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October 2020

自宅のWi-Fiでスマホ!

20201028-1603858631.jpg プロ野球のパリーグでは福岡ソフトバンクホークスがいち早く3年ぶりの優勝を決めた。セリーグは首位を走り続けている巨人が足踏み状態となっている。打線も湿りがちで投手陣もひところの勢いがないように見える。このまま行くと、日本シリーズではホークスが巨人を圧倒するのではと危惧せざるを得ない。まあ、そうなっても一向に構わないが。
 プロ野球では日本シリーズはまだ先の話だが、大リーグでは一足も二足も早く、ワールドシリーズが終了した。ロサンゼルスドジャースがタンパベイレイズを4勝2敗で振り切り1988年以来の優勝を飾っている。大舞台での指揮に時に批判を浴びることもあった日系のデーブ・ロバーツ監督の嬉しさはひとしおだろう。対するタンパベイレイズの筒香選手は優勝を逸した第6戦でも最後まで出番がなく、何のために大リーグに移籍したのか、不本意極まるシーズンだったことだろう。
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 スマホのギガが月半ばには残り少なくなる状態がもう何年も続いていた。携帯会社からは「残データ容量が少なくなり、通信速度が制限されます」という警告が何度も届く。そうなると段々とネットのアクセスに時間がかかるようになり、スクリーン上で丸い円のような矢印が回転し、いつまでたっても肝心の画面が開いてくれないので、途中で諦める。ギガをアップすればいいのだが、それは料金のアップも意味するので、早く新しい月になってくれることを願う。そういうことの繰り返しだった。
 昨夜のこと。私よりスマホのことに詳しい姪っ子とラインでやり取りしていて、「スマホのWi-Fiにパスワードを入れれば解決するのでは」とメールがあった。ふと考えた。私のマンションにはランが走っていて、パソコンはランを使っている。どの部屋にいてもパソコンでネットにアクセスができるし、印刷も即座に可能。とても便利だ。スマホにこのランを活用することなど考えたこともなかった。第一、スマホはスマホでネットに自由にアクセスできている。
 スマホのスクリーン上にある「設定」を開け、「接続」の項をチェックしてみると、パソコンで何度か目にしたことのあるネットワーク名が見えた。それをクリックすると、パスワードを求めてきた。確かテレビの背後にあるルーターのような機器にパスワードのようなものが記載されていることを思い出した。物は試しとそれを打ち込んでみると、あら不思議、ネットのアクセスが即座にできるようになった。YouTubeもサクサクと見ることが可能になっている。知らなんだ。自宅のランというかWi-Fiに接続するだけでスマホの契約ギガを気にすることなくネットが自在に活用できるとは!
 このような恥ずかしいことをあえてブログにアップしているのは、上記のような愚かなことを人生で繰り返しているのではないのかという思いがあるからだ。スマホやパソコンなど現代の先進的機器に精通している人から見たら私のようなアナログ人間は稚拙に見えることだろう。そういう人であっても、「神の道」を歩んでいる人からはなんと危なっかしい人生を生きていることよと見えるかもしれない。まあ、私はいずれにしても哀れまれる部類の人間に属しているのだろう・・・。嗚呼。

an outside chance(ごくわずかな見込み)

