May 2020
"I can't breathe!"
- 2020-05-29 (Fri)
- 総合
新型コロナウイルス。福岡は終息に向かいつつあると思っていたが、隣の北九州市がきな臭い状況に陥りつつある。私は来週から小倉で英語教室を再開する予定であり、大事に至らないことを切に願っている。
海の向う、アメリカでは死者がついに10万人の大台に達した。トランプ大統領はこの現実をどう言いつくろうとするのだろうか。きっと中国と野党民主党、オバマ前大統領にすべての非があると非難し続けるのだろう。不思議なのはそれを疑問に思わない米国民がある程度、存在し続けることだ。私の知っているアメリカではない。
テレビカメラの前でマスクをすることを拒絶しているトランプ大統領は、人前でマスクをつけることを厭わない、今秋の大統領選でのライバル、ジョー・バイデン氏のマスク姿を揶揄した。そのことを問われたバイデン氏はトランプのことを “an absolute fool” と呼んだ。むべなるかなだ。
◇
アメリカは病んでいる。新型コロナウイルスのことではない。米CNNを見ていて、白人警官が腹ばいになった黒人の男性の首の辺りを膝で押さえつけ、窒息死させる事件を報じていた。被害者の黒人男性は「息ができない。お願いだからやめてくれ!」と哀願していた。白人警官は意にも介せず、左膝で被害者の首を絞め続け、すぐそばに立っていた同僚の白人警官も止めに入ることはなかった。人種差別的犯罪と言わずして何と形容しよう。
ミネソタ州での出来事。加害者の白人警官は解雇処分となったようだが、これは殺人行為であり、刑事処罰を受けて当然だろう。トランプ大統領と直接関係ある事件ではないが、背景には大統領が寛容な態度を示し続けている人種差別的言動容認の社会的ムードがあると見て間違いないだろう。
◇
『単語力完全マスター(単語力メイン)英=日=中』(流通科学大学)を毎日少しずつ読み進めている。英文の日本語訳の方もこなれた訳文となっていて実にいい。初めてこの本を手にした時は中文はピンイン表記がなく、いや、これは読み(実際の発音)を調べるだけで一苦労。中国語の力がごくごく初心者の私には読破するのは大変な苦労を伴うと、文字通り「積読」状態にしていたが、中日辞書を片手に漢字の意味と発音を調べるのもそう苦ではなくなった。もっとも調べて覚えるそばから忘れているが・・。嗚呼!
最近目にした中で印象に残っているのは次の文章。英文から紹介すると、I was touched by the parting scene in the movie. 中国語訳は「我被那个电影离别的场面所感动了。」。感心したのは日本語訳の文章だ。「その映画の別れの場面にグッときたよ。」。私ならば「私はその映画の別れのシーンに感動しました。」と訳したことだろう。「グッときたよ」の方が格段にいい。こなれた日本語だ。こういう文章に出くわすと、よしこの本をずっと読み進めていこうという気にもなる。上記の文章で「」の中にあえて「。」を入れているのは、この「。」が日本語と中国語だけに共通している記号だからだ。私は初めてこの共通の記号を目にした時、日中両言語の近さを強く感じた。
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有難くない cavalier
- 2020-05-26 (Tue)
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緊急事態宣言が全国的に全面解除された。喜ばしいニュースではあろうが、何だかしっくりしない気がしないでもない。新型コロナウイルス対策に関しては、世界中で社会経済活動が緩和の流れにあるようだ。米CNNテレビを見ていると、週末、米南部ジョージア州の海辺で日光浴やボール遊びに興じる人々が映っていたが、マスクをつけている人は皆無だった。人とのある程度の距離を保つsocial distancing はどこ吹く風といった印象。ブラジルやアフリカ諸国など感染がまだピークに達したとは思えない状況にある国々では本当に大丈夫なの?と思わざるを得ない。
◇
米大統領選。民主党の候補指名を確実にしているジョー・バイデン氏が失言で物議を醸している。彼には過去に女性へのセクハラ疑惑もあり、こちらも大丈夫かと心配だ。
バイデン氏の失言はラジオ局とのインタビュー番組にリモートで出演した際、ホスト役の黒人男性に向かい、「もしあなたがトランプ氏を支持するか、私を支持するか迷っているとしたなら、あなたは黒人ではない」と発言したこと。この発言が人種差別的だと批判を浴びているのだが、これまでの政治活動歴から自分が黒人層の支持を取り付けるのは当然と見なしている「傲慢」な姿勢もさらけ出してしまった。
