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September 2020

“That was a shitshow.”

20200930-1601463486.jpg 水曜日朝。いや、正確には未明か。午前3時にスマホの目覚ましを合わせ、起床した。目当てはこの日から始まった大リーグのプレーオフ。ワイルドカードと称して、アリーグ、ナリーグともにそれぞれ4試合が行われる。口火を切ったのは前田健太投手が栄えある先発を務めたアリーグのミネソタツインズ対ヒューストンアストロズ。
 健太君は制球に苦しんでいたようだが、要所は締めて、5回を零点に抑え、1対0で勝利投手の権利を手に降板した。4回には二死満塁のピンチを迎えたが、8番打者を三振に切って取り、窮地を脱した。ツインズのゲームを真剣に見たことは皆無に近いのでよく分からないが、前半に絶好のチャンスを拙攻で逃し、同点に追いつかれた後の最終回には拙守がたたり致命的な3点を献上し、敗れ去った。ワイルドカードのプレーオフはわずか3戦のみ。明日の第2戦に負ければ、万事休すだ。健太君の今シーズンは終わってしまうのか。
 次の言葉は中継ぎで同点を許した同僚の投手の言葉だ。健太君への信頼がにじみ出ている。“What a start he gave us, what an outing. It’s one of those games where we as a group really, really wish we could have just done a little bit more for him just so he could get more of a pat on the back, more of a reward for the job that he did. He’s been that way since I’ve known him. I’ve known him for a few years now, and he’s just extremely competitive and he shows up in big moments.” そう、その通り。球数が増えたため、5回で降板を余儀なくされたとはいえ、彼の力投は十分 a pat on the back(称賛)に値したと思う。
 さあ、明日はアリーグはニューヨークヤンキースの田中マー君、明後日にはナリーグのシカゴカブスのダルビッシュ有投手がマウンドに登る。二人とも頑張れ、加油!
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 トランプ大統領と民主党バイデン候補の大統領選を前にした初のテレビ討論会の模様を米CNNの生中継でちらっと見た。議論が全然かみ合っていないようだった。トランプ大統領の顔色が冴えていないように見えたのは勘ぐり過ぎだろうか。彼は各種世論調査で苦戦が伝えられており、ここに来て、ニューヨークタイムズ紙が彼の過去の納税逃れのおぞましき疑惑を報じたばかり。
 CNNは討論終了直後のネットで An absolutely awful debate という見出しを掲げていた。コメンテーターからも最低の討論だったと酷評された。矛先はもちろん、罵詈雑言を繰り返し、バイデン氏の発言を何度も遮ったトランプ大統領に向けられている。女性コメンテーターの一人は “That was a shitshow.” とまで言い切った。公共の電波でshitshow という語がしかも女性から発せられるのを初めて耳にした気がする。shitshowを日本語に訳すことさえはばかられる。
 詳しくは見ていなかったが、何となくバイデン氏の物腰というか発言に覇気が感じられないように感じたのが気になったが、敢えてそういう姿勢を取ったのかもしれない。いずれにせよ、メディアやコメンテーターからこれほど酷評されても、トランプ氏を支持する人々の大統領への支持は揺るがないのだろうか。私は最近では11月の大統領選では現職のトランプ氏はかつてない歴史的な大敗を喫するのでないかと思い始めている。