 昨年の6月にこのブログで次のように書いている。日本人名のローマ字表記を従来の「名―姓」順ではなく、日本流の「姓―名」順にするべく、日本政府が動き始めたと報じられている。2020年に東京オリンピックがあることから、それを機に「ファミリーネーム・ファースト」を国内外で定着させたいと考えているようだ。
 先週末の朝刊にその続報的なニュースが掲載されていた。来夏の東京五輪で日本人の名前のローマ字表記について、国際オリンピック委員会(IOC)が「姓―名」に統一することを決めたとか。日本政府はこれを機に「姓―名」表記を国内外に定着させることを狙っているという。日本は今後、欧米と異なる「姓―名」表記のグループに中国、台湾、香港、韓国、北朝鮮とともに加わることになる。
 私を含め多くの日本人が英語をしゃべる場では “My name is Taro Suzuki.” などと語っていたかと思うが、これからは “My name is Suzuki Taro.” と口にする日本人が増えていくのは必至だろう。以前にも書いたが、“Call me Taro. That’s my first name.” などと言い添える必要が増えるかもしれない。
 この変更にはまさかどこかの国から「日本は名前の表記でもナショナリズムを選択。これで右傾化に拍車か」などと批判されることはないのだろう。
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 米大統領選が一週間余に迫った。コロナ禍の中での大統領選であり、予断を許さない状況だと思うが、諸般の情勢から判断するとバイデン氏がトランプ大統領に勝利するのではと期待したくなる。ニューヨークタイムズ紙からネットで送られてくる高級誌ニューヨーカーのコメンタリー(論評)の中に興味深いものを見つけた。
 Joe Biden and the possibility of a remarkable presidency という見出しだった。リード(前文)は以下のよう・・。There’s really nothing in Joe Biden’s character or his record to suggest that he would be anything more than a sound, capable, regular President, which would obviously be both a great advance and a relief. If we could return to the days when we could forget that the White House even existed, for days at a time, that in itself would be worth waiting in line for hours to vote. That said, there’s at least an outside chance that the stars are aligning in a way that might let Biden make remarkable change, if that is what he wants to do.
 バイデン氏の政治スタイルは過去の副大統領時代を含め、堅実で実務的かつオーソドックスというイメージ以上のものは想像し難いし、そのこと自体はポストトランプ時代には朗報となる。その上でバイデン氏が新大統領に選ばれれば画期的な変革をもたらす可能性を秘めていると述べている。天空の星が奇跡を予知する配列を示す(stars are aligning)幸運に恵まれれば、彼が変革を志すごくわずかな見込み(an outside chance)があると指摘しているのだ。
 そう期待したくなる背景にはバイデン氏が大統領選でトランプ氏に圧勝する可能性があること、加えて彼は大統領就任時に78歳の高齢であり、再選ははなから望んでいないことがあるとか。周囲の評価を気にすることなく、自らが信じる政策に全精力を傾注するシナリオ。なかなか説得力のあるコメンタリーだった。

“I’m the least racist person in this room.”

20201023-1603424442.jpg 本日(金曜日)は快晴。マンション5階の窓から青空が見える。香椎浜がスロージョギングに誘っているかのようだ。最近はパソコンでAbemaTVを視聴することを覚えたので韓国語のドラマや将棋、麻雀などを楽しむ時間が激増している。この項をパソコンで打って(書いて)いる今も竜王戦の第2局が行われている。豊島竜王に羽生九段が挑戦している。AIの判定だと羽生九段が53-47で優位に立っている。羽生九段が勝利してタイに持ち込めるか。心情的には羽生九段を応援したい。嗚呼、かくのごとくジョギングにいそしむ時間が減少するにつれ、腹囲が段々と・・。
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 遅ればせながら東区役所でマイナンバーカードを手にした。長時間待たされることを覚悟していたが、たいして待つことなくカードを手にした。アナログ人間の私はこのカードをどう活用するのか分からないのが恥ずかしい。とりあえずは引き出しに大切にしまっておこう。それでは意味ないことは承知しているが。マイナンバーカードは中国語では「个人编号卡」。この語を正しく発音するのは私にはまだ結構難解だ。
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 今この項をパソコンで打っている折り、テレビではCNNが米統領選の候補者のテレビ討論会を生中継している。テレビ討論会はこれが最後。世論調査では苦境に立っているかに見えるトランプ氏はここでなんとか挽回したいところだろう。見ないわけにはいかない。
 コロナ対策。バイデン氏は当然のことながら、トランプ氏の無策無能を非難した。トランプ氏の反論は陳腐で聞き続けることが苦痛にさえ感じた。米国内では当初220万人が死亡との見方があったのに、私だからこそ死者20万余で済んでいるのだという開き直りを今もなお繰り返していた。こうした主張を受け入れる有権者がまだいるのだろうか。
 人種問題のくだりでバイデン氏から批判されたトランプ氏は “I’m the least racist person in this room.” と反撃していたが、こうしたことを臆面もなく公の場で豪語できる神経がまず信じがたい。両者の主張を聞いていても、特にトランプ氏の発言を聞いていても、何の新鮮味も感じなかった。彼が再選を果たして何を目指そうとしているのかに至っては全然伝わってこなかった。ただただ再選されたいのだという欲望しか見えなかった。
 討論会直後にCNNが会場そばで討論会を視聴していた10人余の有権者にどちらの候補者の発言が勝っていたかを尋ねていた。トランプ氏が優位と答えた人はゼロ、引き分けが2人、バイデン氏が優位と答えた人は9人に上った。バイデン氏の主張の方に説得力があったと考えていた人が多かったようだ。
 印象に残ったことを一つ記しておきたい。バイデン氏は有権者に直接訴えたいことがある時にはテレビカメラを直視して、有権者に語りかけるかのように話していた。対してトランプ氏がテレビカメラを直視して語りかける場面はあまりなかったように思えた。司会者を見ているかバイデン氏をにらみつけるか。彼にはあまり余裕がないように感じたのは私だけだろうか。
 バイデン氏が新大統領に選出されれば平和が到来する、世界経済が活性化するというものでもないだろうが、トランプ氏のあの顔だけはもう見たくないというのが正直な思いだ。

