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January 2021

“Daily Guideposts 2021”

20210128-1611796807.jpg 昨年の2月頃にキリスト教の信仰に関する「ガイドポスト」という名の本について書いたことがある。その時は次のように記している。キリスト教を信仰する敬愛する人から一冊の本が送られてきた。“Daily Guideposts 2020 (A Spirit-Lifting Devotional) というアメリカで出版された書で、選ばれた複数の敬虔な書き手が365日、日記のように個人的な体験・思いを書いている。聖書の言葉が随所に散りばめられているが、戒めを説くようなイメージの「堅物」の本ではない。このような本があるのを初めて知った。これから毎日、1頁ずつめくって心静かに読もうと思っている。
 この本を贈って下さった方の下の名前だけ記すと、芦屋市在住の久子さん。私が深い恩義を感じている人で、昔から私のことを気遣ってくださっている。実は2021年の新版を買い求めようと思っていたのだが、昨年末に書架を漁っていたら、読んだことのない本が出てきた。“Daily Guideposts 2011”。この本があることは全然知らなかった。2011年当時はアメリカ文学紀行の取材で米国内を歩き回っていた。おそらく久子さんが贈ってくださった本を旅の準備に追われ、すっかり失念していたのだろう。久子さんに申し訳ないと思い、今年は2021年の本は買い求めず、2011年の本を心静かに読み進めていくことにした。
 そうしたら、昨日(火曜日)郵便受けに何か厚手の郵便物が入っていた。開封してみると、 何と今年の新刊、“Daily Guideposts 2021”。久子さんのプレゼントだ。私は早速、2011年と2021年の二つの本を並行して読むことにした。ダブルの癒やしとなるだろう。
 ガイドポストの執筆者は主に中高年で伴侶の最期を看取ったり、愛情あふれる一家の幸運を神に感謝したりといった内容が多いが、心の苦悩を淡々と綴ったものもあり、考えさせられることが多い。2021年版には不眠症(insomnia)にずっと悩まされ、午前5時には目覚めてしまう老年と思われる男性が心の内を吐露し、神のご加護を祈っていた。
 それともう一つ。これも過去に書いたことがあるかと思うが、英語の学習にも役立っているのだ。私は毎朝起床後、NHKのラジオでまず、韓国語、中国語の(基礎)講座を聴き、朝ご飯を食べる。そしてコーヒーを飲みながら、ガイドポストのその日の項を読むのがほぼ日課となっている。ガイドポストの1頁(今は2冊あるので2頁)を読み、感謝の気持ちで本を閉じるのだが、ときに気になる、あるいは興味深い英語表現の類に出くわし、しばし熟考することもある。
 最近の例では次の一文。I get so sick of praying sometimes. It seems fruitless, like talking at a rock concert. I’ve been at a crossroads in my marriage. 「岐路に立っている」という文章を英訳するように求められると、多くの日本人が I stand at a crossroad. とか I stand at the crossroads. などと書き、複数形のcrossroads に不定冠詞の a を付けることにはためらいを感じるだろう。だが、実際には I stand at a crossroads という表現はごく普通に見かけられる表現だ。
 アジアの大学生が集まった国際シンポジウムを取材した際に、まさに上記の表現が壇上の大スクリーンに映し出された時に、どこかの国の学生が「aを削除するか、crossroadsを単数形にするべきだ」と主張してシンポがちょっとした混乱に陥ったことを思い出す。

詩の力!