バイデン氏は当然のことながら、釈明に出たが、その際の発言が” “I should not have been so cavalier.” であり、また “I shouldn’t have been such a wise guy.” だったと陳謝した。cavalier(騎士道精神の持ち主)ならドン・キホーテを連想するが、この語は形容詞では「尊大な」とか「思慮の浅い」という有難くない特質を示している。バイデン氏の場合は「ちょっと思い上がっていた」とでも訳すのだろう。a wise guy は「知ったかぶり」「うぬぼれ屋」という意味が載っているが、こちらは「うぬぼれが過ぎた」との意だろう。
今秋にトランプ政権に終止符を打てる現実的な希望はバイデン氏に託されている。今回の失態で、バイデン氏を紹介する英文にはその頭にgaffe-prone(失言癖のある)という形容句がつくことがあることも初めて知った。失言癖ならトランプ氏も負けていないだろうが、大統領の場合は笑うに笑えないことが多い。なんとか大統領選まではバイデン氏には安全運転で乗り切ってもらいたいと願う。
◇
「人名」と「人命」。日本語では同音異義語だ。「じんめいだいいち」と聞けば、まず我々の頭には「人命第一」という語が浮かぶだろう。「じんめいがおぼえられない」と聞けば「人名が覚えられない」だろう。中国語の辞書を引いていて、上記の二語は中国語でも日本語と同様の漢字だと知った。しかも発音も声調が異なるものの、ピンイン表記では同じスペリングのrenming。
「唯々諾々として従う」という表現。「はい、はい」と人の意見に盲従するさまがなぜ「いいだくだく」なのか疑問にも思ってこなかったが、中国語では「唯唯諾諾」という表現があることを知って、なるほど、中国語に語源があるのかと納得した。乱暴にカタカナ書きすると「ウェイウェイヌォヌォ」という音であり、こちらも日本語の音からは程遠い。
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トランプ氏の vanity(虚栄心)
- 2020-05-22 (Fri)
- 総合
トランプ米大統領は最近ではマスクをつけることもあるようだが、依然、テレビカメラの前でマスクをつけることを拒んでいる。その理由を問われ、“I didn’t want to give the press the pleasure of seeing it.” と答えている。大統領の思考回路では「マスクをつける行為=敗北、降参の証し」なのか。CNNの女性のコメンテーターは大統領のvanity(虚栄心)の表れと一蹴していた。
◇
一昨年の秋、台中(台湾)を旅していた時のこと。有名なカフェをのぞいて、コーヒーフロートのような飲み物を飲み、店員さんに感想を求められたので、「不错」と答えた。「大変美味かった」とほめたつもりだったが、その可愛い店員さんは「不错」は英語だと “So-so.”(まあまあ)程度の意味合いで、微妙な表現ですよ、というような趣旨のことを言われた。
先日、NHKラジオの中国語講座で講師が「不错」という表現は「素晴らしい」という意味であり、「很好」(良い)よりもグレードが上の表現だと説明していた。NHK講座を信用すれば、「不错」は胸を張って口にできる表現なのだ。やはりそうだったのか。
日本語でも「悪くないね!」と言ってほめることがある。職場で新入社員の仕事ぶりを尋ねられた上司が「あいつ、悪くないね」と語っている場面を頭に浮かべると、「あいつ、いいね」と同程度、あるいはもっと上の評価をしている印象だ。台湾を旅して中国語をしゃべり、台湾の人からいつか、私の中国語は「不错」と言われる日が来ることを願いたい。
しかし、天下の情勢では今年は果たしてそうした旅ができるのかどうか心もとない。ひょっとしたら、コロナウイルスを比較的上手に抑え込んだと見られる台湾にも今年は足を運べない可能性も否定できない。どうなることやら・・・。
私は今では森羅万象、すべて神様の思し召しと思うようになっている。この年になっても夢や目標に向かって日々の努力は続けるつもりだ。しかし、その上で無理なものは潔く諦める。神様がそう「差配」されているのだろうと。だから、今年、台湾や中国に旅することがかなわなければ、致し方ない。低空飛行を続けている懐事情には「朗報」ともなる。
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昨年末、マンションの共用ブレーカーに不具合が生じ、200ボルトの電圧が流れて、入居家庭の電気製品が故障・破損して使えなくなる事態となった。私は洗濯機が動かなくなった。その結果、新しい洗濯機が届いたのはいいのだが、乾燥機を回していると、音がちょっとうるさいような気がしていた。最近の洗濯機はこんなものなのだろうか?と使い続けていた。
