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地球温暖化

  • 2014-11-21 (Fri) 13:44
  • 総合

 何だか分からないが、忙しい。退職した身だ。そう忙しくなくていいはずだ。それが今秋はなんだかんだいって、週末も机の前に座り、パソコンに向かっている。新聞社勤務時代の方がはるかに気楽だったような感じが・・・。
 地球温暖化に関連する本をこのところ読んでいる。アメリカで話題になった書で、『グリーン革命』という書名の翻訳本だ。地球温暖化が人類にとって「待ったなし」の大問題となっていることが良く伝わってくる良書だ。年明けに宮崎の大学で時事問題を解説する集中講義を担当することになっており、こちらの方も少しずつ準備を進めている。
 『グリーン革命』によると、国際社会がこのまま手をこまねいていると、近い将来、人類は未曽有の危機に直面するという。大洪水、旱魃、熱波、生態系の変異・・・。今年大水害や火山噴火に見舞われた日本に住む我々はすでにそういう異常気象の一端を垣間見ているのかもしれない。そうでないことを心から願うが。
 今夏、宮崎の田舎に戻っていて、少しく感じたことがある。これまであまり経験しなかったような雨を味わったからだ。強いて表現すれば、熱帯地方のスコールのような雨だった。ひとしきり強い雨が屋根を叩いていた。その時ふと思い出したのは、サマセット・モームの短編だった。“Rain”(邦訳『雨』)。
 『雨』は南太平洋の島に旅の途中で足止めを食った白人の旅行客が経験する物語で、人の神経を逆なでするかのように来る日も来る日も降り続く雨が背景に流れていた。温暖化で熱帯的な雨が宮崎でも降るようになりつつあるのではないかと縁側に佇みながら、私は漠然とそんなことを考えていたのだ。モームが人間の、男の肉欲の性(さが)を淡々とした筆致で描いた珠玉の作品は、やがてこの日本が舞台になっても不思議ではなくなるのでは・・・などと。
 『グリーン革命』を読んでいて再びモームの短編を思い出したので、ネットで作品を「呼び出し」再読してみた。幾たびか読んだ記憶があるのだが、今回再読してみて、細かいところは初めて読むかのような感覚に陥った。読書というものは、いや、私の記憶というものはそういうもののようだ。
 と、そのような他愛ないことはどうでもいいのだが、報道によると、地球温暖化の元凶である温室効果ガスの2大排出国、アメリカと中国が今月、2020年以降の温室ガス削減の新たな目標で合意したという。20年以降の削減目標を打ち出せないでいる日本を含めた国際社会は挙を突かれたとか。『グリーン革命』でも、中国が本気になって再生可能なエネルギー産業を育成し、それと同時に経済成長も図っていく戦略を構築していることが書かれていて、意外な感にとらわれながら、読み進めた。
 文科省などが出している「日本の気候変動とその影響」をネットで読む。それによると、今世紀の終わり頃には今は見られないような猛烈な台風の襲来が予測されるという。日本に上陸する直前でも「中心気圧が880hPa以下で最大風速70m/s以上を維持する」規模の台風も現れるようになるとか。そういう台風が九州に襲来すれば、どれほどの被害をもたらすか、想像することさえはばかられる。

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