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富岳一景

  • 2020-06-25 (Thu) 13:11
  • 総合

 中国語と韓国語の学習はNHKラジオの講座に大変お世話になっている。時にはテレビの講座も見ている。ただ、テレビは毎週火水の午後11時半からの放送でさすがにくたびれて寝てしまうこともある。そのテレビの講座が今月は4月の再放送が続いている。コロナ禍でロケや収録ができずに苦肉の策なんだろうなあと推測していた。
 書店でNHKのラジオ講座のテキストを目にした。手に取って見ると、7月は中韓ともに4月の再放送のようだ。だから7月の講座は4月のテキストをそのまま使えますよと表紙に注意書きが載っていた。私ははなからテキストを買わずに耳から理解しようと悪戦苦闘している。ネットで検索をかけ確認してみると、ラジオでも中韓の講座は来月から再放送モードに入り、9月末まで過去3か月分が流されることを知った。
 正直、がっかりした。実は中韓とも今、毎朝の講座がとても楽しいのだ。テキストなしで聴いているからそれぞれ15分間の講座で流れてくる会話や文章を必死になって書き取っている。時間内に書き取れないと、講座が終わった後に辞書やネットで語彙を確認して何とかしのいでいる。辞書を引くことなく、流れる文章をすっと書けるときは気分も上々。
 この調子で残りの三か月をやり終えることを願っていた。中韓ともに今の講座は4月にスタートして9月に終わる半年のシリーズ。それが何と、9月末まで新しい内容は流れないのだ!ひょっとしたら、10月から改めて残りの講座を放送するのだろうか。こうなったら、その時までにこちらの力をつけて、再開された講座を左団扇で聞き流せるようになっていたいものだ。まさか、ここでもコロナ禍に煩わせられるとは思いもしなかった。
                  ◇
 コロナ禍を始め鬱陶しいニュースばかりの最近では珍しくちょっと晴れやかになる話題だった。スーパーコンピューター(スパコン)の計算速度を競う最新の世界ランキングで日本の「富岳」が一位の座を奪取したというのだ。「富岳」は理化学研究所と富士通が手がけたもので、日本のスパコンが世界一となるのは2011年の「京」以来とか。「富岳」は新型コロナウイルス治療の新薬開発の分野でも活躍が期待されている。
 コンピューターの世界のことは当方には文字通りチンプンカンプンだ。今こうやって手元のパソコンのキーボードを打っていて、よくまあこう理路整然と文字が打てるものだと思う。しかも合間にはネットで調べものをして、即座に新しい知識をゲットできる。子供の頃はもちろん、社会人になった頃でも想像もできなかった世界だ。退職して久しい今、一昔前なら「小人閑居して不善を」なしていたかもしれないが、パソコンのおかげで辛うじて「不善をなさず」正気を保ってもおられる。
 「富岳」は神戸市の理化学研究所計算科学研究センターにある。英BBCは以下のように記していた。The room-sized machine lives in the city of Kobe. なるほど研究センターの一室を占める「富岳」は live と表現できるのか。人工知能(AI)の最たるもののように思える「富岳」が将来、大地震の発生や宇宙の神秘、異星人の存在の可能性、死後の世界のことなど、我々が知りたいと願っているさまざまなことに手がかりを与えてくれるような日が来るのだろうか。それは神様の領域に限りなく近づくことのようにも思えるが。

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