20210125-1611546345.jpg バイデン新大統領の就任式典で「主役」の座を奪ったかのように脚光を浴びた22歳の若き詩人、アマンダ・ゴーマンさんのことに言及しておきたい。読売新聞本紙では彼女に関する記事を見つけることはできなったが、英字紙ジャパン・ニュースは写真を付け、ロイター通信電で小さく Inaugural poet Amanda Gorman inspiresと報じていた。
 ゴーマン嬢は2017年に創設された全米青年桂冠詩人(National Youth Poet Laureate)に選ばれた新進気鋭の詩人。過去にも詩人が大統領就任式典で自作の詩を披露した例はあるが、彼女のように若さあふれる女性が壇上に立ったのはまれだろう。私は彼女が壇上に立った時、まだ十代では思ったぐらい、幼さの残る童顔だった。だが、彼女の口から紡がれる言葉は力強く、聴衆の胸に響いていることはすぐに分かった。
 正直に白状すると、私は詩というものが苦手だ。英語の詩だと意味を追うだけで精一杯になり、とてもじゃないが、余韻に浸ることは至難の業。だが、今回は詩の力、言葉の持つ力というものを改めて再認識した。キング牧師が1963年に行った “I have a dream” の演説と並び称されるようになるのではと感じたほどだ。
 彼女が朗読した自作の詩は “The Hill We Climb”。米国民の融和、協力を訴え、お互いの違いを克服し、ともに未来を切り開いて行こうと訴えた力強い詩だった。私は週末にYouTubeでこの時間にしてわずか5分間の朗読を何度も視聴し、余韻を楽しんだ。
 “The Hill We Climb” で特に印象に残った箇所を少し記すとーー。When a skinny Black girl/descended from slaves and raised by a single mother/can dream of becoming president(一人の痩せた黒人の少女が/奴隷を先祖に持ち、母子家庭で育ったのだが/大統領になることを夢見ることができる)・・
 It’s because being American is more than a pride we inherit,/ it’s the past we step into/and how we repair it(アメリカ人であるということは私たちが受け継ぐ誇りだけのことではない/それは私たちが足を踏み入れる過去であり/私たちがいかにそれを修復するかということでもあるのだ)・・
 米議会が前大統領支持派の暴徒により襲われたことも次のように切り取っている。
 We’ve seen a force that would shatter our nation/rather than share it/Would destroy our country if it meant delaying democracy/And this effort very nearly succeeded/But while democracy can be periodically delayed/it can never be permanently defeated(私たちはある勢力が私たちの国を粉砕しようとするのを目撃したばかりだ/国を共有するのではなく/民主主義の流れを阻止しようとしたのであれば、私たちの国を破壊しようとしたようなものだ/彼らの試みはもう少しで成就するところだった/しかし民主主義はときに遅延させられることはあっても/永久に挫折されたままでいることは決してないのだ)・・
 自身は2016年の大統領選で敗れたヒラリー・クリントン氏によると、ゴーマン嬢は2036年の大統領選に出馬することを約束したとか。ヒラリー氏の支援は間違いなさそうだ。2036年でも彼女はまだ38歳の若さ。トランプ氏のような人物が出るのも米国、ゴーマン嬢のような人物が出るのも米国。日本人の「物差し」では測れない国のようだ。

バイデン新大統領就任

20210121-1611192159.jpg 米国で民主党のバイデン氏が第46代の新大統領に就任した。昨夜は午前3時過ぎまでCNNテレビの大統領就任式典生中継に付き合い、木曜朝の今も頭がぼおっとしている。バイデン氏の就任演説の印象を一言で表現すれば、人柄がよくうかがえる “sincere”(誠実な)というものだった。
 トランプ氏は大統領の座を去った。その座を追われたと言ってもそう外れた表現ではないだろう。米国史上最低最悪の大統領とも称されたトランプ氏の退場にほっと一息ついている人は多いことだろう。私もその一人だ。
 さて、トランプ氏をこれから待ち受けているものは何だろうか。上院での弾劾裁判を手始めに、大統領から一介の市民となったことでさまざまな訴訟に見舞われることになると報じられている。彼がホワイトハウスを去り、フロリダに向かう直前、大統領として行った最後の演説を聞いたが、虚勢を張っているとしか思えなかった。彼にはこれから上院での弾劾裁判、数々の訴訟が控えており、生き地獄が待っているのでは。「生き地獄」を辞書で引くと、“a hell on earth” と載っている。中国語では「活地狱」「人间地狱」とか。
 トランプ劇場に幕が下りたのを機に、トランプ夫人についても一言触れておきたい。
 私はメラニア夫人の東欧なまりといおうか、独特の英語を耳にするたびに、移民として米国の土を踏んだ夫人も相当の苦労を重ねてトランプ夫人の座を射止めたのだろうと推察していた。彼女には外からは見えない光り輝く何かがあるに違いない。そうしたものが垣間見えるものと過去4年間考えてきたが、そうしたものは私にはついぞ見えなかった。
 そう思いながら、CNNの記事をスクロールしていると、メラニア夫人がファーストレディーとして史上最低の評価の中、ホワイトハウスを後にすると酷評していた。“The worst final popularity rating ever for a first lady belongs to Melania Trump” との見出し。
 評価を大きく下げた一因。政権が交代する時にファーストレディーも新大統領夫人にホワイトハウスの中を色々案内して「引っ越し」がスムーズに行われるように配慮するのが伝統行事になっているのだが、これを踏襲することを拒否したのだとか。
 次の文章があった。Traditionally, first ladies are nearly uniformly admired. The position is unelected and normally uncontroversial. It's hard to be unpopular. ファーストレディーは通常、比較的高い評価を得てホワイトハウスを去るものだという。数値で言えば、高評価が70%台、低評価が20%台でその差が50%前後あるのが常だとか。ところが、メラニア夫人の場合は高評価が42%、低評価が47%と低評価が上回っている。
 メラニア夫人の最後のスピーチも聞いたが、申し分のない英文で “Be best.” と訴えていた。"In all circumstances, I ask every American to be an ambassador of Be Best. To focus on what unites us. To rise above what divides us. To always choose love over hatred, peace over violence, and others before yourself.“
 ぜひ、旦那に普段から聞かせておいて欲しかった言葉だと思った。今となっては手遅れだが。メラニア夫人の4年間の印象を最後に記すと、“rigid” という語が頭に浮かぶ。「柔軟性のない」「硬直した」という意だ。改めて説明の必要もないだろう。

