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Stunning ignorance of facts

  • 2020-07-06 (Mon) 12:31
  • 総合

 また新しい一週間が始まった。福岡は悪天候が続いており、気分も滅入る。曇天の隙間をついてスロージョギングを続けているが、何だかなあという感じだ。
 熊本の豪雨被害は胸が痛む。人吉は福岡から新幹線を利用して帰郷すると、八代で高速バスに乗り換え、途中で立ち寄る停留所の一つ。私は人吉周辺をドライブ・散策した経験はないので土地勘は全くないが、郷里の宮崎・西都からそう離れた地ではない。山間部では川幅の狭い地区が多く、そういうところで豪雨が集中的に降れば鉄砲水となりやすい。
 ネットのメディアで「50年に一度の豪雨」という表現を目にしたが、本当にそうだろうか。これからはこうした豪雨が日常茶飯事になるのではないかと私は危惧する。以前に書いたことがあるが、帰郷して、長姉の家に泊まっていた際、急に降り出した雨に驚いたことがある。それまで経験したことのないような激しい雨だったからだ。「これって南太平洋の亜熱帯地方で降るスコールのような雨では」と思った。地球温暖化で亜熱帯が上昇し、日本も亜熱帯でしか見られないような豪雨が当たり前の時代に入っているのではないか。
 南の海でしか獲れなかった魚が今日本の近海で獲れる話はよく聞く。農産物もそうではないのか。地球温暖化の有難くない余波は身近に迫っているのではないか。杞憂であることを心から願うが。
                  ◇
 トランプ氏のことはもうあまり書きたくないのだが、毎朝、米CNNテレビを見ていると、致し方ない。書かずにはおれないような言動を大統領が日々仕出かしてくれている。
 月曜朝はトランプ大統領が新型コロナウイルスは恐れるに足りぬと次のように語ったと報じていた。週末の独立記念日のスピーチの一節だ。“Now we have tested almost 40 million people. By so doing, we show cases – 99% of which are totally harmless – results that no other country can show because no other country has testing that we have. Not in terms of the numbers, or in terms of the quality.”
 コロナウイルスの死者が13万人を超えたアメリカでさすがに「感染者の99%は無害」と主張するのには言葉を失う。しかも発言者は大統領だ。CNNテレビではコメンテーターから一蹴されていたが、さらに驚いたのはコロナ対策を担当している政権幹部がコメントを求められ、大統領の発言を否定・批判することを拒んだことだ。CNNのホームページの見出しは A stunning breakdown of the government’s duty to keep Americans safe というものだった。この日のCNNテレビでは、トランプ氏に仕えた側近の一人がトランプ氏がアメリカの歴史に関する本を一冊も読んだことがないと語ったのを聞いたことがあるとも証言していた。
 トランプ氏の一挙手一投足が米主要メディアにより詳しく報じられるようになってから、stunning という語を幾度となく目にするようになった。本来は「美しい」とか「とても魅力的な」といったポジティブが語彙なのだろうが、ことトランプ氏に関しては his stunning ignorance of history とか his stunning lack of knowledge about the world などと形容されるのに使われている。嗚呼、何をか言わんやである。

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