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人に裏切られたことがありますか? 今となっては古典的な本ですが、人を愛したりするって何だろうと心がつまずいた時に、たまたま手にしてしまいました。はっきり言って悲しかった。自分の心と重ね合わせてしまいました。主人公の心はみじめでどうしようもありません。まるで今の自分みたい。本当に好きな気持ちをどうやって人は成就できるのか。かなわない思いを抱えて生きていくしかないかもしれません。これは3人の若者の愛の話です。教授の「私」が回顧する形で描かれていくのですが、なんとも悲しいというのか。一人の女を愛した二人の男たち。主人公の野呂は背が低くてみにくいが、心は優しい。でも彼が愛した女性は彼の親友と結ばれる運命に。やがて親友は事故死して……。人はどうして人を愛してしまうのだろう。そんな単純で人間の根元的なことを考えてしまう本でした。
安定した立場にいるはずの男のトラウマの物語。その理由は戦時中、徴兵拒否して逃げ回ってきたから。現実と過去が交互に物語を紡いでいく手法はさすが。女の存在も絡んで言うに言われぬ世界を醸し出しています。さすがに文壇の大物。過去と現在のつなぎ目がわかりにくいと感じることもありますが、最後まで読まずにはいられない内容です。
死んだばあちゃんが語る東京の下町の一家の物語。おもしろいのだけど、どこかテレビドラマみたいと思うのは僕だけかなあ。文体も弾んでいるし、読みやすい。でもはっきり言ってホームドラマ。人の心理の描き方がさらりとしている。それがどうにもドラマを見ている気にさせてしまうのだ。
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