今月初めの連休期間中、クーラーをもう一台入れることにして、電器店の人に来てもらった。たまたま乾燥機を動かしていたら、その人はその音を聞くなり、「これ、おかしいですよ。乾燥機がこんなうるさい音をさせるなんてあり得ない」と即座に指摘した。メーカーの修理屋さんに見てもらった結果、やはり内部のファンに問題があることが判明。修理後の乾燥機は静かな音で回るようになった。
知らない(気づかない)ということは恐ろしい(悲しい)。私は電気店の人が指摘してくれなかったら、けたたましい音のする洗濯機をおそらくずっと使い続けていたことだろう。
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I walked his dog.
- 2020-05-20 (Wed)
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コロナ禍もあり、自宅で過ごす時間が圧倒的に増えている。本来ならこの時期、海の向うの大リーグや米ゴルフの生中継にうつつを抜かしているのだろうが、今年はそれも不可能。大谷翔平君の快打に「オオタニサン、ビッグフライ(ホームラン)!」という米アナの絶叫が聞けないのは物足りない。プロ野球がないのはそう寂しいとは思わない。やはり、それだけプロ野球から「心」が離れているからだろう。福岡に住んでいると、民放ラジオの朝の番組で出演者が地元のソフトバンクホークスに対し、熱狂的な声援を送っているが、右の耳から左の耳へと流れるだけ。
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アメリカのオンラインメディアのハフィントンポストをのぞいて、トップニュースの見出し Scandal At State: Pompeo Had A Dog Walker に引き込まれた。ポンペオ米国務長官にa dog walker(犬を散歩させる人)がいて何の問題があるのか?
記事にアクセスして合点が行った。本文の見出しは Fired Inspector General Was Probing Whether Pompeo Made Staffer Run Errands: Reports となっていた。そうか。国務長官は部下に命じてペットの犬の散歩をさせていたということか。そのほか、クリーニングに出した衣服の受け取りや長官夫妻のレストランの予約などもさせていたとか。それで国務省のリニック監察官が調査を開始すると、これに激怒したポンペオ氏がトランプ大統領に泣きつき、大統領が監察官を解任したのだという。これが事実なら不当な報復人事であることは明らかだ。
次のような文章があった。A Democratic aide told CNN that Pompeo was suspected of making a staffer run personal errands such as walking his dog and picking up his dry cleaning. 私はwalking his dog という表現が面白いと思った。私にはなかなかこういう表現はできない。それはwalk という動詞が「歩く」「散歩する」という自動詞だという印象が強く、目的語を直後に置くことができる他動詞でもあるとの認識が薄いからだろう。
だから、「私は彼の犬を散歩させた」ならば、I took his dog for a walk. という文章が頭に浮かぶ。だがしかし、上記の意味合いは単に I walked his dog. でもOKというわけだ。この場合、walk が「散歩させる」という他動詞となっていて、直後に目的語を続けることができる。英語では動詞が自動詞か他動詞かその違いを意識することは大切だ。
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コロナ禍。小倉のよみうりFBS文化センターで行っている英語教室(毎月第1、2、3火曜日)は引き続き、今月いっぱい休講です。最後に教えたのはいつだったか記憶もあやふや。来月からは心機一転の心境で精を出すつもりです。英語に関心のある方は文化センターのホームページ(https://yomiuri-cg.jp/)をのぞいてください。受講生が少なく、途中からの参加大歓迎です。天神のカフェ「本のあるところajiro」で行っている英語教室(毎月第2、4日曜日)はコロナ禍のため、覚えたてのスカイプで楽しく続けています。今は “Alice’s Adventures in Wonderland” を読んでいます。英語と読書が好きな人はajiroのホームページ(http://www.kankanbou.com/ajirobooks/)をご覧になってください。
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目指せ72キロ!
