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December 2022

歳末点描2(第777号)

20221230-1672384466.jpg 『アバター:ウェイオブウォーター』を昨日観た。IMAX とか呼ばれ、特製のサングラスをかけて観ると、画面が浮き上がって見えるし、音響効果もあって、眼前で物語が展開しているよう。(料金はサングラス代含め2,800円だったが、シニア割引があり2,100円) 
 22世紀。元海兵隊員の男ジェイク・サリーが地球から遠く離れた惑星パンドラに送り込まれ、そこに住むナヴィと呼ばれる人間に似た神秘的な女性と恋に落ちる。第一作は森が舞台だったが、今回は海が舞台。初めて見る人はきっと感動したと思うが、13年ぶりとはいえ、前作の印象が残っている者は前作ほどの感動は覚えなかったのではないか。第一、長すぎた。途中でトイレに立つ人が何人かいた。優に3時間を超えていたか。
 観終わってふと考えた。22世紀の地球から地球では入手できない不老をもたらす鉱物資源などを求め、パンドラにやって来た我々人類の末裔。パンドラに住む高身長で身体的能力に長けたナヴィたちが空や海中を自由自在に飛び回る奇怪な鳥類を操ることができるとはいえ、彼らの原始的な弓矢で科学技術を駆使した破壊力抜群の兵器で襲ってくる人類の末裔に対抗できるとはおよそ信じ難い。
 『ウェイオブウォーター』は人類との新たな戦闘を乗り切り、ナヴィのリーダーとして妻や子供たちを守る決意を新たにするジェイク・サリーの次の決意の一言で幕を閉じる。“This is where we make our stand.” (ここが我々が堂々と生きていく場所だ)。第三作が遠からず、皆さんの前にやってきますよと私には聞こえた。
                  ◇
20221230-1672384526.jpg 映画館のある博多区のキャナルシティ界隈を久しぶりに歩いた。清流公園では屋台が出て、若者グループの生演奏などもあり、年末らしい賑わいを見せていた。
 道行く人の会話が前から後ろから聞こえてくる。圧倒的に韓国語が多かった印象がある。中国語はそうでもなかった。韓国からやってきた観光客が多いのだろう。人気のラーメン店や日本料理店の前には長蛇の列もできていた。ということはソウルや釜山でも同じように日本人観光客の列が出来ているのだろう。私は韓国であれ、台湾であれ、まだ旅をする気には到底なれない。
                  ◇
 やがてオンライン英語教室で読みたいと考えている英書を求めて、天神の書店に足を運んだ。いつも洋書を買い求めているところだが、念頭にあった本は在庫なし。店員さんに調べてもらったが、どうも近くの書店にもない模様。ないものはないので致し方ない。
 年明けに関西に行く予定なので、大阪か京都の書店に立ち寄って買い求める手も頭に浮かんだが、在庫なしの可能性もある。電話で問い合わせるのも億劫になり、アマゾンで買い求めようかと考えた。私はネットショッピングは苦手でほとんど利用したことがない。しかし、関西への長旅の往復の車中で読む本は絶対欲しい。よってアマゾンをグーグル。それが昨日夜で明日には届くとか。本当にその本を手にしているのだろうか。そうなれば嬉しいが。
 ファイルにこの項をしまう際に気づいた。ブログには表れないが、この項は第777号だ!この項を読まれる奇特な方に幸多き2023年であれ!新年快乐!새해 복 많이 받으세요.

