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たまのご褒美

  • 2016-07-25 (Mon) 00:38
  • 総合

 夕刻の中洲に出向いた。金曜夜の賑やかさはこの地が九州一の歓楽街であることを実感させる。私もついこの間までこうした光景の一部だったのがもう随分昔の気さえする。この夜の目的は一か月ほど前に行ったお店の再訪。丁度いい機会だったから、普段からパソコンの不具合の調整などでお世話になっている出版社のS君を誘った。
20160725-1469406565.jpg くだんのもつ鍋店。昔の人はよくぞ言ったものだ。「もつ鍋は友」と。いやあれは「持つべきは友」だったかもしれない。注文したのは前回と全く同じもの。上もつ鍋。それが煮上がる前にイカ刺しとゴボウ天を肴に、断酒を解禁しての焼酎オンザロック2杯。そして、真のお目当てだった地鶏飯を最後に食する。これは釜飯の一種と呼ぶべきものだろうが、これほど美味い釜飯は近年味わったことがない。この夜のものも期待を裏切らなかった。S君もとても喜んで食べていた。今回は私が支払って締めて9,550円。石部金吉的日々の自分へのたまのご褒美としては安いものだろう!
 普段粗食に徹していると(本人は特段そう意識しているわけではないが)、たまの外食が何と素敵な味わいになることか、を再確認するとともに、中洲というか福岡の食の美味さをも再認識した一夜だった。(残念、写真が逆さま、私には直せない!)
                 ◇
 このところ、永六輔氏だの大橋巨泉氏だの、私の世代には、懐かしい個性的な著名人が相次いで他界している。マルチタレントの永六輔氏の逝去は英BBCも報じていたが、あれっと思ったのは彼が中国人を祖先とする(of Chinese descent)と冒頭に紹介されていたこと。海外のメディアは普段我々が気づきもしないことを子細に伝える。
 同じくマルチタレントの巨泉氏は私の世代には深夜番組「11PM」とほぼ同義のようなものだろう。中学生の私はわくわくしながら(あの当時ちょっとエッチな)番組を見たものだ。新聞のラテ欄に「女優〇〇裸の告白」とあった日などは絶対に見なくてはとテレビの前に座った。実際に放送されたのは、肉体派女優〇〇の過去の赤裸々な告白だけであり、裸体とは何の関係もなく、凄くがっかりしたことを覚えている。
 ふと思った。確か、この人の本をいつか買ったような記憶が。本棚のどこかに埋もれているはずだ。探したらあった。『巨泉日記』(講談社2000年刊)。内容は恥ずかしながら全然記憶に残っていない。ひょっとしたら、まともに読んでいないのかもしれない。それで手にして読み進めた。本題が示すようにエッセイ風の日記だから読みやすかった。
 人気絶頂にありながら56歳でテレビの世界からセミリタイアして、生活の中心をオーストラリアやニュージーランドなど海外に移し、そうした国々で土産物店を営みながら、大好きなゴルフや釣りなど悠悠自適の日々————。彼の人生哲学がよくうかがえた。最晩年は闘病生活も余儀なくされたようだが、私を含めた凡人からは羨ましくなるような人生を思うままに送った人であることは間違いない。
 彼の主張にすべて同意するわけではないが、「要するに、人生はいかに成功するかとか、カネを儲けるかでなく、いかに心の平和を得るかがキイなのである。特に中年以降に悩まされるストレスやトラウマが良くない」という指摘はその通りだと思う。合掌。

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