- 2020-05-18 (Mon)
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新型コロナウイルスを巡って窮地に立つトランプ米大統領はコロナ禍がオバマ前政権の過誤によるものとでも言うように、前大統領非難のボルテージを上げている。オバマ氏も黙ってはいない。現政権の指導層が “aren’t even pretending to be in charge” と批判したと報じられている。誰も彼も責任逃れの挙に忙しいと皮肉っているのだ。
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緊急事態宣言が一応解除され、スロージョギングを続けている香椎浜でも最近は散策や浜辺でくつろぐ家族連れの姿が目立つようになっている。日が差せば汗ばむが、今はまだ心地好い風が吹いてもいる。もう少したてば猛暑にあえぐようになるのだろうか。
先月、ずっとほったらかしにしていた体重計に新しい電池を入れ、久しぶりに体重計を測ってみた。体重77.6キロ。私の身長だと標準体重は60キロとちょっとだろう。明らかに体重過多だ。かつて大阪勤務時代に断酒と水泳で短期間に凄く痩せたことがある。数回取材した人に痩せてからばったり出会ったので挨拶したら、彼は私が誰だか分かってもらえなかったことがある。その当時、宮崎に戻り、妹に会ったら、「兄ちゃん、貧相に見えるわ」と不評だったことを覚えている。少しは余分な肉がついていた方がいいようだ。
いずれにせよ、昨秋の保健所の定期健康診断で、保健師さんと体重を72キロ程度に落とすと「約束」した記憶がある。72キロが現役時代の体重だったからだ。そろそろ本腰を入れないと目標達成は不可能だ。数日前に風呂に入った後、体重を測定してみたら、76キロ。一か月でなんとか1.6キロ削ぎ落としたことになる。まだまだ道程は遠い。
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前回の項で書いた『単語力完全マスター(単語力メイン)英=日=中』。この本を毎日少しずつ読み進めている。面白いの一言。英文も中国語の文章も大いに参考になっている。この本を初めて手にした時は、まさか、こんなに役立ってくれるとは思いもしなかった。
掲載されている語彙は全部で2893ワード。平易な語から難解な語へと難易度が上っているようだ。最初に英語の語彙、日本語訳、そして中国語訳、続いてその語彙を使った英文、日文、中文が紹介されている。2893ワードを踏破した時にはかなりの中国語の力が身に付いているものとひそかに期待している。冒頭に記載されている語彙を順番に紹介すると、mind(心情)、reason(理由)、guess(猜测)・・・。
今この項を書いている時点で読み終えたのは54ワード。今は日英の文章を読まずに、いきなり中文を見て意味が理解できるかを試しているが、英文も英語の語彙の復習に大いに役立っている。35番目の語彙は textbook(教科书)で、英文は “OK, class, open your textbooks to page 10.” 。日文では「さあ、みんな、教科書の10頁を開けなさい」。そう、先生が教室で「みなさん」と呼びかける場合には “everybody” だけでなく “class” でも良いのだ。52番目の語彙は voice(嗓音)だった。この語彙の例文を英日中の順に列記すると——。He said in a low voice, ‘I love you.’ 「君が好きだよ」と彼は小声で言った。〝我爱你。゛他小声说。英文も日文も過去形であることが明確に分かるが、中国語では現在形なのか過去形なのか上の文章だけでは不明。中国語の不思議を改めて確認した次第だ。
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the lying-to-oneself-and-believing-it state!