一日三秋

 秋本番。もう何度かこのブログで書いたような気がするが、一年の内で秋が一番好きだ。郷里の宮崎で何の憂いもなく気楽に過ごした学生時代を思い出す。神社の結婚式場でアルバイトに精を出していた。披露宴のテーブルに料理を置き、片付ける仕事で、休憩時に控え室で仲居のおばちゃんたちと雑談しながら賄い飯をご馳走になり、仕事が終わると披露宴で残ったタイやエビなどを詰めた折箱を下宿に持ち帰り、腹を空かせた友人たちとぱくついていた。季節は秋が多かったような記憶がある。
 その秋が近年、段々と短くなっているような気がしてならない。残暑が長いからなのか、台風の来襲で気分がそがれ、ふと気がついたら、すぐそこに冬の足音が聞こえるからなのか。今年こそゆっくりと読書の秋、スポーツ(観戦)の秋、食欲の秋を楽しみたいものだと思う。そのためにもコロナ禍が一日も早く過ぎ去ってくれることを願う。
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 秋は中国語でも秋。実際には秋天(qiūtiān)や秋季(qiūjì)と表現するようだ。声調を無視して発音を敢えてカタカナ表記するとチォウティエン、チォウジィ。韓国語では가을と表現し、発音は同様にカウル。日本語の秋により近いのは中国語の方だと思える。
 「一日千秋の思い」は中国語では「一日三秋」と表現すると辞書に載っている。この場合の「秋」はこれだけで「一年」を表すとか。ただし「三秋」とは「三年」ではなく「とてつもなく長い年月」を表現していて、日本語の「千秋」が「千年、転じて非常に長い年月」を意味しているのと同じらしい。中国語を学ぶのは日本語を学び直す作業のようでもある。
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 英字紙ジャパン・ニュースを開いてショッキングなニュースを目にした。南部アフリカはモザンビーク発で英紙ザ・タイムズの記事が転載されていた。見出しは Paradise isle favoured by the stars is taken over by insurgents linked to Isis となっていた。かつてヨーロッパのセレブのバカンス先として名を馳せていたモザンビーク北端の島々が今やイスラム過激派の巣窟となり、独自の支配地と化していると伝えていた。
 背景にあるのはモザンビーク政府の体たらくだが、私が驚きを禁じ得なかったのはモザンビークの最北部のカーボ・デルガード州と呼ばれる州にイスラム教徒が数多く居住していることを知らなかったこと。北隣のタンザニアにはイスラム教徒が居住することは承知していたが、モザンビークもそうだったとは知らなかった。ナイロビ(ケニア)特派員だった頃、モザンビークには取材で足を運んだこともある。首都マプトの優美なホテルに泊まり、広いプールで泳ぎを楽しんだことをよく覚えている。
 当時は独立以来の激しい内戦状態が続いていたが、私がアフリカを離れた後、反政府ゲリラ勢力との和平交渉が実り、内戦は1992年に終結した。しかし、ここ数年、最北部の州でイスラム過激派が跋扈するようになり、地元住民には悪夢の日々となっているようだ。イスラム過激派は中東で脅威になっているIsis(イラク・シリア・イスラム国)の指導下にあり、ここを拠点にアフリカ諸国を威嚇、影響を広げる狙いがあるのか。アフリカ諸国の政治腐敗と失政に付け入り、Isisが猛威を振るうようになれば最悪のシナリオだ。

外国語学習には音読(reading aloud)

 大リーグはプロ野球より一足先に佳境に入ろうとしている。コロナ禍のため例年の162試合からわずか60試合に激減した今シーズンはプレーオフに進出できるチームがアリーグ、ナリーグともに8つに増やされた。このため、プレーオフがそれぞれフルセットまでもつれれば、ワールドシリーズにまで歩を進めるのに15試合を戦うことになる。さらにワールドシリーズが最後の7戦までいけば、22試合。壮絶なサバイバル合戦となる。
 ダルビッシュ投手に田中のマー君、筒香選手らが所属するチームが進出を決めており、まだまだ楽しみは続くが、私が最も期待しているのはミネソタツインズの前田健太投手。監督やチームメートの信頼が抜群で、MLBサイトなどでは「ドジャースはよくぞケンタを放出したものだ。こんなに素晴らしいスターターを」という意見をよく目にする。ドジャース時代には彼はプレーオフになると先発を外され、救援に回されていた。その彼が今やツインズのエースとしてプレーオフ第一戦に先発する。応援せざるを得ない。I’ll surely root for him!
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20200926-1601100120.jpg BBCのネット上で Why you should read this out loud(あなたがこの記事を音読すべき理由)という「挑戦的な」見出しが目に入った。普段の読書なら黙読で構わないが、こと外国語学習においては音読が大切なことは承知している。かつて大学で非常勤講師として学生に英語を教えていた時、そう学生たちに力説していた。上記の記事はまさにそのことを指摘していた。記事中に次のような文章があった。A growing body of research suggests that we may be missing out by reading only with the voices inside our minds. The ancient art of reading aloud has a number of benefits for adults, from helping improve our memories and understand complex texts, to strengthening emotional bonds between people.
 音読(reading aloud)は発達段階にある幼児だけでなく、大人にとっても有益であると説いていた。私たちは成長するにつれ、音読を捨て、黙読(silent reading)に励むようになる。音読は記憶を助けるというくだりに私は大いに興味をそそられた。中国語と韓国語を独学していて悲しくなるのは、中国語であれば、ついさっき読んで理解したと思っていた単語の漢字(簡体字)はもちろんのこと、発音、特に声調の記憶が薄れてしまうこと。その都度辞書をひいて確認するが、また忘れてしまう。同じ語彙に何度、辞書を引かされていることか。黙読だけでなく、常に音読を併用すれば少しはましになるかもしれない!
 その後、ネットで音読関連のニュースを追っていたら、今では世界音読の日というものがあるということも知った。英語ではWorld Read Aloud Day といい、2月5日がその日らしい。音読の日が創設されて11年になるとか。こんな日があるとは知らなかった。朗読の日があることも知ったが、こちらの方は日本独自で6月19日がその日らしい。朗(6)読(10と9)の語呂合わせからこの日を当てたとか。
 朗読の日はともかく、音読の日が日本に定着することはあるのだろうか。どうもそうとも思えないが、2月5日は偶然、私の誕生日。これから自己紹介の場などで音読のことにも触れることができるかもしれない。これまで誕生日のことなど口にしたことはないが、ショートスピーチの「引き出し」が一つ増えたと言えなくもない。