秋本番

20201019-1603080139.jpg 段々といやあっという間に秋が深まり、朝夕は肌寒ささえ覚える。午後になると今も時々、香椎浜まで歩き、ジョギング路をゆっくり走っているが、短パンだとちょっと寒いかなと感じるようになった。少なくとも下は長いトレーニングウエアに変更すべき時が来たようだ。何となく寂しい気もするが、致し方ない。肌寒くなったのでジョギングの帰途、コンビニに寄って冷たいパフェの類を頬張ることもあまりなくなった。残念!
                 ◇
 新型コロナウイルス。東京は依然、感染数が予断を許さない状況のようだが、九州など地方では収束の方向に向かいつつあるのではと期待したくなる。先週は郷里近くに住む幼なじみのいとこから元気かと尋ねる電話があった。コロナ禍がなければ彼の家を訪ね、酒宴の後カラオケに興じることを楽しみにしていたのだ。年内、それが果たせるかどうか。向こうはそうは案じていないようだが、やはり無理しない方がいいだろうなあ。
 海外では依然、いやこれまで以上に深刻な窮状が報じられている。フランスや英国の大都市部では夜の会食が再び禁じられたとか。夜の街は灯が消えたような寂しさだろう。劇場を含む歓楽街が夜間の営業を禁じられれば、今後ますます失業にあえぐ人々は増える一途か。世の中が不景気にならないわけがない。一日も早い収束を日々、神様に祈るしかない。
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20201019-1603080179.jpg 週末にかけ大リーグのプレーオフをテレビの生中継で堪能した。普段はあまり見ないナショナルリーグのチャンピオンを決めるロサンゼルスドジャース対アトランタブレーブス戦は文字通り、手に汗握る熱戦だった。第5戦と第6戦、敗退に追い詰められたドジャースがブレーブスに競り勝ち、3勝3敗のタイに持ち込んだゲームは見応えがあった。ドジャースは去年まで前田健太投手が所属し、沖縄生まれの日系米人デーブ・ロバーツ監督が率いるチームだけにどうしてもドジャースに肩入れしてしまう。
 第5戦と第6戦で勝敗を分けたプレーはドジャースの右翼手、ムーキー・ベッツ外野手のスーパープレー。第5戦では3回裏ワンアウト2塁3塁のピンチ。前方に飛んで来た地上すれすれのフライを好捕(a shoestring catch)し、本塁に送球。3塁ランナーはタッチアップしてホームを踏んだが、ベッツ外野手の守備力を見誤ったか、彼がボールを捕る前に離塁してしまい、アウトの宣告、結局ダブルプレーとなった。チームメイトの一人は “That’s an unbelievable play by an unbelievable player in a big moment.” と称えた。
 第6戦では5回表ツーアウト1,2塁というピンチであわやホームランという大飛球をジャンプして外野フェンスにぶつかりながら好捕。どちらも “the play of the year” と称賛されるべき超ファインプレーだった。スポーツではギャンブルでもそうだが、ゲームの流れというものがあり、それが微妙に行ったり来たりするように思える。上記の二つのプレーはゲームの流れを間違いなくドジャースに引き寄せるものだったと思う。
 ドジャースは月曜日(日本時間)の第7戦でもブレーブスに逆転勝利し、ワールドシリーズ進出を果たした。この日もベッツ外野手はゲームの流れを決めたであろう追加点となる相手のホームラン飛球をジャンプ一番好捕し、その後の逆転勝ちにつなげた。太棒了!