歳末点描

20221229-1672280577.jpg 久しぶりの好天に誘われ、香椎浜のジョギング路を散歩した。この秋から中学校で教壇に立つ仕事を始めて以来、平日はほぼ忙殺され、香椎浜に足を向けることができないでいた。香椎浜ではいつも快適な散策が楽しめるが、この時期はさすがに歩いている人も少なく、ジョギングしている人もまばら。歩いていたら、コンビニの近くで「恵方巻き」ののぼりが見えた。まだ正月も来ていないのになんという気の早さか。商魂逞しいと形容すべきか。
                  ◇
 コロナ禍で今冬も郷里には足を向けられない。郷里と言えば、宮崎県知事選で現職の河野俊嗣知事が四選を果たした。何の思惑があってか知る由もないが、突如返り咲きを狙ったテレビタレントの東国原英夫氏を破っての当選。二人の差はわずか2万3千票ほどだった。タレント稼業に飽きたのかもう一回、県知事でもやるべと戻ってきたお笑い芸人が易々と当選を果たすようでは宮崎県民の民度を疑われていたことだろう。それにしても、あそこまで追い上げられるとは県民が県政に期待するものは皆無に近いということなのか?
                  ◇
 長い冬休み。中学校や専門学校の仕事が復活するのは1月半ばから。専門学校の契約は3月末で切れる。この2年間、週に一日、教えてきていた。週に一日といえども、2コマで計2時間半の講義なので、内容的には結構な量となる。学生たちにとって役に立つ講義だったのかと自問すれば、反省したいこともある。授業で何度も口にした文章を試験に出し、その解答を目にして愕然としたことも少なくない。どう教えたら良かったのか?
 残すところあと3か月。学生たちの多くは来春から大学に編入して新たなスタートを切る者が多いようだ。彼らが英語の真の力を身につけていけるように精一杯のお手伝いをしたい。そのためには残る期間、どういう教え方をしようかと手元にある過去のさまざまな講座・授業で使った教材に目を通しながらあれこれ思いをめぐらせている。
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 オンラインで続けてきた英語の小説を読む教室も無事に一年を終えようとしている。コロナ禍でカフェでの対面教室からオンラインに切り替えたが、思えば、オンラインの経験があったから、専門学校での講義がコロナ対策でズームに切り替わった際にもスムーズに対応できた。アナログ人間の私には信じ難いこと。
 オンライン教室は現在、福岡から遠いところに住む人たちの教室を含め2グループ。ごく限られた人数の教室だが、それぞれ毎月2回の講座は私にとっても非常に心地よく教えることができる。大学時代に尊敬する恩師の英文学講座を私一人が受講し、1対1の家庭教師のような講座があったが、私は今もあれが一番思い出に残り、楽しい講座だったと思い出す。オンラインで英語小説を読む教室はまさにそんな雰囲気のひとときだ。
 このところ読んでいるアガサ・クリスティの戯曲はいよいよ佳境に入りつつある。それが終われば次に何を読もう。できれば私も読んだことのない作品を一緒に読みたい。さてどこを漁ればそういう作品があるだろうか。セレンディピティー(serendipity)に期待しよう。
 良いお年を! 新年快乐!새해 복 많이 받으세요. Happy New Year 2023!

残映はzanei?