王さんだけで1億人!

20210118-1610937422.jpg CNNのその記事は読みたくなるような見出しで誘っていた。“Why 1.2 billion people share the same 100 surnames in China”(なぜ中国では12億もの民が100の名字の中に収まるのか)
 全世界から移民がやって来て、市民権を得て米国民となるアメリカでは数多くの個性にあふれた名字がある。その数は630万とか。アメリカの視点から見れば、同じ名字の人々が圧倒的に多い中国はかなり異質に見えるのだろう。
 CNNの記事は次の書き出しで始まっている。あなたが中国の通りで道行く人に無作為に名前を尋ねると、彼らの名字は次の五つのどれかである可能性が大だ。王(Wang)、李(Li)、张(Zhang)、刘(Liu)、陈(Chen)。これらの五姓だけで実に4億3千3百万人もの人々がいる。中国全人口13億7千万人の30%を占める。中国全土で見ても名字の数はわずか6000個ほどに過ぎなく、人口の大半、86%に上る人々は100個程度の名字で数えられる。
 日本にどれだけ多くの名字があるのか知らないが、公民館の中国語講座で使っているテキストには「姓名」の項で「日本は1億余りの人口があり、13万余りの姓があるそうです」と書いてあった。「中国は13億の人口がありますが、よく用いられる姓は130ぐらいで、全人口の87%を占めています」とも紹介されていた。日米中の名字のこの歴然とした差異!
 中国で名字の「画一化」が進んでいる背景にはパソコンに代表されるテクノロジーの発展があるのだという。手書きならどんな漢字(簡体字)でも記入できるが、パソコンのソフトにない漢字は冷遇され、捨て去られるからだという。もちろん、先祖代々の名字を誇りに思い、子孫に末永く伝えていきたいと願う人々もいるが、現代のテクノロジーの前には苦戦を強いられているのだとか。
 中国の王さんはその数1億人。王さんだけで日本のほぼ全人口に近い。私はこれまで田舎を出てからの人生で同じ名字の人に出会ったことは皆無。これからもおそらくないだろうが、もしそういう出会いがあったら、瞬間、親近感を覚えるのではないかとも思う。王さんはあまりにあり過ぎて、そういう思いに至ることはないのだろうか。そんなことを考えてしまった。
                  ◇
 韓国語の気づきを一つ。すでに何度か書いたことがあるかと思うが、韓国語の母音についいてよく思うことがある。日本語と比較して、英語を含む外国語を身につけやすいようにできているのではないかと。例えば「お」の音は日本語は一つだが、韓国語では口を大きく開ける「お」と口をすぼめて音を出す「お」の二つがある。前者と後者の音を区別するのは私には難しく感じるときがある。耳をそばだてて神経を集中させて区別する。
 最近でくわした韓国語の語に「ラブレター」がある。英語のlove letter だ。これを日本語で「ロブレトー」と表記し、そう発音するとかなりの違和感が生じるだろう。韓国語ではこの語を「러브레터」とハングルで書き、カタカナ表記すると「ロブレト-」。love letter を「ロブレトー」と発声できること自体が私には興味深く思えるし、「お」という二つの音を自由に操ることができる人たちが羨ましく思えるのだ。

