山本巖ブックレットシリーズ002
「菊と一銭五厘」
山本巖
A5判、並製、88ページ
定価630円(本体600円+税)
ISBN978-4-9980675-3-5 C0095
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著者プロフィール
1941年北九州市門司区生まれ。早稲田大学卒。
1964年西日本新聞社入社。社会部、文化部、都市圏部、北京支局などに勤務。
熊本総局長、文化部長、編集企画委員長、論説委員長などを務める。
著書に『夢野久作の場所』『昭和史を歩く』『三国志の旅』(共著)など
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地獄の戦線を生き延びた兵士たち
彼らにとっての戦後とはなにか
かつて、福岡、佐賀、長崎出身者で編成する「菊部隊」という精強部隊があった。天皇家の紋章である「菊」を冠された栄光の部隊だが、敗色濃いビルマ戦線では、武器も食糧の補給もないままに死線をさまよった。
その地獄の戦線から無事生還したのはほとんど奇跡と言ってよい。彼らは戦後の混乱期も高度成長の時代も、ただ黙って働き続けた。そして戦後30数年たって老境に差し掛かったとき、彼らの胸のうちから堰を切ったように噴出する言葉があった。
「一銭五厘」とは召集令状のはがき代であり、転じて兵士たち自身をいう。その一銭五厘たちがどういう思いでビルマ戦を戦い、戦争を全否定した戦後社会をどう生きてきたか。反戦平和という戦後的イデオロギーでは届きようもない元兵士たちの暗部を探る。