテルがすぐそこまで来たところで、いつも以上の人だかりを目にした。明らかに何かの撮影が行われている雰囲気だ。好奇心に駆られ、近くに立っていた若い女性に誰か有名なスターでも来るのかと尋ねた。多分英語で尋ねたかと思う。彼女はそうだと答え、手にしていたスマートフォンでその男優の写真を見せてくれた。見たことのない顔だった。知っているかと聞くので、日本では有名ではないようだと答えた。すると、彼女は日本人ですか。私日本語少しできますと言った。発音が良かったので、どこでその日本語覚えましたかと尋ねた。彼女は「アリナミンの歌で覚えました」と嬉しそうに言った。「アリナミン?」。そんなコマーシャルソングがあったかしら?と私は面食らいながら、必死に考えた。「アリナミン、知りませんか。彼女日本の大スターでしょ?」。3度目の「アリナミン」の発声で、彼女が意味しているのは「アムロナミエ」であることが分かった。
 彼女は小学校のアートの先生で、英語と日本語に興味があるという。私の名刺を手渡し、メールを交換することを約した。漫画のあられちゃんのような元気のいい子だった。

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