「屁眼」ピエン?

 昨年の新語の一つに「ピエン」という語があるということを公民館の中国語講座で知った。受講生がそれをショートスピーチの話題にしたからだ。ちょっと残念なとき、悔しいときなどにささやくように口にする語だとか。私は昔、仕事のプレッシャーを受けた時などに、意図的に「ひぇー」と小さく口ずさみ、同僚の笑いを誘ったことがあったが、それに似たようなものと思われる。
 「ピエン」は初耳だったので、ネットで調べると、「泣いていることを示す擬態語」という説明があった。私が面白いと感じたのは、中国語話者には要注意の語彙だとの指摘も見かけたことだ。「ピエン」は中国人にはいささか恥ずかしい語彙に聞こえる可能性ありとか。なぜ? 中国語では「屁眼」と聞こえるからだという。「屁眼」はピンイン表記だと<pìyǎn>。敢えてカタカナ表記すると、「ピィイェン」か。漢字(簡体字)から推測できるように「尻の穴」の意と中日辞典に載っている。コロナ禍が終焉し、再び台湾や中国に旅できるようになったとしても、「ピエン」などと口走ることのないように気をつけたい。 
 「屁」ついでに記すと、日本語で「放屁」の意味は改めて説明する必要もないだろう。昔、とある文学作品で「○○先生が放屁なされた」という文章を見かけたような記憶もある。中国語で「放屁」<fàngpì>と言うと、①おならをする②たわごとを言う意味だと辞書に載っている。②は他人に対して「ばか言え」「何をぬかす」と罵倒する時の表現だとか。これもできるなら面と向かって言われたくない表現だ。
                  ◇
20210116-1610760416.jpg トランプ米大統領が四面楚歌に陥っているが、当の本人には反省の色も辞任の意向も微塵もないと伝えられている。さすがに支援の声があちこちからという状況ではなく、不機嫌極まりない時間を過ごしているようだ。自業自得。確か中国語では「自作自受」といった表現だったような。
 トランプ氏の大統領任期はあと数日。私には社会的命脈さえも危うく映るが、本来なら彼が大統領に再選されていたはずと盲目的に信じている熱狂的な支持者も依然少なくないようで、このあたりは理解に苦しむ。前々回の項で「アメリカ社会の劣化を物語っているような気がしてならない」と書いたが、その思いは日増しに強まる。
 CNNの記事をネットでチェックしていたら、「懐かしい」慣用句に出くわした。 “there is no love lost …” という表現だ。英和辞書で拾ってみよう。次の例文。There is no love lost between the two. (二人の間には失うべき愛情さえない、冷たい関係しかない)。要するに二人の間にはなから愛情とか親近感など存在していなかったというわけだ。私は昔、この表現を初めて目にした時に、「失われた愛情などない」と解釈して、二人の関係は依然良好ではないかと思い、この表現が欧米メディアのニュース原稿などに登場する度に戸惑ったことを覚えている。
 米下院で二度目の弾劾決議を受けたトランプ氏は上院での裁判が待ち構えているが、これまで彼を支えてきた共和党を率いるマコネル院内総務ら同党上院議員との関係は冷え切っており、ずっと “no love lost” だったと記事は述べている。本当?

トランプ米大統領再び弾劾!