20221225-1671935049.jpg 英字紙「ジャパン・ニュース」のカルチャー欄に懐かしい顔が見えた。歌手のちあきなおみ氏。名前は漢字で書くべきか? ネットで検索してみると、ひらがなでいいようだ。1947年9月生まれとあり、75歳。70代半ばになったのか。元歌手、元女優と記されている。表舞台から姿を消してしまったのでこういう記述になるのだろう。
 英字紙の記事は読売新聞からの翻訳で、ちあきなおみ氏が1992年9月に夫の死別とともに引退して30年を機に、彼女と親しい関係にある音楽プロデューサーの証言などを交えながら、彼女が今なお日本の歌謡曲の世界で美空ひばりと双璧をなす歌手と崇められていることを紹介していた。“Naomi Chiaki is second to none.”(ちあきなおみは唯一無二の存在)とはそのプロデューサーの言葉だ。今秋新しく発売されたコンセプトアルバム「残映」も好調な販売を続けているとか。彼女の今なお衰えぬ人気を物語るエピソードだろう。
 代表曲「喝采」は強く印象に残っているものの、私は記事を読んで初めて彼女のたぐいまれな「歌唱力」を知った。いつかテレビ画面に彼女が再び奇跡的に登場するようなことがあれば、私は間違いなくテレビの前に釘付けになるだろう。さすがに今もかつての歌声を期待するのは酷だろうとは思うが・・。
 ところで、英字紙で「残映」はどう紹介されていたか。次のように紹介されていた。“Zanei” (Sunset glow) reached No. 1 on the weekly Oricon rankings in the “enka and kayokyoku” song category on Oct. 31, …… 私は最初、zanei に戸惑った。座寧? ( )の中のsunset glow を見て、ああ、「日没の輝き」を意味しているのか、「残映」だなと思い至った。英語表記が紛らわしい時には “Zan-ei”とハイフォンを入れるか、中国語のピンイン表記のように分かち書きを明示する “Zan’ei”と表記するのが望ましいと改めて思った次第だ。
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20221225-1671935125.jpg ジャパン・ニュース紙上にもう一つ韓国発の面白い記事があった。こうした記事はネットでもお目にかかれることはあるが、じっくり楽しむにはやはり実際の紙面を手にするのが一番のような気もする。韓国で来年六月から韓国民の年齢の数え方が国際社会のそれと同じやり方に「統一」されるという話題。他愛ないニュースではあるが・・・。
 要するに韓国では今もなお、赤ん坊が誕生すると、即1歳と見なされ、年が明け正月がやって来ると更にもう1歳の年を加える年齢の数え方をしているとか。例えば大晦日におぎゃーと誕生するとその場で1歳となり、翌日のお正月で2歳を迎える。一年が経過して正月を迎えると3歳となる。つまり、日本でならやっと1歳となった時点で韓国の赤ん坊はすでに3歳児と勘定されることになる。
 公的な書類などではいわゆる満年齢で記述するケースもあるようだが、普段の生活では旧来の数え方で済ませていることもあり、混乱が生じることも少なくないとか。誕生日が年末に近ければ、実年齢(満年齢)と2歳近い差が生じる。この記事の見出しはS. Koreans to become younger as way of counting age changes となっていた。年長者に対する敬語使用が日本とは比較にならないほど厳格な韓国。確かにソウルで韓国人の友人と年齢の話題になった時に、お互いの年の数え方に微妙な「ずれ」を感じたことを思い出す。

冬休みの本確保!