- 2020-05-12 (Tue)
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断捨離の一つで押し入れにしまってある本や書類などを整理し始めた。おそらくもう二度と読むことのないような書籍はこの際、資源ごみとして出そうとも思っているのだが、すっかりその存在を忘れていた本を手にすると、懐かしさもあり、そこで作業の手がとまる。
そうした作業の中でふと、台北を旅していた時に風刺の効いた名言で知られる作家、オスカー・ワイルドの言葉を中国語に訳した名言集を購入していたのでという思いが浮かんできた。本棚や机の周囲などあちこちを探したが、見つからない。台北の書店でしばしその本を読みふけった記憶があるが、結局買い求めなかったのだろうか。残念! 安上がりがモットーの旅だったから、最後に値段と重さから断念したのかもしれない。中国語の読解力が少しはついた今なら、当時よりずっとワイルドの世界を楽しめていたことだろうに!
あれこれ書籍を漁っているうちに一冊の本に目がとまった。過去にこのブログで紹介したか記憶がないが、関西に住む知己のU先生が私が中国語を独学していると知って、親切に送って頂いた本だ。『単語力完全マスター(単語力メイン)英=日=中』。はしがきに、この本の目的は学生が英語の語彙力と構文力を習得することにあると書かれている。U先生は流通科学大学で教鞭を執っておられた英語学の先生で、おそらく同僚の先生の方々と共同で執筆されたものだろう。
ユニークなのは書名から分かるように、中国語の訳文も添えられていること。ピンイン表記まではされていないが、中国語の文章を日本語、英語とともに味わえるようになっている。この本が送られてきた頃は私の中国語の読解力の問題から、「積読」状態になっていた。忘れていたわけではなかったが、中国語の壁があまりに高かった。それがこの数日、再度手にして読んでみると、ピンイン表記がないので、実際の発音はおぼつかないが、意味合いは割とすっと頭に入ってくる。そして面白い。これからじっくり読み進めていこう。
◇
少し前にアメリカの高級誌「ニューヨーカー」のコラムニストでベテランジャーナリストのスーザン・グラッサー氏のコラムをネットで時々拝読していると書いた。
週末には次の見出しのコラムを興味深く読んだ。Has Trump reached the lying-to-himself-and-believing-it state of the Coronavirus pandemic?(トランプ氏はコロナウイルス・パンデミックで自分自身を偽り、それを信じるようになる状態に陥ってしまったのか)。何だか「嘘も百回言えば真実になる」という文言を思い出してしまうが、大統領に批判的な主要メディアの報道を「フェイクニュース」と非難するトランプ氏は誰が見ても矛盾に満ちた発言、事実誤認の発言を繰り返しているうち、それが真実だと自分でも思い込んでしまっているのではとこのコラムニストは分析している。
そのくだりの一文を紹介すると————。Either Trump is the most brazen politician in the long line of brazen American politicians or he somehow had been brainwashed by his own B.S. ———— brazen とは「鉄面皮の」「恥知らずの」という意味。
最後のB.S. は bullshit (大ぼら、たわごと)の略語らしい。トランプ大統領の「人となり」を実に明快に切り捨てている。私にも異論はない。
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コロナ禍の断捨離
- 2020-05-08 (Fri)
- 総合
どこにも出かけられなかった not so ゴールデンウィークが終わった。まあ、普段からそうなのだが、自宅にごろごろしていることが多かったので、断捨離を決意し、少しだけがらくたを処分した。かつては大切に使っていたものを今はがらくたと呼ぶのは気が引ける。まず、処分したのは古いパソコンやワープロの類。ワープロやヘッドフォン、種々のコードの類は居間に新しいクーラーを入れた際に、工事に来てくれた電器店の人が親切にも持ち去り、処分して頂いた。パソコンについてはノート型が二つあったのだが、メーカーに問い合わせれば、無料で廃棄処分する方法があると教えてもらった。
早速メーカーに問い合わせると、確かに、郵送料を含め無料で廃棄処分してくれることが分かった。パソコンを梱包して、送られてきたシールを添付して、郵便局の人が受け取りに来てくれるのを待った。おかげで押し入れの上段がすっきりした。続いて、古い書籍や書類の類。これは複数の段ボール箱の中に詰まっている。段ボール箱に収まっているのはきっと前回整理した際に捨てるのが忍びなく、保管の道を選択したのだろう。8年前に捨てるのが忍びなかったものを今は気楽に捨てられるとも思えない。
昔の取材ノートも出てきた。これはもういいか。読み返してみても、何が書いてあるのか意味不明のものも少なくない。古い名刺入れや年賀状などの類もある。これは読み返していると懐かしさがこみあげてくる。しかし、いつまでも取っておくものだろうか。いつか手放すときが来るのだろう。だとしたら、頭脳がある程度、健全な今、処分しておいた方がいいのでは。第一、いつかまた転居を決意する日がやってくるだろう。その時に荷物になるだけだ。思い出は頭の中にあるだけで十分だ!