20210114-1610590947.jpg 木曜朝、目覚めて米CNNテレビをつけると、トランプ大統領が民主党が多数を占める下院で二度目の弾劾決議を受けたことを報じていた。大統領が二度目の弾劾を受けるのは史上初。弾劾決議には大統領の与党共和党からも10人の議員が賛成に回る異例の展開。CNNのコメンテーターはこの10人の共和党議員の勇気を高く評価していた。
 今後の注目はより大きな権限のある上院がどう出るかだ。上院は20日までは共和党が多数派だが、20日以降は民主党が多数派となる。その日までは上院を仕切る共和党のマコネル院内総務はトランプ氏の任期内には上院で弾劾決議を審議しない意向だと伝えられているが、大統領弾劾そのものには反対でもないとか。大統領に愛想を尽かしたのか。上院の審議がどちらに傾くにせよ、トランプ氏が断崖絶壁に立っていることは明らかだ。(弾劾だから断崖の駄洒落ではない!)
 願わくは20日のバイデン新大統領就任が流血の事態に至ることなく実施されること。トランプ氏を熱狂的に支持するカルト信者のような暴徒が再び、武器を手に襲来する可能性もあり、予断を許さない。治安当局も首都ワシントンに州兵を投入して警戒に当たっており、CNNでは今ワシントンにはイラクやシリア、アフガニスタンを合わせた米軍兵より多くの州兵が投入されていると伝えていた。敵は本能寺にありか。信じ難い展開だ。
 いずれにせよ、あと一週間もすれば、トランプ氏が過去の人物となることを歓迎したい。パソコンからふと目を上げ、窓の外を見ると、少しながら青空も見える。コロナ禍で憂鬱な日々だが、ちょっとは希望が持てるかな?
 さらにもう一言。昨日のこと。パソコンのスクリーン上に「トランプのあほ」と題したアイコンがあることに気づいた。スクリーン上にあまりファイルを置いておくことは好ましくないことは承知しており、定期的に「掃除」はしているが、なぜか残っていたようだ。どんな内容なのかよく覚えていない。アイコンをクリックしてみた。2018年12月に保存した記事だ。読んでみると、なるほどと今さらながら納得できる。すでにこのブログで紹介したかと推察されるが、全文をそのまま以下に転載する。
 On Friday’s broadcast of CNN’s “The Lead,” former Secretary of Defense and former Senator Chuck Hagel argued that President Trump isn’t fit to be president, but such an argument is “not particularly relevant, at least right now. Because he is president and he was elected.”
 Anchor Jake Tapper asked, “What do you think, Secretary Hagel? Do you think the president’s fit to be commander-in-chief?”
 Hagel responded, “Well, that’s an interesting question, but it’s not particularly relevant, at least right now. Because he is president and he was elected. No, I don’t. He has never understood government, politics. This is not — our government is not a one-man show. You can’t run this like a real estate business, or any other business. This is not entertainment. You can’t govern by dividing our country and having us in constant conflict. It’s too serious. He doesn’t understand any of that. … He’s just not equipped, on any level, to be president of the United States. But he is president”