20221219-1671434903.jpg コロナ禍もあり、出版社・書肆侃侃房がある天神方面にはすっかり縁遠い日々を送っていた。今年も残り少なくなり、挨拶ぐらいはしておこうと先日、故郷・西都市の名菓を手土産に久しぶりに足を運んだ。田島社長と歓談の後、社長から「これ冬休みに読んでみなさいな」と書肆侃侃房の近刊、10冊近い本を頂いた。私の好みを熟知しておられ、韓国の小説・短篇、台湾に関係する本も含まれていた。有り難い!
 帰宅後、早速読み始めた。まず最初に手にしたのは黄順元(ファン・スノン)著の『木々、坂に立つ』(白川豊訳)。著者の黄順元氏(1915-2000)は平壌生まれで日本に留学経験もあり、大戦後の46年に南朝鮮に越南している作家。韓国文学をかじっている人なら誰でも知っている高名な作家だろうが、無知な私は初めて。帯カバーにある通り、南北分断と朝鮮戦争(1950-53)をめぐる若者群像が男女の性を絡めながら描かれている。今の視点から「生」の価値や「命」を軽々と放棄する生き方を批判するのはあまり意味のないことかもしれないが、時代に翻弄されてもがく若者たちの姿が痛々しい。実に読み応えのある作品だった。
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 時々参加している徳島を中心としたオンラインの英語愛好者の集まり。ほぼ三か月置きの一夜パソコンの前に集い、英字出版物の話題で盛り上がる肩の凝らない集いだ。先日の集まりでは泣くこと、涙の効用が話題に上った。人は泣くことによってストレス、緊張を解きほぐしているのだとか。従って、涙は健康に役立つものであり、泣くことを我慢することは愚の骨頂。そのくだりの英文はーー。Studies show that people who hold back tears are more likely to get sick or suffer from stress-related issues. So, for health reasons, it’s best to cry whenever necessary. (研究によると涙を我慢する人々はそうでない人々より病気になりやすく、またストレスに起因する病状で苦しむ可能性が高い。健康のためには必要があればいつでも泣くのが最善の方策なのだ)
 正直、私は昔から涙もろい。今でも小説を読んだり、ドラマを見たりしていて、思わず涙ぐむことも少なくない。さすがに人前で大粒の涙を流すことははばかられるが、涙腺が熱くなることは昔も今もしばしば。嗚咽でなければそう恥じ入ることでもないだろう。だから上記の記事を読んだ時には「我が意を得たり」と思った次第だ。
 人の身体のメカニズムはともかく、いわゆるストレスが長寿(longevity)を妨げる最大の敵ではないかと私は思っている。社会生活はとかくストレスとの戦い、いや正確には戦ってはいけない、ストレスをどうやって回避するか、それが不可避ならいかにそうしたストレスをため込まないように暮らすかがかぎを握っているのだと思う。思えば、大学卒業以来勤めた新聞社を56歳で早期退社したのも我が人生のストレス回避には大いに役立ったのかもしれない。ストレスを回避するために社を辞するのだとなどとは露思っていなかったが。
 そして今、私は中学校で教壇に立ち、中学生に英語を教えるという新たな仕事に着手している。現時点で言えることは新しい仕事はストレスとは無縁であり、教えることがかくも楽しく有意義であることかと再認識させられている。これが私の人生のストレス蓄積になるようなら改めて考え直そう。

セレンディピティー(serendipity)

 購読紙を読んでいてとあるコラムに目がとまった。街の書店(本屋)が全国の地方自治体から姿を消しつつあることを指摘していた。書店が一店もない市区町村が26%を占めているとか。コンビニやスーパーの中には雑誌や週刊誌など限定的な定期刊行物を置いているところもあるが、図書館を除けば、多岐にわたる本に接する機会は地方に住む人たちにはほとんどないと言えるのかもしれない。コラムは人は本との出会いにより「思いがけない場所」に導かれるとして、そうした本との出会いを英単語の「セレンディピティー」とともに紹介していた。「幸せな偶然」という訳語を当てていた。
 「セレンディピティー」は私も好きな語だ。serendipity。アフリカ特派員時代に愛用していた古い辞書には一言「掘り出し物上手」との説明が載っている。学生時代に使っていた英英辞書には “faculty of making fortunate and unexpected discoveries by chance” とある。今使っている電子辞書には「掘り出し物を偶然見つける才能、予期することなく大きな発見をすること(能力)、掘り出し上手」と記されている。
 「セレンディピティー」を単なる「幸せな偶然」と解するのはもったいないかと思う。英英辞書にあるように “faculty” の意味合いも含みたい。“faculty” は「才能」とか「機能」という意味だ。人生において掘り出し物を見つけるのは確かに万人にできることではない「才能」だろう。私のような凡人には難しいことかもしれない。でも「機能」であれば、普段からアンテナを高くして、心を研ぎ澄ましていれば、凡人の懐にもたまに飛び込んでくるものかもしれない、などと私は願っている。すべては神様の摂理(providence)かもしれないが。
                  ◇
 先週末の土曜日に高校・大学時代の友人と久しぶりに会った。日曜日にも東京での新聞社時代の同僚とこれも久しぶりに会った。土曜日の再会は彼らの家に近い小倉駅前のしゃれたレストランで。当然のことながら、お酒で乾杯。まずはビールを飲んだ。健康を考え、この秋以来、ずっと断酒を続けていることは何度か書いているが、古い友との再会で飲まない訳にはいかない。焼酎はともかくビールを飲むのは今年の正月以来ではないか。久しぶりのビール、しかも地元の地ビールは格別に旨かった。お代わりもした。ビールの後で焼酎のお湯割りを数杯頂いたが、肝機能が調子が良いからか、酔うこともなく帰宅の途に就いた。
 新聞社時代の同僚とは天神でランチをともにした。古巣の話で盛り上がったが、さすがにここで詳述はできない。同僚は私と異なり、ついこの間までメディア関連の全国組織の重職にあった。今はそれからも解放され、来年からまた新しい仕事に就こうとしている。才気あふれる人だからユニークな仕事をするものと思う。お互いに健康で会える幸運を喜びたい。さて、この次に会えるのはいつだろうか。
 両方とも最後に会ったのがいつだったか思い出せなかった。3年前後会っていないことは容易に察しがついた。ラインメールをスクロールして、高校・大学時代の友人とは3年前の12月に会っていることが分かった。やはり3年の歳月が流れていた。故郷の土もこの3年は踏んでいないということか。亡きお袋や姉のことは毎朝神棚の前で、さらには夕食の前にその名を念じているものの、お墓参りはとおいとおい・・・。

