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「낙지」(ナクチ)チョアヨ!

  • 2015-11-02 (Mon) 11:05
  • 総合

20151105-1446705608.jpg 先週末、福岡市の中心街・天神のギャラリーで催されたユニークな鼎談会をのぞいた。韓国の食文化がテーマで、「詩で味わう料理本」と銘打たれた『飲食のくにではビビンパブが民主主義だ——おいしい詩を添えて』という本の出版を記念しての催し。書名にある『飲食』はここでは「いんしょく」ではなく「おんじき」と読む。私のパソコンでは「おんじき」と打っても、この語は出てこないが、広辞苑を引くと「飲むことと食べること」とある。日本でも昔からある語のようだ。  (鼎談=ていだん)
 韓国の食に詳しい関東在住の作家と福岡県在住の在日の歌人に、韓国・全羅道出身の詩人の3人が壇上に。詩人はこの本に寄せた詩「ナクチポックム」を読み上げた。生年を見ると私より一回り近く年長の方だったが、私はこの詩が大いに気に入った。「ナクチポックム」とは「テナガダコ炒め」という意味。韓国語では「낙지볶음」。辞書を引くと、「낙지」(ナクチ)は蛸と載っている。
 「ナクチポックム」は詩人の故郷(고향:コヒャン)の干潟に棲息しているナクチ(蛸)が最高と称賛し、詩人の地元では古来、弱った牛やけがを負った人がこのナクチを口にしさえすれば生気を取り戻すとうたっている。詩人の言葉では「これぞ旨さの極み 最強の精力剤」(맛 중의 맛이요 보양 중의 보양이니)とか。今の私の語学力で上記の文章を果たして理解しているか怪しいが、보양とは私の辞書には「補陽」という漢字が当てられている。「強壮剤で男性の精力を強めること」とも。
 私は実は蛸が大好きだ。毎週、何回かは味噌汁の具にしている。(レパートリーの乏しさを露呈していることでもあるが)。だから、ナクチの滋養の高さを称賛したこの詩を読み、大いに意を強くした次第だ。独り身の私には「補陽」の必要性は皆無に近いとしてもだ!
                         ◇
 最近『イギリス文学紀行』や『アメリカ文学紀行』など私の著作を愛読しています、ブログも読んでいます、という奇特な方に遭遇した。英語の勉強に役立てていますとの由。まことに有難い。そういうお方がおられるのであれば、このブログではやはり、少しは英語(영어:ヨンオ)のことを書かなければ・・・。
 数日前の英字紙「ジャパンニュース」にインドのモディ首相が進めているアフリカとの協力関係構築の動きが報じられていた。中国に負けじとアフリカ諸国に大規模な経済支援の手を差し伸べる意向という。その中に次の一節があった。Yet India, soon to become the world’s most populous country, has its work cut out to catch up with China, whose annual trade with Africa is three times larger than its own $72 billion.
 なぜ、この英文をここで紹介したか。学生に英語を教える際の格好の「教材」だからだ。こういう一見難解そうな英文を見て、臆する必要はないと、私は学生に語っている。主語と述語さえ見つければ、後は「楽勝」だと。上記の文章は「飾り」を削ぎ落とすと、India has its work cut out to catch up with Chinaとなる。has its work cut out toという見慣れない慣用句の意味の理解が難儀だが、辞書を引くと、have one’s work cut out という形で「(~という)やっかいな仕事をあてがわれる」という訳例が載っている。(拙訳は続で)

Yet India, soon to become the world’s most populous country, has its work cut out to catch up with China, whose annual trade with Africa is three times larger than its own $72 billion. (しかしながら、まもなく、世界一の人口を擁する国となる運びのインドが中国に追いつくのは並大抵のことではないのだ。なぜなら、インドの対アフリカ貿易額は年間720億ドルだが、中国はその3倍の規模の貿易をアフリカ諸国と展開しているからだ)
 もっとこなれた訳文はもちろんあるだろう。私にはこの辺りがせいぜいだ。さきほどの説明をもっと乱暴に言うと、主語はIndia(インド)で術語はhas its workであり、要するに「インドは何か仕事を抱えている」という意味合いの文章だ。その仕事の具体的内容は飾りの部分の英文を理解しないと判明しないが、それは段々と分かっていけばいいと私は学生には説明している。

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