Home > 総合 > 現代英語川柳

現代英語川柳

  • 2022-11-25 (Fri) 15:05
  • 総合

20221125-1669356273.jpg サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会が開幕した。強豪国のグループE組に入った日本は初戦でドイツと対戦し、2対1で逆転勝ちした。グループリーグを突破し、「8強以上」を目指す日本にとっては願ってもない好スタートとなった。
 正直に書くと、私は前半を見て、日本の負けを覚悟した。翌日の仕事の朝起きのため、後半は見ずにベッドに向かった。翌朝目覚めて枕もとのスマホを開いて確認すると、日本が逆転勝ちと出ている。宮崎の方言で書くと「たまげたばい」(方言でないかもしれない)。日本チームがこれほどたくましくなっているとは知らなかった。特に決勝ゴールを決めたあの浅野選手の得点は背後から執拗に迫る相手ディフェンスを振り切り、角度のないところからの難しいシュート。お見事と言うしかないだろう。
 ジャパン・ニュース紙は締め切り時間の関係で金曜日の朝刊でこのニュースを一面トップで報じていた。その見出しだけを見ても、意図するところ、日独戦の意味合いが理解できるかと思う。“Japan scores late to stun wasteful Germany”。普通の見出しは字数制限があるが、字数制限の無視を許してもらえるなら、「日本、終盤の反撃でドイツに仰天の逆転勝利 ドイツは再三の好機を逸す」みたいな感じか。
                  ◇
 私の古い友人からユニークな著書が贈られてきた。『Senryu--杉山昌善の現代川柳 英訳』。表紙に書かれた著者名はジョーゼフ・ヒックス氏。私は彼をジョーゼフと呼んだことはない。常に「ジョー」だ。米ジョージア州ラグレインジ出身の68歳。私が紅顔の美少年(?)だった大学3年時にラグレインジ大学に留学し、ジョーと知り合った。彼はその後、来日し、広島大学の大学院で学び、桜美林大学や立命館アジア太平洋大学(別府市)で教壇に立った。一昨年からは立命館宇治中学校高等学校の校長職にある。
 文学博士の彼はオペラの声楽も手がけるなど多趣味だと承知していたが、川柳にも通じているとは知らなかった。今般の出版は彼のお師匠さんの川柳作家、杉山昌善氏の選りすぐった140の作品を英訳したものだ。英訳とはいえ、杉山氏の薦めもあって杉山氏の川柳を下敷きにしたジョーの手になる川柳、詩になっていると理解した方がいいらしい。読んでみると、川柳の魅力が英語に活写されていて、英語学習の手助けになる。
 私の印象に残った作品を幾つか紹介したい。杉山氏の川柳、ジョーの英訳川柳の順。
 一葉で天寿まっとう蝸牛 The snail; Spending a whole lifetime, On just one leaf.
 人間を創りて神の知らんぷり “And as if He didn’t know any better”! God created Man.
 私には余ってしまうネジがある My life an Ikea project; A few screws are left over.
 困ります私を好きと言う鏡 Now I have problems! My mirror says that it’s fond of me.
 一斉に北風になる友たちよ Fair weather friends, they can turn on you all at once like the North Wind. [野暮を承知で少し説明すると、fair weather friendとは「都合のいい時(だけ)の友人」を意味する]
 この川柳本にご興味があれば、以下のウェブサイト(http://sugiyama-shouzen.com/)をご覧ください。

Home > 総合 > 現代英語川柳

Search
Feeds

Page Top