mansplain

 NHKラジオの英語講座では「遠山顕の英会話楽習」という講座が聴いていて楽しく、役に立つ語彙や表現も学べるので、なるべく付き合うようにしている。先日も初めて耳にする語に出合い、え、そういう表現があるのかと勉強になった。
 mansplain という語。英語で「かばん語」(portmanteau word)と呼ばれる混成語で、「男性」のmanと「説明する」のexplainを合体させた新語だ。講座では「男説明する」という訳語だったような記憶がある。相手を見下して高飛車な態度で話すことを意味している。“You mansplain too much.” と言えば、「あなた、さっきから偉そうに何を言っているのよ」といった感じの抗議の物言いとなるのだろう。発音はexplain を念頭に、マンスプレインと発声するようだ。
 大学で非常勤講師の仕事をしていた時に、manspread という新語に出合い、学生に説明したことがある。これはman と spreadのかばん語で、バスや電車などの公共の乗り物などで股を広げて座るマナー違反の座り方を指す言葉。普通に座ればもう一人のスペースができるのにそれを不可能にする座り方だ。“I do hope the practice of manspreading on public transportation won’t be rampant in Japan.”(日本では公共交通機関で大股座りがはびこることがないように願いたい)といった使い方をするのだろう。
 manspread という語が市民権を得るような事態、つまりあちらこちらでマナー違反の座り方が目立ち、一般市民が閉口するような事態にはなって欲しくない。mansplain はどうだろう。女性からそう思われることのないように振る舞う必要はあるようだが、「物言わぬは腹ふくるるわざなり」ともなりたくない。「さじ加減」が難しいところか。
                  ◇
 大リーグはプロ野球より一足も二足も速くプレーオフに突入している。例年なら162試合が今シーズンはコロナ禍でわずか60試合に激減したこともあり、何だか慌ただしいプレーオフになっている感は否めない。すでに敗れたとはいえ、少なくともプレーオフに進出したダルビッシュ投手(シカゴカブス)や前田健太投手(ミネソタツインズ)は前評判にたがわぬ活躍を見せた。来シーズンこそ球場で地元ファンの拍手喝采が期待されるが、ロサンゼルスエンゼルスの大谷翔平君を始め、多くのプレーヤーにとって今シーズンは「失われた一年」と映っているのではないか。
 現在進行中のプレーオフでただ一人、属するチームが勝ち残っているのはタンパベイレイズの筒香嘉智選手。しかし、チームは絶好調だが、彼自身はプレーオフの試合に先発起用されていない。代打での出場機会もあまりないようだ。日本では横浜ベイスターズのスター選手として活躍していた彼にはきわめて不本意と推察される。たとえ、チームがこのまま勝ち続け、最終的にワールドシリーズで優勝し、チャンピオンリングを手にする栄誉に浴したとしても、心中は忸怩たる思いだろう。
 プロ野球出身のポジションプレーヤーと呼ばれる野手は総じて大リーグでは「冷遇」されている印象がある。かつてのイチロー選手や松井秀喜選手は例外的存在。大リーグとプロ野球。プレーのレベルにどれほどの差があるのかないのか?