Samurai Blue が色褪せないことを!

 日本中を席巻したサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会。日本代表のサムライブルー(Samurai Blue)たちは決勝トーナメント初戦で姿を消した。先制点を上げた時になぜか不吉な予感がした。グループリーグで勝ち点を上げた2試合は苦境からの逆転勝ちだったからだ。やはり決勝トーナメントを勝ち抜くのは大変なことだった。
 優勝経験のあるドイツやスペインといった欧州の強豪を破ったのだから、前回大会で準優勝国のクロアチアといえども勝てるのではないかと密かに期待していたのだが・・・。私は途中からベッドに入り、ラジオでゲームを聴いていたが、PK戦(penalty shootout)に突入する頃からはテレビで見た。日本の最初のキッカーはエースナンバーの10番を背負った南野拓実選手。端正な顔立ちの選手で人気があるだろうことは容易に察しがつく。私は彼の顔が緊張で青ざめているように見えた。おいおい、大丈夫かいな?と心中案じた。彼の右足から放たれたPKは素人目ながら力がないように感じた。相手GKは易々とボールをとらえ、ゴールとはならず。以降、日本チームのPKは浅野拓磨選手をのぞいて相次いで失敗した。
 サムライブルーは奮闘虚しく当初の目標として掲げていた8強入りはならなかった。16強で終わったのはこれが4度目とか。ワールドカップの次回大会は4年後のこと。次回大会で決勝トーナメントを勝ち進むことを祈ろう。そうでないと、愛称の blue が「青色」が合わせ持つ「元気のない、落胆した」の意味に転じる可能性もある。英辞書をひくと、the blues は「(音楽の)ブルース」の他に「憂うつ」という意味もある。
                  ◇
 ネットで海外のニュースをピックアップしていてもあまり心が弾むものがないことは何度も書いてきている。これは久しぶりに「朗報」だと思った。米議会上院選で唯一決選投票に持ち込まれていた南部ジョージア州で民主党候補が共和党候補に勝利したと報じられたニュースだ。共和党候補はあのトランプ氏が肩入れしてきた曰く付きの候補であり、もしこの候補が勝利するような展開になれば、トランプ氏の影響力が依然、米政界では揺るぎがないことを強く印象づけることになっていただろう。
 トランプ氏の威光は確実に衰えつつあると見なしていいのだろうか。ジョージア州の上院議員が確定したことで、上院の勢力図は民主党51に共和党49と民主党が優勢を維持した。バイデン政権与党の民主党はこれまでのように50対50で上院議長でもあるハリス副大統領の1票を必要とすることはなくなった。
 トランプ氏は既に2024年の大統領選に出馬する意向を表明しているが、最近でも2020年の大統領選で不正があった、本来なら自分が大統領として再選されていたのだと蒸し返し、そのために米国の憲法そのものを停止すべきだと信じ難い主張を展開している。普通の国だったらトランプ氏のような人物が政界に居座り続けるのは到底無理だと思えるのだが、こともあろうに米国でそれが許されているとは・・・。

Doan 凄いぞ!

