長崎の奥深くへと誘う
ラビリンス長崎へようこそ!
「長崎迷宮旅暦」
下妻みどり
B6判、並製、192ページオールカラー
定価1,680円(本体1,600円+税)
ISBN978-4-902108-83-5 C0026
異国情緒あふれる街、長崎。春夏秋冬、それぞれ魅力的な祭事があり、観光地として何度でも訪れたい街です。鎖国時代も外国に開かれていた窓口として、オランダや中国などとの交流が盛んに行われ、その名残が色濃く残っています。観光客で賑わうスポットから一歩路地に入ると、石畳の坂道や港を望む小径の情景が心を開放してくれます。長崎大好きな、長崎っ子の著者が、とっておきの散策・食べもの情報などをご紹介。長崎に住む人にも、そして、長崎を旅する人にも、長崎のことをもっともっと深く知ってもらう入り口になり、長崎散策が楽しくなる一冊です。
2008年9月下旬全国書店にて発売。
著者プロフィール
下妻みどり (しもつま・みどり)
フリーライター。1970年生まれ。長崎市在住。著書「長崎よりみち散歩」(ながさきプレス刊)
トンビへの道
http://www.geocities.jp/ridomidori/...
中面イメージ
本の紹介コメントなど
カフェ豆ちゃん
リバーサイドししとき☆豆の湯相談所
ensayo(エセー)
lykkelig(リュケリ)
ウシロマエムキpianopaletteーblog 日々の活動日誌、音楽memo
ncmスタッフ取材日誌 なんでんBlog
目次
春
1 桃に守られて
2 タイムマシンでお花見を
3 この葉、なんの葉?
グラバーさんの植物園
4 どんなとこでも、どうにかして ~東山手~
わかった気になんか、なれない ~大浦天主堂~
5 「ここ」に「これ」があるということ ~出島~
6 ハタと空と春だけの日 ~ハタあげ~
7 広い景色が似合う人 ~坂本龍馬~
8 大亀が眠る森で ~伊良林あたり~
9 異国ではない情緒
old Japan in Nagasaki
10 支店文化を賑わす味 ~卓袱料理~
花街の気丈
princess at home
11 彼女の実家
12 あとの1年は仮の姿 ~帆船まつり~
13 いつかの海岸線
imagine origin!
14 「長崎さん」が歩いたころは ~桜馬場あたり~
15 愛したぶんだけ、愛されて ~シーボルト宅跡~
16 toppesakiの今むかし ~ナンカミサキ~
17 土地の昔は、息をしている ~浜の町から小島あたり~
18 梅雨の彩りと実り
Viva! Biwa!
19 長崎の隠し球 ~茂木~
コーヒーでひとやすみ
マジカル・ニュートラル ~Cafe平井~
手探りの走り ~カフェ・豆ちゃん~
香れば、そこが ~珈琲人町~
夏
1 野性の波しぶき ~ペーロン~
2 働き者の弟たち ~稲佐あたり~
3 東洋一の思い出 ~水族館~
あの世まじりの夏
4 美しいものなんてひとつもないのに ~原爆~
5 幾重にも迫りくるもの ~浦上天主堂~
6 もうひとつのグラウンドゼロ ~二十六聖人~
7 視点が変わる町
8 楽しいお盆
9 列の中、船の上 ~精霊流し~
10 あの匂いと、かならず降る雨 ~中国盆~
11 日々のたまもの ~夜景~
そろそろ、そわそわ
おいしくてしあわせ
いつしか中華といえば ~中国家庭料理 紅灯記~
長崎の、実に長崎の! ~長崎洋和食 のだ屋~
やさしき灯台 ~セラー・ランプライター~
秋
庭見せの夜に、逢いましょう
1 ゴージャスな前夜祭のなりたち ~長崎くんち 庭見せ~
2 あなどれなくなるアドレナリン ~長崎くんち~
3 おすわさんの酸素 ~諏訪神社~
4 青空、青竹、白狐 ~竹ン芸~
5 昭和とアジア
6 内臓エリアよ永遠に ~銅座~
7 中央橋は、どこにある?
8 哀しき溝の川 ~中島川~
9 国宝級のスローストリート ~中通り~
10 市場でもっと遊びたい
11 秋に紅さす小さな魚
12 たまには縛りを抜けだして ~浜口あたり~
家でも おいしくてしあわせ
さぞ魚も幸せだろう ~新大工 魚和~
よろずこだわりマス ~諏訪の杜 たけやま~
ひそやかなる過激 ~ノスドール~
冬
1 謹賀新年ピクニック ~七高山めぐり~
2 雪で憶える
3 新しい春は満ちて ~ランタンフェスティバル~
4 海をつなぐ女神
唐風散歩 ~館内・唐人屋敷跡~
5 極彩色の遺伝子 ~崇福寺~
6 たゆまぬ静けさ ~興福寺~
7 ちゃんぽんがせつなかったころ
8 キングオブ・ナンバー2の自由
9 525円の中国 ~孔子廟~
10 チャイナタウンの、中華街
あとがき
「ちょっと、みどりさん? わたくし、長崎だけどね」

カナ wrote:
この本を読むと、きっと、長崎のことがちっともわからなくなると思います。なぜ「長崎の夜はむらさき」なのか、なぜ長崎人は墓参りの時に親類一同が墓場で酒盛りするのか、まぜ銅座んにきは旧香港以上にアジアなのか。謎は深まるばかり。まさに迷宮ですね。
ところで仏文学者の内田樹によると、「わかった」は、愛の終わりを表すとのこと。「あなたのこと、ようくわかった」は、代表的な別れの台詞。逆に愛の始まりは、「あなたのこと、もっと知りたい」。とすると、長崎への愛を点火させる、それが、長崎が選びし平成の(でも昭和の匂いも濃厚な)語り部・下妻みどりさんがこの本で行われたことでしょうか。
長崎を知るひとは、(旧)長崎水族館の「ひんやりとして水っぽく、生臭いような臭い」や「家族と一緒だったはずなのに、長いこと一人で過ごしていたような気がする」記憶がありありと蘇り、心の、チャンポン臭の立ち上るあたり、ラードで炒められたペラペラのカマボコの安い紅色のあたりが、きゅんと疼くに違いありません。
また長崎を知らないひとは、実は「みんなパクリ」の「くんち」への尋常じゃない情熱や、中通りの「本田のこんぶ」のパッケージに佇むワカメちゃんあるいはコンブちゃんのイラスト、あるいは長崎と鹿児島、沖縄、台湾、香港、マカオ…をつなぐ「媽祖ネット」に唖然とし、そして、そんな「とっぺさき」が仮にも多少知っているつもりの日本本土の西端に実在するという事実に、居ても立ってもいられなくなるのではないでしょうか。
長崎という生きた土地がさまざまな場所でぽわり、ぷかりと放つ小さな囁きに耳を澄まし、細心の注意と愛情とともに、記録する。そんな長崎の日々の泡は、時に、下妻みどりさんという慧眼を得て、幕末を、昭和を、あるいは東シナ海の対岸を見通す遠眼鏡になります。そのお仕事は、思わず民俗学者・宮本常一のそれと重ねたくなります。著者には本当に、シーボルトや龍馬から、8月9日に彼岸へと旅立った「お父さんのお姉ちゃんだった子」まで、「いつか会う人」たちの声が聞こえているのではないでしょうか。
長文、失礼いたしました。