とはいえ、昔の写真なども一緒に出てくると、簡単に捨てる気は失せてしまう。かくして一向に片付けがはかどらない。まあ、時間はあまたあるから、ゆっくり片付けていこうと気を取り直す。
◇
香椎浜の走り(歩き)に使っているジョギングウエアもこの連休をはさんで夏用に変えた。短パンにポロシャツ。ジョギング時にはラジオを聴くためと万歩計を兼ねてスマホを携帯しているが、ポロシャツではスマホを携帯できないため、薄いベストを羽織っている。夏の台湾を旅したときに定着したスタイルだ。
連休で閉店していた八百屋さんが店を開けていた。果物を買おうとのぞくと、おお、ゴーヤがあるではないか。連休前にはお店の人に何度も尋ねていた。「ゴーヤはいつ頃入荷しますか」と。ものが小さく、値も高かったため、入荷を見合わせていたのだとか。お得意のらっきょう酢に漬ければ、栄養豊かなゴーヤのピクルスが食べられる。
思えばこの連休期間中は赤ワインを含め、連日飲酒した。せめてもの言い訳というか意地はビールには手をつけなかったこと。汗をかいた後のビールは格別に美味い。缶ビールなら2、3缶なら軽くいける。それが分かっているから、なおさら自粛した。連休が終わったと思っていたらすぐに週末。ゴーヤを使った焼酎の肴をクックパッドで探して作るか。包丁も切れ味が良くなったばかりだし。
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備えあれば患いなし!
- 2020-05-06 (Wed)
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パソコンを毎朝立ち上げると、ニューヨークタイムズ社から日々、さまざまな記事やお知らせが送られてきている。あきれるほどの長文の記事があり、ほとんどは素通りしているが、たまに見出しに引きつけられて付き合ってしまう。
The New Yorker の記事の見出しは How Greenwich Republicans Learned to Love Trump というものだった。いかにしてグリニッジ(コネティカット州)の共和党員たちがトランプ氏を愛するようになったか)という解説記事。袖見出しで To understand the President’s path to the 2020 election, look at what he has provided the country’s executive class.(トランプ大統領の2020年再選への道を理解するには彼が米国の超富裕層に付与したものを見よ)と説いている。
新型コロナウイルスは米国でもなお収束の気配は見えない。直近に見たCNNテレビでは米国内の死者予測数が先日までの72,000人から134,000人にほぼ倍増している。こうした状況にもかかわらず、トランプ大統領はホワイトハウスのコロナ対策本部を月末に向けで解散する予定と報じられている。要するに、コロナ対策は連邦政府ではなく各州政府の責任であるということを知らしめたいのだろうか。大統領お得意の「権力はすべて我にあり、責任は全くなし」の姿勢だ。
記事の舞台となったグリニッジは米国の東海岸でゴールドコーストと呼ばれる超富裕階層が住む住宅地のようだ。トランプ政権の発足で共和党支持の超富裕層は自分たちが特別の存在であり、一般社会で求められる倫理や遵法精神からは免除されているかのように振る舞って当然との認識が芽生えているという。金を払い子供を不正に大学進学させるスキャンダルが発覚し、起訴されたトランプ支持者の富豪が記者に語った次の一言が印象に残った。” “To be honest, I’m not worried about the moral issue here.” トランプ大統領の独善的な考え方がここでも透けて見えるような気がして恐ろしい。
◇
宅急便が届いた。非常食(3日分)と記載されている。だが、送り主欄には非常食メーカーの社名だけが記載されている。はて、私はこんなもの注文した覚えはない。ひょっとしてコロナ禍の便乗商法? 私は受け取りを拒否した。
そうしたら、これは姪っ子が私のために送ってくれたサプライズプレゼントであることが後で判明し、私は翌日、改めて受け取った。姪っ子曰く、いつ大地震が起きるか分からず、送ったとの由。箱詰めを解き、収納されている中身を確認した。水をそそいで待つこと1時間の「白米」やそのまま温めずに美味しい「野菜シチュー」「肉じゃが」「ようかん」などが入っていた。非常用飲料水も3本。いずれの品も賞味期限は5年。2025年秋頃まで余裕で大丈夫ということのようだ。ラベルを見ていると、どれも美味そう!