松茸酒

20210112-1610413279.jpg 釜石に住む古い知己のS氏から嬉しい贈り物が届いた。松茸酒だ。四合瓶(720ml)にたっぷりの松茸が漬けられている。宅急便に添えられた文面によると、一升瓶相当の松茸を入れたので、少し日本酒を注ぎ足して飲んだ方がいいとの由。私はこのブログでも時々書いているように焼酎派(shochu person)だが、日本酒が嫌いなわけでもないので、早速スーパーに行き、日本酒を買い求めた。本日は月曜だが、祝日なので特例としてささやかに宴。S氏の奥様が珍しいコウタケの煮物も同封されていたので、これもつまみに杯を干した。松茸の香りが何とも言えず、幾らでも飲めそうだが、もったいないので一合ちょっとで我慢した。今月の残る週末、まだ数回は楽しめそうだ。
 東北の人々には酒と言えば日本酒なのだろう。九州だと、少なくとも私の生まれた宮崎県の山間部では酒は焼酎だ。新聞社の盛岡支局に勤務していた頃は岩手の地酒を結構飲む機会があったが、その記憶も薄れた。それでも時々、日本酒の優しい味わいが欲しくなる時もある。だから、松茸酒を手にすれば嬉しくないわけがない。ところで松茸酒を飲み干した後に瓶に残る松茸はどうするんだっけ? S氏からは過去にも松茸酒を頂いているが、松茸を最後にどうしたか覚えていない。ネットで調べてもよく分からない。飲み終わったら、S氏に電話して尋ねてみよう!
                  ◇
20210112-1610413402.jpg アメリカから不穏なニュースが流れてきている。先週の米議会で起きた暴徒の乱入事件を扇動したとしてトランプ大統領の責任を本格的に追及する動きが加速しているが、その一方で20日のバイデン新大統領就任を前にトランプ氏を支持する人々が全米各地で過激な抗議行動を画策しているらしい。信じ難いことだが、一層の流血の事態も懸念されている。まだしばらくは米政界から目を離せない。
 それにしても、CNNでトランプ氏を糾弾する与野党議員や有識者のコメントを聞いていると、現在の窮状に至るまでに何とか手を打てなかったものかと思わざるを得ない。トランプ大統領を猛烈に批判する彼らのコメントを総括すると、要するにトランプ氏ははなから大統領に選ばれる人物ではなかったということになる。曰く、彼は “pathological liar” (病的な嘘つき)であり、psychopath(精神病質者)であり、民主主義とか社会正義とかいったものには何の興味も関心もなく、頭にあるのは自分のこと、自分の利害だけ。政治家でもなんでもなく、いわばカルトのリーダーのような存在。だから、彼の熱狂的支持者の大半は彼のことを盲目的に崇める信者のような人々だ・・・。
 私は2011年、丁度10年前に『アメリカ文学紀行』を刊行するために半年間、アメリカ全土を旅したが、行く先々で人々の温かい歓迎を受けた。米議会で狂気の暴動を繰り広げた暴徒の姿は想像もできなかった。彼らが口々に叫んでいた “USA, USA” の大合唱。オリンピックやプロゴルフの国際大会などでアメリカチームを声援する時に観衆が叫ぶ合唱でもある。私は以前からこの “USA, USA” の大合唱を耳にすると、ちょっと不快な気分がしていたが、これからはこの大合唱を聞くとますます嫌な気分に陥るのだろう。“USA, USA” の叫び声が私にはアメリカ社会の「劣化」を物語っているような気がしてならない。

トランプ劇場、大団円へ

20210108-1610072476.jpg 昨日(木曜日)は寒かった。雪もちらついていた。この週末も寒いようだ。寒いと言っても東北・北海道の厳寒に比べれば可愛いものだろう。塞ぎ込んでなどいられない。
 寒さはともかく、今のコロナ禍の猛威には困惑せざるを得ない。東京はもちろんのこと、地方でも信じ難い感染者数が日々更新されている。いつまで続くのか?あと1か月、2か月?それで冬季がまた巡ってきたら、新たなウイルスが襲来でもするのか。気が滅入る。
 パソコンでコロナ禍のニュースをチェックしていたら、コロナ対策に有効な食物が紹介されていた。カギはビタミンDらしい。もっとも医学的にはまだ証明されていないようだが、とりあえず、ビタミンDの豊富な食物を普段から食していこうかと考え始めている。私が見たネット情報ではビタミンDが豊富なのは卵、サーモン(鮭)、マグロ缶詰(ツナ缶)、キノコ類などと紹介されていた。太陽光を浴びるのもいいらしい。スロージョギングも悪くないということか。キノコ類ならかつては古里で椎茸がふんだんに入手できたが、長姉夫婦が伏せってからはそれは不可能に。実に残念だが、致し方ない。
                  ◇
20210108-1610072456.jpg 米大統領選に続き(主導権を競う上院選で)屈辱的な敗北を喫した共和党はどう出るのだろうかと書いたが、一夜明けてまさか首都ワシントンの議事堂の中がトランプ大統領の狂信的な支持者たちにより無法地帯になるとは思いもしなかった。アフリカの人々には悪いが、独裁的指導者がいまだ跋扈するアフリカの後進国の騒乱を目にしているのだろうかと思いさえした。
 いや、アメリカ合衆国での出来事だ。議会制民主主義と人権尊重のモデルと自負する米国のしかも首都での出来事だ。何と形容していいのか言葉を失う。CNNのコメンテーターは今目の前で起きているのはクーデター未遂だと叫んでいたが、まさにそうだろう。無法集団の暴力行為は見ていて何とも悲惨で見苦しい。その後、CNNは “domestic terrorism” という語を多用していた。
 注目すべきは数々のコメンテーターがこの “domestic terrorism” を instigate(扇動)していたのは他ならぬトランプ大統領だと糾弾していたことだ。まさにその通りだろう。用事を済ませて帰宅した夜、再びCNNテレビを見ると、この日の騒乱にショックを受けたのかトランプ政権の政権幹部が相次いで辞任していると報じていた。さらに驚いたのは政権中枢で大統領を罷免し、ペンス副大統領を臨時大統領(?)にする案が浮上していると報じていることだ。バイデン新大統領が誕生するのは今月の20日。まだ二週間ほどある。その間、トランプ氏が常軌を逸した行動にでる可能性は否定も無視もできない。
 金曜朝、CNNテレビをつけると、トランプ大統領が遅ればせながら、ビデオで国民にhealing と reconciliation を呼びかけていた。いや、正確には目の前のテレプロンプター(teleprompter)を忠実に読んでいた。大統領の側近が全米で沸き起こっている大統領への憤懣を鎮めるために急遽作文したのは明らか。全然心に響いてこない。大統領は次の言葉でスピーチを締め括った。“Our incredible journey is only just beginning.”
 私は心から正反対を祈る。愚劣で最低のトランプ劇場がこれで終焉することを! 