hypocrisy(偽善、ダブルスタンダード)

 毎日がほぼ日曜の身には世間の連休はその日が到来して初めて気がつくということが多い。この直近の連休もそうだった。今年はコロナ禍もあり、自宅にこもることが「求められて」もいたので、何となく時間が経過していっているような気がしないでもない。流れること雲のごとしと言えば、聞こえはいいが・・・。
 このところ、好天が続いているので、例によって香椎浜をスロージョギングしようと考えていたが、全米オープンのゴルフを未明まで楽しんだり、プロ野球も見たりしていて、加えて最近ではパソコンで見ることができる AbemaTV で将棋のプロ棋士のタイトル戦などを観戦する機会が増えて、外出自体が億劫になっている。いや、これではいけないと思いつつも、やはり、低きに流れる水のごとく・・・。ますます太ってしまうではないかいな。
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 アメリカの政界がまたぞろ騒々しくなりつつある。今度はリベラル派の連邦最高裁判事の死去に伴う後任人事が「火種」になっている。日本では最高裁であっても裁判官の人事で与野党が激しく論争する事態は想像しにくいが、米最高裁は国論を二分する論争の判決を下すことから、この国では多くの国民が大注目する案件となっている。
 今月18日に87歳で死去したのはルース・ギンズバーグ氏。読売新聞の記事をそのまま引用させてもらうと、ギンズバーグ氏はフルネームの頭文字から「RBG」の愛称で知られ、弁護士時代から女性の地位向上に尽力し、氏をあしらったマグカップやTシャツなどが販売されるなど国民に人気があった女性。トランプ大統領は哀悼の意を表したが、ギンズバーグ氏はかつてトランプ氏を「詐欺師」と呼ぶなど、大統領に批判的な判事だった。公認人事が注目を集めるのはギンズバーグ氏の死去で最高裁判事は保守派5人に対し、リベラル派は3人に減少。トランプ氏が保守派を新しく任命すれば保守派色はいよいよ濃厚になる。
 アメリカでは任期切れ間近に重要な決定を下すべきではないという認識が共有されてきた。オバマ前政権下では任期10か月前に同様の後任人事を実施しようとしたが、共和党のミッチ・マコネル上院院内総務らの強硬な反対に遭い頓挫した。今回、トランプ大統領やマコネル上院院内総務はそうした過去は無視して、大統領の任期内に後任を決定する動きを見せている。カギを握るのはマコネル氏。ニューヨークタイムズ紙の報道によると、マコネル氏は大統領の思惑よりも自分自身の利益を最優先する考え方の人物らしい。hypocrisy(偽善)と批判されることなど何でもないとか。この記事の中で次の記述が印象に残った。
 Anyone familiar with the Republican senator from Kentucky’s long political career knows he couldn’t care less about hypocrisy; like President Trump, he is immune to shame.(ケンタッキー州選出のこの上院議員の長い政治キャリアを知っている者なら誰でも、マコネル氏がダブルスタンダードを気にもしていないことが分かる。大統領同様、彼も恥知らずという批判には免疫を有しているのだ)
 興味深いのは彼は事を急いで、有権者の反発を買い、大統領選と同時に行われる上院選で苦戦し、民主党に多数派の座を追われることを最も恐れているとか。だから、後任人事の件では当面、大統領の意向をも袖にする可能性があるとか。それが本当なら面白いのだが・・。