 私がこのブログでサッカーの話題に触れることは滅多にない。英国を旅している時はイングランドや欧州のサッカーリーグの放送をよく見ていたが、日本でJリーグのゲームをまともに見たことはない。多くの野球ファンはそんなものだろうと思う。
 しかし、ワールドカップとなると話は別だ。日本のグループリーグ突破をかけた金曜未明(日本時間)のスペイン戦。私は野球で言えば「大阪桐蔭対ヤクルトスワローズ」のようなものではないかと踏んでいたが、あに図らんや2対1で逆転勝ち、2大会連続の決勝トーナメント進出を決めた。ゲーム開始は午前4時。私はスマホの目覚ましを合わせて早めに寝たが、さすがに起き上がって寒い部屋に行き、テレビをつけるのは億劫に感じた。それでスマホのラジオでNHKの生中継を聴きながらうつらうつら。もうろうとした意識の中でスペインが先制ゴールを決めたような・・。前半が終わった頃に少し意識がしっかりしたのでトイレに立ち、さすがに後半ぐらいはテレビで見てやろうと思った。
 寒い居間に行き、ストーブをつけてテレビをオンにした。点差が開いていないことを祈りながら画面上部のスコアを見やる。2対1と見える。あれ? スコアが動いているぞ! お互い1点ずつ入れたのかな? 画面を凝視すると、あら不思議? 日本が2対1でリードしているではないか! 噓だろ!と思い、何度もスコアを見やったが、どうやら日本がゲームをひっくり返したようだ。委細は分からないが、万歳! 日本、そのまま逃げ切れ!
 そして実際、日本は後半のロスタイムの7分も何のその逃げ切った。あっぱれ! 凄い! ゲームが終了した後に堂安律選手(24)の同点ゴール、更に田中碧選手(24)の逆転決勝ゴールのビデオを見た。堂安選手の左足でのシュートは相手GKが必死で阻止しようとした手をはじいてネットに。これは見事というほかないシュートであることは私のような素人目にも明らかだった。それにしても凄まじい攻防だった。試合中に画面に決勝トーナメント進出の2か国が暫定的に幾度も表示されたが、敗退したドイツもコスタリカも一時は勝ち残りの可能性がある緊迫したゲーム展開だった。
 ところで、英字メディアでは大活躍の堂安選手はDoan と表記されている。最初この名前を目にした時に、ドウンもしくはドーンという名前の外国人選手を紹介しているのかなと思った。ネットで検索すると欧米の人名にDoanという名があり、発音はドウンのようだ。ドーンならdawn という単語が頭に浮かぶ。これなら「夜明け」という縁起のいい語だ。堂安選手はこれで今大会2得点目。日本が欧州や中南米のサッカー強国と肩を並べるほどの力をつける「夜明け」まで近づいたとしたなら、それを象徴するような名前ではないかなどと私は考えたりしている。まあこじつけだが・・・。
 それにしても、日本がコスタリカには負けるが、ドイツとスペインを倒して首位で「死の組」と言われたグループEを勝ち抜くと予想した人など皆無に近かったのではないかと思う。ここは森保一監督(54)の手腕を素直に称えるしかないだろう。次は来週早々に初めての8強入りを目指し、強豪クロアチアとの戦いが待っている。もう十分だろうとねぎらいたいが、そこはそれ、またもっと行けると熱い声援を送るのだろう。「夜明け」の次は何が待っているのか。選手名のアルファベット表記が少し気になる・・・。

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