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「インドア派」は「室内族」

  • 2021-10-21 (Thu) 12:15
  • 総合

 前項でスマホに日英中韓の翻訳機能があることを知り、重宝していることを書いた。その通りなのだが、やはり限界はあるようだ。音声吹き込み方式の限界と呼ぶべきかもしれない。先日は「私はインドア派(の人間)です」という文章を翻訳してみた。英語では “I’m an indoor person.” と見事な英文が出てきて嬉しくなった。中国語では「我是印度派。」という文章が出てきた。「インドア」という音声が国の「インド」という語に直結するようで、何度発声しても「印度」が登場する。
 辞書やネットをあれこれ調べた結果、「インドア派」は「室内族」という語があり、「アウトドア派」は「户外族」という語があることを知った。日本人には漢字の意味合いから何となく理解できる。思えば昨今のコロナ禍もあり、世の中には「室内族」の人間が急増したのではないかと思う。かく言う私もこのところずっと「室内族」になっている。YouTubeや無料のAbemaTVを毎日、何度も何度ものぞいている。太るはずだ。
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 AbemaTVでよく見る番組の一つに麻雀番組がある。「Mリーグ」という番組名で、32人のプロ雀士が8チームに分かれて半年以上の長期戦でしのぎを削る。これは暇さえあれば見ている。私は本来、麻雀大好き人間であり、以前に書いたことがあるが、学生時代には一か月の家庭教師代が一晩の麻雀で露と消えた苦い思い出もある。爆砕の才能はあっても博才はなかったようだ。
 それで「Mリーグ」のお話。麻雀をある程度打った経験があると、プロ雀士の打ち方も我々素人の打ち方もそう大差はない(ように見受けられる)。将棋のプロ棋士の指し方が素人には到底想像もつかないのとは訳が違う。将棋と麻雀の根本的な差異でもある。
 まあ、それはそれとして、麻雀はパソコンの画面を通して見ていても楽しい。ギャンブルからすっかり足を洗った私は次に実際の卓を囲むのはいつの日になるか分からないが、見るだけのギャンブルは馬券を買わない競馬と同様、神様も許してくれるだろう。だから良心の呵責を覚えることなく画面を眺めることができる。以前にも書いたが、麻雀用語には当然のことながら、中国語の語彙があふれている。学生時代にはごく当然のごとく、「チー」と発声して、上手の打牌から必要な牌を拾っていたが、これが中国語の「食べる」意の「吃」であるとは当時は思いもしなかった。ルールに従って「チー」と発声していたに過ぎない。
 麻雀ではあと1牌がそろえば、和了つまり上がり形となるのを前に、立直(リーチ)をかけることがある。そうすれば、自分の手を少なくとも1翻高めることができる。最近気がついたのだが、「Mリーグ」ではリーチの発声があると、画面にアルファベットのREACHの文字が流れるようになっている。英語の「到着する」の reach という語だ。私はこの文字を見るたびに強い違和感を覚える。
 我々が麻雀をしている時に「リーチ」と発声するのは、英語の reach という感覚ではない。あえて言えば、中国語の「立直」をイメージした「リーチ」だ。実際の音に落とすとreach ではなくむしろ、leech だろう。でもこれは英語では血を吸う「ヒル」を意味する語。相手の有り金を情け容赦なくむしり取る行為なら leech と呼べるかもしれないが・・・。

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