ラジオはコロナ禍から一歩

 NHKラジオの韓国語・中国語講座を聴いていると、「9月28日から新作の放送を再開します」とのアナウンスが流れるようになっている。コロナ禍のため6月29日からずっと、4月-6月の放送分の再放送が流されていたのだが、それが今月末からようやく再び正常の講座に回帰するというわけだ。
 6月頃のこのブログで次のように私は書いている。――中韓の講座は再放送モードに入り、9月末まで過去3か月分が流されることを知った。正直、がっかりした。実は中韓とも今、毎朝の講座がとても楽しいのだ。テキストなしで聴いているからそれぞれ15分間の講座で流れてくる会話や文章を必死になって書き取っている。時間内に書き取れないと、講座が終わった後に辞書やネットで語彙を確認して何とかしのいでいる。辞書を引くことなく、流れる文章をすっと書けるときは気分も上々。この調子で残りの三か月をやり終えることを願っていた。――
 あの当時は確かに落胆したが、今となっては良かったと思っている。非常に有益な復習となっているからだ。「禍福はあざなえる縄のごとし」とはよく言ったものだと思う。ピンチはチャンスということか。復習と書いたが、韓国語も中国語もすっかり忘れている語彙、表現が次々に出てきて、愕然としたことも少なからずあった。韓国語の方は発音はなんとか覚えていても、ハングルで正確に表記するとなるとうろ覚えのものが多かった。口の開け方が微妙に異なる「オ」の音を含んだ語彙を明確に区別するのは容易ではない。中国語もしかり。先週末には「太不像话了!」という表現が出てきた。「全く話にならない」という嘆きの表現のようだ。三か月前に一度は耳にしているはずだが、全然記憶に残っていない。情けない。まさに「太不像话了!」だ。
                  ◇
 断捨離を少しずつ進めている。書籍の類はできるだけ残しておきたいのだが、借家住まいの身なればいつまでもそういうわけにはいかない。それで押し入れの奥深くから段ボールを引っ張り出し、持っていることさえ忘れてしまっている本を再び手にしている。
 廃品回収の日に何度かまとめて処分する。しかし、尊敬する夏目漱石の文庫本や海外で買い求めたアフリカや欧州の関連本や小説などはさすがに躊躇せざるを得ない。やはり、しばらく虫干ししてまた段ボールに詰め、押し入れに戻すことになりそうだ。その一方、再度頁を繰ってみて、こんな本、なんで買っていたのだろうと不思議に思うこともないではない。「太不像话了!」と口ずさむまでには至らないが。
 アイルランドの作家の短篇を集めた岩波書店の文庫本もそうしたがっかりした本だった。書名は伏せるが、アイルランドは私の好きな国。優れた作家・文学作品も多い。だから、私はイギリス文学紀行を書くために英国の各地を歩いた2012年、アイルランドにも旅してオスカー・ワイルドやジェイムズ・ジョイスゆかりの土地を訪ねた。上記の本を買い求めた当時の記憶はない。きっと書店で書名を見て、好奇心に駆られた程度のことだろう。今回改めて手に取って読み進めたが、翻訳の拙さも含め、内容にがっかりしてしまった。もっと紹介すべき優れた短篇はあるだろうにと。