福岡では「好いとっと!」

20201013-1602552387.jpg “People stared like I was Godzilla” という見出しに引きつけられた。Godzilla とは凄い表現だ。日常生活でゴジラのような人にお目にかかるのはまずないだろう。周囲の人々が自分をまるでゴジラを見たかのように凝視したとはいかなるものだろうか。見出しに添えられている写真の女性はゴジラからはほど遠いすっきりした美人。ヌヌ!? 訳が分からないではないか。それなら、記事を読み進めるしかない。
 記事の執筆者はBBCの女性記者でBritish-born Chineseと紹介されているが、本文を読むと、家族や親類は今は台湾に住んでいるような印象を受けた。彼女は自らの経験を振り返りながら、アジア(中国・台湾)の女性に求められている体型の理想像がともすれば女性に過酷な節食を強いていることを述べていた。見出しの文言は当時肥満の体型をしていた記者が台湾の夜市を歩いていた時に地元の人々から向けられた視線を表現している。屋台の食物を貪っていると母親もさすがに耐えかねたのか、「あなたそんなに食べるんじゃないわよ。みんな、見てるわよ」と耳元でささやいたという。
 私がこの記事で印象に残っているのは彼女のその後のジムでのワークアウトといった努力ではなく、次のくだり。There’s not really a lot of demonstrative affection in east Asian culture. What I mean is that there aren’t really hugs, or “I love yous” between parents and their children, especially once the kids grow up. Love is simply expressed in other ways.(東アジアの文化では愛情を具体的に行動で示すことはあまりない。お互いにハグすることもなく、また両親と子供たちの間で「愛している」という言葉のやり取りもない。子供たちが成長すると特にそうだ。愛情は他のやり方で表現されることになる)
 日本もまさにその通りだろう。私は亡き母親とハグしたことはただの一度もない。お互いに薄情だったわけではない。そういう習慣がなかったのだから致し方ない。欧米で親子がハグする光景を見ると、羨ましく思う。いいなあと思う。また、普段の生活でことあるごとに “I love you.” と口にするのも羨ましい。私はお袋にそうした愛情表現をしたことは悲しいかなない。第一、love という語をどう日本語に訳すことができるか分からない。「愛している」というのは外来語ではないか。「大好きだ」という方がまだしっくりくるような気がするが、これだって私が当時口にすればきっと病院かどこかに連れていかれたことだろう。
 私はこうした愛情表現に関しては欧米の方に軍配を上げたい。「以心伝心」の国とはいえ、やはり言葉のぬくもり、さらには体温のぬくもりに勝るものはないと思う。同じアジアでも韓国のテレビドラマを見ていると、彼らは日本人よりは普段からハグしているような感じだ。お互いの身体にもよく触れているような印象がある。
 NHKテレビ。夜7時の全国のニュースを前にローカル番組の軽快なエンディングのテーマソングが流れる。なんかいいなあと思ってずっと耳を傾けていた。この歌を歌っているのは福岡で育った歌手のMISIAだとしばらくして気づいた。歌声が好きだ。彼女は博多の方言を駆使して歌い、最後に「好いとっと」という熱い言葉で締めている。宮崎弁なら「好いちょっちゃが」「好きじゃっちゃが」かな。こうした方言なら多少、恥ずかしさが薄まるかもしれない。ハグの方は時間がかかるかもしれないが。

オクトーバーサプライズ

20201009-1602221217.jpg アメリカの大統領選では October surprise という語があるそうだ。11月3日の投票を直前にして起きる、選挙戦の帰趨を左右する予期せぬ出来事を「オクトーバーサプライズ」と呼んでいるとか。トランプ大統領が新型コロナウイルスに感染したことがそうなるのだろうかと思っていたら、どうやらそれだけでドラマは終わりそうにない。
 金曜日のCNNのネットの記事ではトランプ大統領はもう明日(土曜日)には公務に復帰できるとホワイトハウスの主治医が語っている。いくら何でも早過ぎないか。素人の素朴な疑問はともかく、これからどんなオクトーバーサプライズが飛び出すことやら。有権者ではないが、日本や世界の命運を左右する大国の指導者だけに気にはなる。
                 ◇
 その大統領選にも影響を与える副大統領候補のテレビ討論会。さすがに全部付き合う暇はなかったが、こちらでもカマラ・ハリス民主党候補の方が共和党候補のマイク・ペンス副大統領よりも優勢のように思えた。討論後にCNNのコメンテーターの一人がハリス氏はトランプ氏のことに言及した時に一度もプレジデントとは言わず、Mr Trumpと呼び続けたことを指摘していた。なるほどなあ・・・
 CNNの記事でまた一つ勉強になったのは見出しとなっていた次の表現。—Harris didn’t let Pence explain away Trump’s failures— 私はこのexplain away という表現を即座には理解できなかった。おそらくハリス氏がトランプ政権の失政を責め、ペンス氏が言い逃れをするのを許さなかったぐらいのことではないかと推察はできたものの。explain away を辞書で調べると、「(誤りなどを)弁明する、言い逃れる」と載っていた。例文として She explained away her rude behavior as a joke.(彼女は無礼な振る舞いをおどけてやっただけだと言い逃れた)という文章が載っていた。前置詞のaway の「~から離れて」「向こうへ」という原意が何となく分かる表現だと思う。
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 毎月二回の日曜日の英語教室はコロナ禍のため、このところずっとオンライン(スカイプ)の開講となっている。慣れてしまえば、わざわざ出かける必要もなく、洗面、歯を磨き、ひげをそるだけで準備完了だから楽だ。
 今読んでいるアリスの物語も大詰めに近づいている。これを読み終えたら、次に何を読もうかなと考えていたら、断捨離の最中に段ボールから “50 Great Short Stories” という英書が出てきた。ヘンリー・ジェイムズ、ジェイムズ・ジョイス、ホーソーン、モーパッサン、モーム、ポーなど世界に名だたる作家の短篇を集めた書だ。幾つかは読んだことを覚えているが、粗筋はすっかり忘れてしまっている。
 それでFlannery O’connor (1925-64) という米作家の A Good Man Is Hard to Find を読み始めた。米南部の一家の姿が描かれている。次のような言葉が出てきた。車窓から黒人の子供がズボンをはいていなかったのを見て、白人の祖母が孫たちに語りかける。“Little niggers in the country don’t have things like we do.” 当時の話し言葉は今さらカモフラージュできないものの、さすがに今読むとドキッとさせられる。