今の私の食欲で気をつければ3日と言わず、1か月ぐらいは持つのではないだろうかとも思える。「使う機会がやって来ないことを祈ります」と姪っ子はラインメールに書いていた。まさにその通りだ。台所かどこかに安置しておくとして、長く使う機会がなく、いつかそういうものがあることさえ忘れていたとなればいいのだが。
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コロナと納豆
- 2020-05-04 (Mon)
- 総合
一向に終息もしくは収束の気配が見えない新型コロナウイルス。毎朝、神棚に手を合わせ、キリスト教の神様、そして神道の神様に終息(収束)を願っている。中国語の「结束」という語も心に浮かべている。
先週、ジャパン・ニュース紙に目を走らせていたら、納豆が品薄になっているという記事を見つけた。見出しはDemand surge is a sticky situation for natto lovers(需要の急騰で納豆好きには困った状況)。時節柄、コロナウイルスに関係ありやと当然の興味がわいた。読んでみると、どうも直接的関係はないようだが、関係がなくもないらしい。
私は納豆が好き。子供の頃には食べたことがなかったが、社会人となり、発酵食品が身体にいいと知ってからは、できるだけ毎朝食するようになった。海外の旅に出る時も携帯したいと願ったが、さすがに日持ちに限界のある納豆は無理。だから、納豆が品薄となれば、抵抗力強化を狙い、消費者が買いだめに走っているのではないかと疑った次第だ。
ジャパン・ニュース紙の国内のニュースは読売新聞の翻訳記事が多いが、上記の記事はジャパン・ニュースのスタッフライターの独自ネタだった。納豆は四月上旬で見ると、昨年同時期に比較しても10%から15%増で出荷されているものの、スーパーによっては品薄となっているのだという。
問題はなぜそうなっているのか。一つには一月末に国立がん研究センターが、納豆を食している人はそうでない人よりも比較的に長寿という調査結果を公表したことがあるとか。そしてコロナウイルス。スーパーにトイレットペーパーを買いに走った買い物客がついでに、備えあればとばかりに食品を買い漁ることになり、料理の手間の要らない納豆に目が向いたのではないかという。なるほど、そういう事情があったのか。
記事を書いた記者は首都圏在住だろうから、首都圏のスーパーでは納豆が商品棚から消えつつあるのかもしれない。ここ福岡では納豆が品薄ではないようだ。少なくとも私が利用しているスーパーやコンビニにはいつも通りに納豆が並んでいる。良かった!
◇
緊急事態宣言下のゴールデンウィーク。今年は光り輝くゴールデンではなく、色あせて見える。思えば、例年、この時期には旅にでることがあり、私でさえそれなりに出費を余儀なくされていたが、今年は人生で初めてと思えるローコストの連休を過ごしている。
楽しみは晩酌。平日は禁酒が是だが、連休期間中は神様に許してもらおう。たかだか一合か二合程度の焼酎で満足するのだから、私は安上がりにできている。小市民の楽しみぞ、ここに極まれりか。
退職後、毎日台所に立つようになって久しいが、自慢に思っていたことは包丁で指を切ることがなかったことだ。新聞社勤務の頃はたまに包丁を握り、よく指先を切っていた。二本ある包丁の一つは就職で上京した直後に購入したもの。この包丁を研いだ記憶はない。買い物の途中に包丁を研いでくれる店を見つけた。研いでもらった。2本で530円。40年以上も研いでなかったのだから、包丁も喜んでくれただろう。その晩、台所で切れ味がよくなったかなと包丁の刃先を触っていたら、左手中指をさくっと切ってしまった。痛い!
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