タネもワタも

 NHKテレビをつけると料理番組を放送していた。何気なく見ていると、ピーマンの肉詰めのレシピのようだった。私はピーマンを好物とは呼ばないが、お肉やウインナーの炒め物をする時は必ずと言っていいほどピーマンを使う。もちろん、中のタネとワタはきれいに落としていた。もったいないと思ったことはない。そういうものだと思っていた。
 ところがこの日の放送では、料理人の人はタネもワタも活用していた。途中から見たのでよく分からないが、どうもヘタ以外は捨てるところはないような感じだった。急ぎパソコンを開き調べてみると、「タネもワタも捨てる必要などない」「むしろ栄養価はタネやワタにこそある」などといった説明が目に飛び込んできた。ええ!?そうなの?! 私はこれまで大切な栄養分を流しに捨てていたのかいな。ネットで調べて初めて知ったことはそれだけではない。ピーマンはレモンの2倍と言われるほどビタミンCが豊富で、その他のビタミンや鉄分、カルシウムなど栄養価の高い野菜だということも教えられた。
 それでふと思った。健康にいいと認識して以来、らっきょう酢につけピクルスにして好んで食べているゴーヤ。ゴーヤも必ず、中のワタをごっそりとそぎ落としているが、ひょっとしたら、これも食べることができ、しかも栄養価に富んでいるのでは? ネットで調べてみると、ピーマンと同じようなことが指摘されている。おらは知らなんだ! よく利用する八百屋のおばちゃんにこの仕入れたばかりの情報を告げると、彼女もひどく驚いていた。
 ネットで調べると、ゴーヤにはピーマン以上のビタミンCや鉄分、カルシウムなどが含まれており、しかもゴーヤのビタミンCは加熱処理にも耐えうることが書かれている。特筆すべきはゴーヤのタネは本体の2倍、ワタに至っては3倍のビタミンCが含まれていると紹介している投稿もあったことだ。私は早速週末、ピーマンのタネをつけたままの肉詰めに挑戦し、焼酎の肴とした。ゴーヤも今後はワタをつけたままピクルスにするつもりだが、残念なのはシーズンがそろそろ終わることだ。
                  ◇
 毎朝、アメリカで毎年刊行されているキリスト教の敬虔な信徒の人々が日々の思いをリレー形式で綴った書を一ページずつ読んでいる。日ごとに聖書の教えの一節が紹介されており、心が洗われることが多い。余録で英語の勉強にもなっている。
 先日はProverbs(箴言)の一節が紹介されていた。As iron sharpens iron, so a person sharpens his friend. この日の筆者は転居の度に新しい友人に恵まれ、自分の人生がそうした友人たちによって豊かなものになっていることを神様に感謝していた。末尾は以下のように締めくくられていた。My life is richer for having uprooted several times over the years. And each stop has added new and sweet friends to my life.
 上記のような文章に出合うと、私はちょっと手がとまる。uproot という見慣れない語がすっと脳内に入って来ないのだ。辞書を引いて疑問点は氷解した。uproot は ①根こそぎ抜く②追い立てるという他動詞だけでなく、③長く住んでいた土地を離れるという意味の自動詞でもあることが分かったからだ。上記の文章は③で読めば「転居する」(move)ということですっと理解できる。