an alternate reality

 月曜日の朝、涼しい。洗濯物を干すためにベランダに出ると、風が心地よい。台風の心配もなく、こんな天気が続くなら、日本(福岡)は本当に快適なところだと思わないわけにはいかない。東アフリカ・ケニアの首都ナイロビがほぼ毎日こんな感じだったような記憶がある。いつかまた再訪したいと思っているが、ナイロビ発の国内ニュースはぜひ再訪したくなるような楽しいニュースはあまりないのが残念だ。
                 ◇
 米大リーグのプレーオフ。期待していた日本人投手陣は前評判にたがわず好投を見せたが、自チームの打棒が全然振るわず、あっけなく散ってしまった。残っているのはニューヨークヤンキースの田中マー君だけ。マー君はプレーオフの第二戦で先発したが、相手打線に無残に打ち込まれており、とても活躍したとは言えない。味方打線の爆発で第一段階のプレーオフを乗り切っただけで、興味はほぼ失せた。筒香嘉智選手が属すタンパベイ・レイズも勝ち残ってはいるが、彼はなぜかフル出場する機会を与えられていないようだ。
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 いつかこうしたニュースに接すると思っていた。多くの人がそう予期していたのではないか。英語で表現すれば、I was not the least surprised by the news. (私はそのニュースに全然驚かなかった)とでもなるのだろう。
 トランプ米大統領の新型コロナウイルス感染が公表された。あれだけノーマスクで多くの人々と接していればやがてこうなるのは見えていたのではないか。不謹慎な物言いになるが、大統領に同情する気持ちはわかない。その後も大統領周辺の人々で感染が続々と発表されている。大統領選の投票日まで一か月を切っている。トランプ氏はこれから本格的に多くの聴衆を集めた選挙集会を展開してライバルのバイデン陣営非難に奔走する戦術だったと思われるが、手痛い打撃となるのは不可避だろう。
 月曜朝、ネットでCNNをチェックすると、トランプ大統領が入院しているワシントンの軍病院を日曜に車で一時的に離れ、大統領を応援するために集まった支持者らに車窓から手を振る行動に出たと報じていた。自らをそして周囲の人々を危険にさらす行為は到底理解しがたい。CNNの記事を読んでいて、次のような記述があった。For much of this year, Trump has spun an alternate reality about the dangers of coronavirus — disputing science and the efficacy of masks, downplaying the risks to the American people, and making false statements about how 99% of coronavirus cases in America are "totally harmless" or that the virus "affects virtually nobody."
 トランプ氏が過ごしているのはまさに圧倒的大多数の国民から隔絶した an alternate reality(パラレルワールド)かもしれない。だから、彼は自分の政治姿勢・言動がなぜ非難されるのか理解できないのかもしれない。まさか宇宙人?
 いずれにせよ、大統領陣営の発表によると、トランプ氏は順調に回復しているとか。ほどなく彼が再び米国民の前に姿を見せた時に、マスクを携帯しているのか、それとも依然としてマスク姿を見られることを拒絶しているのか、ということにも注目したい。

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