トランプ氏いよいよ窮地に!

20210106-1609937951.jpg 久しぶりに米政界のニュース。大統領の交代を前に、バイデン新大統領の政権運営を左右する上院のジョージア州2議席の決戦投票が5日(日本時間6日)行われた。CNNテレビが開票作業を生中継していた。民主党が両議席を奪取すれば、上院の勢力は50対50の同数となり、副大統領に就任するハリス氏が主導権を手にするため、全米の注目を集めている。早朝テレビをつけた時は民主党2候補がリードしていたため、トランプ氏の支配終焉を揺るぎないものとすると期待したが、やがて両議席とも共和党候補に逆転される展開に。
 しかし、その後もCNNを見ていると、果たせるかな、午後に入ると、2議席のうち、一つは民主党候補が共和党の現職候補を逆転。夕方には残る1議席も民主党候補が共和党の現職候補との差を詰め、やがてこの議席も逆転した。CNNは6日夜(日本時間)の時点で民主党の1議席奪取の確定を発表した。当選者はジョージア州から初めて選出された黒人上院議員となる。残る1議席も民主党候補のリードが続いており、最終的には米上院は50対50の勢力伯仲が必至の情勢だ。これは事実上、バイデン新政権を支える民主党の勝利であり、バイデン新大統領は下院だけでなく、上院の舵取りも手にすることになる。大統領選に続き屈辱的な敗北を喫した共和党はどう出るのだろうか。(日本が)一夜明けたら、米合同議会でバイデン氏の大統領当選が正式に確定される運びだが、残念ながら私にはCNNに一晩中付き合う体力は残っていない。
                 ◇
 NHKラジオの中国語、韓国語講座は1月から再び再放送モードになった。昨年のコロナ禍のためだが、3月までは昨秋に学んだ内容がそっくり再放送される。当初はまたかといささか落胆も覚えたが、今は全然そう思わない。以前にも同じことを書いたかと思うが、昨秋に学んだことをすっかり忘れているからだ。情けないなあの一言だが、年齢的なものもあるのだろう。だが、語学は絶えず反復学習して大切なことを脳内奥深くに定着させるしかないとの思いがあるから、大して気にはしていない。とにかく前を向いて歩き続けるしかない。
 水曜朝もこの思いを一層強くした。まず、韓国語。文法的に前置不可能型と呼ばれる文型で、「못」を動詞の直前に置いて不可能文を導く表現。もちろん、基本的な文法事項だから承知していたが、例えば、「忘れることができない」を「못」を使ってどう言うかとなると記憶が危うかった。それを改めて認識できた。「忘れることができない」は「못잊어요」と表現することを改めて知った。問題は韓国語に特有の鼻音化や音の添加がある表現であり、敢えてカタカナ書きすると「モンニジョヨ」となる。もうすでに何度か口にしていたはずなのに、忘れていた。もう忘れたくないのだが・・。
 中国語。「携帯電話を使って解決できますよ」といった趣旨の文章が流れた。「解決」ならば中国語では「解决」という語があることはすでに知っていた。発音は「ジエジュエ」という響き。だが、ラジオから聞こえた音はそういうものではなく、「ガオディン」というような響き。悪戦苦闘の末に「搞定」という語があることに(再び)気づいた。これなら確かに「ガオディン」という音に近い。この語のことはきれいさっぱり忘れていた。二三日経過したらまた忘れているかも。漢字(簡体字)を記憶するのも一苦労。いやはや前途多難だ! 