大人もランドセル

 最近、YouTubeやらAbemaTVやらとかでさまざまな番組にアクセスするようになった。以前から利用している人には今さらだろうが、こういうことには奥手の私には驚くことが多い。よく見ているのは漫才などのお笑いや麻雀番組。猫派(a cat person)の私には猫が登場するものも無視できない。一歳児と二匹の家猫が戯れるYouTubeを見るのはほぼ日課となりつつある。なぜ猫をかわいいと思うのか、犬に対してはそう愛着を感じないのはなぜなのか、不思議に思う。亡きお袋も猫が大好きだったことが一因しているかもしれない。
 いつか終の住処にたどり着いたら猫を飼いたいと思うが、それは見果てぬ夢と終わるのかもしれない。そうなったら天国(地獄)で猫を飼おう!
 藤井聡太君が彗星のごとく将棋界に登場してからは将棋番組もよく見るようになった。なにしろタイトル戦でなく順位戦でも藤井二冠が出場する棋戦が生中継されるのだ。私は駒の動かし方が分かる程度のへぼ将棋だが、プロ棋士のさばきを見るのはとても刺激的だ。時間さえ許せばずっと見ていたいと思う。というわけで水曜日は藤井二冠と谷川浩司九段との一戦を熱く見てしまった。おかげで走るつもりだったスロージョギングをこの日はさぼってしまうこととあいなった。
 天才棋士の頭の中は私のような愚禿凡夫のそれとは比べようもないことは百も承知している。だからこそ、彼らの脳内を少しでも「のぞいてみたい」という思いに駆られる。
                  ◇
20200910-1599697942.jpg 購読している英字新聞ジャパン・ニュース紙を広げて思わず、見入ってしまった。どこかの国の大人が明らかにランドセルを背負っている写真が掲載されている。違和感を禁じ得なかったが、それはこちらに「ランドセルは小学生のもの」という偏見があるからだろう。
 “Randoseru maker launches backpack range in Germany” という見出しの記事は読売新聞からの翻訳。第一パラのリード(前文)は日本のランドセル大手のセイバンがドイツで大人を意識したランドセル(adult-oriented models)の発売を開始したことを述べている。背景には日本の少子化の危機感があることにも触れている。
 ドイツを中心としたヨーロッパでは、日本のドラマで小学生がランドセルを背負っている光景を目にして、またアメリカの女優がランドセルをファッションアイテムとして愛用していることなどから、ランドセルが成人の間でも脚光を浴びるようになっているとか。
 セイバンは兵庫県たつの市にある「天使の羽」で有名な鞄製造会社。ヨーロッパ向けには我々が知っているものに比べ、明らかに薄く作られているようだ。価格は日本円にすると5万円程度で、黒、茶色、モスグリーンの三色。「かぶせ」と呼ばれるカバーがすりなどの盗難の被害防止に役立つことも評価されている一因とか。
 そういえば、場所は忘れてしまったが、新聞社を早期退社後、アメリカやイギリスなどの地を旅している時、雑踏の中でランドセルを背負っている若い女性を見かけ、どきっとしたことを覚えている。周囲の人は特段気にもしていないようだった。やがてヨーロッパの街角で、大人の男女がランドセルを背負って闊歩している光景が普通に見かけられるようになるのかもしれない。

台風一過

 台風10号は危惧していたほどの被害はもたらさず、北上して行ったようだ。宮崎県では椎葉村で土砂崩れが起き、住民4人が行方不明になっているものの。椎葉村は私の郷里の地区からもそう遠くはない山村。土砂崩れと聞けば、容易に想像はつく。痛ましい!
 ここ福岡市東区は雨はそう降らず、未明の頃に風だけは凄まじかった。NHKや気象庁が連日声高に注意を喚起し、恐れていた甚大なる災害からはほど遠かったと言えよう。神様に感謝したい。本当に感謝だ。今は窓から青空も見え始めた。
                  ◇
20200907-1599451981.jpg ノートパソコンを新しくしたことはすでに書いた。今こうしてキーをたたいていて実に快調。これまで使っていた古いパソコンも手元に置いてあり、新しいパソコンに移せなかった機能もあり、まだしばらくは併用しようと考えている。
 すべて順調と書きたいところだが、一つ不調事があった。長年使っていたプリンターがなぜか使えなくなったのだ。新しいパソコンからのプリントアウトも最初の数日はちゃんと使えていたので不思議でならない。プリンターの「故障」を告げるパソコン画面の告知もこれまで見たことのないものだった。長年使っていたのでこれも寿命かと考え、新しいプリンターを購入した。さあ、このプリンター、何年ぐらいもってくれるだろうか。私の命綱である炊飯器は新入社員時代からの愛用品でもう40年以上も使っている。40年とは言わないが、10年ぐらいはもって欲しいと願っている。大切に使いますから!
                  ◇
 大リーグ。シカゴカブスでプレーしているダルビッシュ投手が絶好調だ。今季は8試合に登板して7勝1敗。直近の登板ではカブスの宿敵、セントルイスカージナルスとの試合で7回を投げ、1安打、1失点、11奪三振の見事な投球を披露。勝利数、防御率(1.44)奪三振(63)でナショナルリーグのトップに立っている。
 私はゲーム後に大リーグのホームページにアクセスして監督の評価、対戦相手のコメントなどを読むのを楽しみにしているが、ダルビッシュ投手に関するコメントは今季は絶賛の嵐と呼びたくなるほどの高評価であふれている。
 カージナルスのマイク・シルト監督は次のように語っている。“You’re seeing a guy that’s been as good as anybody in this league all year and you’re seeing why. A lot of different pitches, a lot of pitches on the plate, under the zone. Everything looks pretty much the same, a different in speed and he had a good fastball as well. He’s a tough guy to time up. He was tough.” 緩急織り交ぜ、力のあるストレートに多彩な変化球を投げるダルビッシュ投手を攻略するのは至難の業といった感じだ。敵将から「タフガイ」と称賛されるダルビッシュ投手は今季のサイヤング賞を受賞する可能性が最も高いと見なされているようだ。日本人投手でこの栄えある賞を受賞した者はまだいない。
 ミネソタツインズの前田健太投手も味方の援護に恵まれず、勝ち星は思うように増えていないが、高評価は維持している。大谷翔平君も打つ方でそこそこ活躍しており、大リーグからまだしばらくは目が離せない状況だ。

猛暑の後は台風

20200903-1599093736.jpg 凄い勢力の台風が北上しつつあるようだ。この時期になると日常的に行っている儀式の出番となる。パソコンのスクリーンに台風の進路予想図(グーグルマップ)を置き、「消えてしまえ、九州から遠ざかれ」と念を送り続けるのだ。直撃が不可避の場合でも奇跡的に被害が最小限で済むように神様に祈る。洗礼を受けているものの胸を張って「私はクリスチャンです」という資格も意思もない私だが、どこかの国で宗教的保守層の支持を得ようと取材陣を呼び集め、教会の前で聖書を手に立ったT氏よりはましかと思わないでもない。
                  ◇
 そのT氏、いやトランプ米大統領は事実、真実には全然関心がないようで、自分の利益だけに専念、現時点では11月に迫った大統領選でライバルのバイデン民主党候補をおとしめるため言いたい放題の暴言・放言を繰り返している。凄まじいと形容したいほどだ。
 最近の例では大統領お気に入りの保守フォックスニュースとのインタビュー番組で、全米各地で起きている警察の黒人への度を超えた取り締まりへの抗議行動は “people in the dark shadow” が繰り広げているものであり、バイデン陣営も彼らによって操られていると荒唐無稽の論を展開した。
 さらにとある都市から、大勢の黒ずくめの服装の暴漢たち(thugs)がワシントンに向かっていたという情報もあると語り、陰謀めいたきな臭い話までも飛び出した。大統領はこうした発言を裏付けるものは示していない。CNNの記者は大統領の発言についてコメントを求められると、“It’s almost too stupid to fact-check.” と一蹴した。コメントの真偽を確認する(fact-check)こと自体が愚かな行為と指摘される一国の指導者はそういないだろう。
                  ◇
 中国語の日々の学習はNHKのラジオ講座が頼りだ。平日の朝8時15分からの15分間。もっともその前に同じ15分間の韓国語講座がある。まっさらのA4の紙を目の前に置 き、ラジオから流れてくる講座の中国語の短い会話を書き取る。初級の講座だから比較的簡単な会話が流れてくる。ところがどっこい、これを完璧に書き取るのにてこずることがしばしば。ストレスにはならないが、気分は良くない。
 最近の例。「私にレジ袋を一つください」という文章が読まれた。中国語では「レジ袋」は「塑料袋」ということは知っていた。拼音(ピンイン)で表記する、sùliàodàiであり、敢えてカタカナ表記すると「スリャオダイ」。ところがテープにとり、何度聞いても「スリャオダー」としか聞こえない。最後の「ダイ」が「ダー」としか聞こえないのだ。「ダイ」の「イ」が落ちている。しばし考えて分かった。「塑料袋」の末尾が「袋儿」と変化しており、「ダー」となるのだ。このような些細なことでも疑問点が氷解すると嬉しくなる。
 ところで、ビニールのレジ袋がスーパーやコンビニで有料化されて以来、私は買い物にマイバッグを持ち歩いていることは少し以前に書いた。ジョギングの際にもマイバッグを小さく畳んで片手に持ち、走っている。ジョギングの帰途に買い物をするからだ。手ぬぐいなら汗取りとマイバッグの「一石二鳥」になると思って、どこかで売ってないかと探しているが、まだ幸運に巡り合っていない。

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