江南美人

20210104-1609732573.jpg 正月4日。文字通り巣ごもりの日々を過ごした。生まれて初めてかもしれない。自宅でずっと没世間の日々を過ごしたのは。間違いなく人生で最も安上がりに過ごせた年末年始だ。スロージョギングで外出することもなく、パソコンのスクリーンに向かった。観たのは韓国ドラマ。特段観たかったわけではなかったが、観ざるを得なかった。これが韓流ドラマの怖いところ。もっとも韓国語のリスニング力をつけるという言い訳が成り立つのでこうやって臆面もなく書いているが、吹き替えだったら絶対に観てはいないと断言できる。
 それならいやいや観ていたかというといや、全然そうではない。面白かった。韓国ドラマによく出てくる出生時の子供の取り替えとかやたら起きる交通事故が出現しなかったのも好感を持てた。私が今回はまってしまったドラマはケーブルテレビをカチャカチャしていた時に何回か垣間見たことがある邦題「私のIDはカンナム美人」。無料のAbemaTVで1日、2日と集中的に放送していた。私が気づいたのは1日の午後遅い時間。それから午後11時まで付き合わされた。2日は午後2時から11時まで連続9時間。2日間で計18時間の集中放映だった。私は初日の数時間は観ていなかったため、3日にその分を振り返って観た。
 集中放映でCMも少なく、次から次にお話が展開するため、私はパソコンを手にトイレで用を足しながら観続ける羽目にも陥った。こんなことも初めて。「私の・・」の韓国語のタイトルは「내 아이디는 강남미인」。「강남미인」<江南(カンナム)美人>とは「整形美人」を意味することを知った。 ネット情報だと首都ソウルの南東部のカンナム地区は富裕層が住み、若い女性に人気で「韓国の表参道」とも称されるとか。「表参道美人」が「整形美人」を意味するということか。
 器量に恵まれず、同級生に「化け物」と陰口をたたかれ、いじめに遭ってきた少女カン・ミレが大学入学を機に母親の勧めもあり整形手術を受ける。願いは超のつく美人になることではなく、普通の平凡な容姿、誰にも陰口をたたかれない女の子になることだった。だが、手術を経て目にした顔はすれ違った誰もが振り返りたくなるような超のつく美形。はたかれ見れば「整形美人」であることは一目瞭然のようで、男子学生からはちやほやされるが、自分は「天然美人」だというプライドがある女子学生からは陰湿な策略に苦しめられる。すったもんだの末に、カン・ミレは容姿ではなく心根の優しさに惚れた超イケメンの同級生と結ばれるハッピーエンドとなる。
 このドラマを見ていて「整形」という韓国ではごく一般的な風俗について考えさせられた。私はタトゥーもそうだが、天(両親)から付与されたものに手を加える(傷つける)行為は理解しがたい。しかし、カン・ミレが人から嘲笑されたくない、普通の少女のように幸せに過ごしたいと願う気持ちはよく理解できる。だからといって、整形に走る行為を是認するわけではないが、あまり独断的な切り捨ては避けた方がいいようだと感じた次第だ。
 それにしてもお隣の国の「外見至上主義」は凄まじいと思った。大学生がアルバイトの募集先に出向いても、容姿の良し悪しが採用不採用を左右する場面があったが、これほど近い距離にある、見た目はとてもよく似ている日韓両国の際だった乖離。再び旅することができるようになったら、この辺りのことも肌で感じてみたいと願っている。

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