本は人生の佳き伴走者

本の瓶詰

「本の瓶詰」
樋口伸子

四六判並製、320ページ
定価:本体1,800円+税
ISBN978-4-86385-252-5 C0095

装丁・写真・カット 毛利一枝

本というアナザー・ワールドを旅する
「ただの本好き」が綴った一人読書の記。

「初めはなじみ難い友も、すぐに気が合う友も、かけがえのない宝となる友もいるように、本と友だちは何と似通っていることか。邂逅、信頼、再会。あるいは期待外れ、裏切り、おまけに見栄という背伸びまである――」(あとがきより)

45年余りにわたり本の世界を旅し、書評を綴ってきた著者による、読書の醍醐味をたっぷりどうぞ。

2017年3月上旬全国書店にて発売。

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著者略歴

樋口伸子(ひぐち・のぶこ)
1942年、熊本県人吉市生まれ。福岡県福岡市在住。
西南学院大学中退後、早稲田大学第二文学部卒業。
詩集に『夢の肖像』『図書館日誌』『あかるい天気予報』(第9回日本詩人クラブ新人賞・福岡市文学賞)『ノヴァ・スコテイァ』など。2011年福岡市文化賞。
2003~2012年、読売新聞西部版で詩・時評を担当。
西日本新聞ほかに書評、エッセイ、コラムを執筆。

目次

Ⅰ エッセイ 本と人と
 音楽家は魔術師
 森崎和江さんのこと いのちのうねり
 時間のなごみとなつかしさ はゆか・まさのりの世界
 物語を読む歓び 甲斐大策の世界
 4F時代の女探偵たち
 神話化された文学者の実像 『中勘助の恋』を読む
 『マウス』の文学的波紋 コミックの限界を超える
 もう一つの闘争 堤玲子の世界
  1 生い立ちの恥を暴く
  2 血縁の戦
  3 美しいはらわた
  4 孤独道連れに
  5 ふるさとの空澄んでますか 
 別役劇百本と〝噂の専門店〟
 画集「夢人館シリーズ」 ようこそ月夜の美術館へ
 装幀家・毛利一枝の世界 本の魅力を引き出す力
 はじめての博多案内 『阿部謹也著作集』によせて
 今あえて、蟇左衛門 詩人・井上岩夫の「小説集」
 引きこもりたい時、本の中の人と会う
 漂泊の文学者 岡田徳次郎
 杉浦日向子の江戸漫画を追って
 「星の王子さま」ふたたび 記憶の底から
 屋根の上から始まった読書
 読みかけの大作『ドン・キホーテ』ミゲル・デ・セルバンテス
 わが〝読書漂流記〟 本の森でお転婆になろう
 異端のピンク・ドラゴン 阿賀猥の前半期作品を中心に
 
Ⅱ 書評・国内編
 人々の顔や気持が見える歴史学 『ヨーロッパを読む』阿部謹也
 語り手の半生記読む思い 『球磨川物語』前山光則
 かたりの宇宙 『夜のヴィーナス』村田喜代子
 衝撃新た…時代の証言 『桑原史成写真全集3 筑豊/沖縄』桑原史成
 米国詩人のことばの旅 『日本語ぽこりぽこり』アーサー・ビナード
 歩く速さはいろいろに 『元治元年のサーカス 街道茶屋百年ばなし三部作』岩崎京子
 木は鉄よりも強し… 『宮大工棟梁・西岡常一「口伝」の重み』西岡常一
 日本語の乱れを嘆く前に 『愉快な日本語講座』添田建治郎
 捨て身と浮き身の間に 『二人乗り』平田俊子
 戦後詩壇とは無縁の場で 『放浪と土と文学と高木護/松永伍一/谷川雁』澤宮優
 いく通りも美味しい読み 『お狂言師歌吉うきよ暦』杉本章子
 負に負を重ねた気概の小説 『どうで死ぬ身の一踊り』西村賢太
 もう一つの「うた」の流れ 『古代歌謡と南島歌謡――歌の源泉を求めて』谷川健一
 東京からトウキョウへ 『40年前の東京』春日昌昭・写真 佐藤嘉尚・文
 既視感の中のなさけなさ 『バレンタイン』柴田元幸
 イソノ家に見る庶民論 『サザエさんの〈昭和〉』鶴見俊輔・齋藤慎爾編
 「よろしく」と「どうする」の間で 『夜露死苦現代詩』都築響一
 異界ともつながるしぐさ 『しぐさの民俗学』常光徹
 勝ち馬に乗れない男たち 『愛と癒しと殺人に欠けた小説集』伊井直行
 記憶補い合い「暮らし」再現 『大江戸座談会』竹内誠監修
 「世間」の中で「個」を生きる 『近代化と世間 私が見たヨーロッパと日本』阿部謹也
 人生の滋味に包まれて 『東西食卓異聞』高橋哲雄
 夢族が出入りする絵と詩 『夜の小さな標』小柳玲子
 プロレタリア詩を超えて 『内田博 詩と人生』阿部圭司
 隣りあう反骨と優しさ 『生きているかぎり 私の履歴書』新藤兼人
 金持ちよ大志を抱け! 『佐藤慶太郎伝―東京府美術館を建てた石炭の神様』斉藤泰嘉
 虫けらと侮るなかれ 『害虫の誕生―虫からみた日本史』瀬戸口明久
 どんな動物も文学の友 『うたの動物記』小池光
 描く悦びに溢れた老絵師の肉声 『ヤマの記憶―山本作兵衛 聞き書き』西日本新聞社編
 夢採集に流れる慕わしさ 詩集『時間の矢 夢百八夜』田村のり子
 シャイな遅咲きの詩人 『嵯峨信之全詩集』嵯峨信之
 「世間」なんて怖くない 『ほんとのこと言えば? 佐野洋子対談集』佐野洋子
 島魂のうめき 『ワイドー沖縄』与那覇幹夫
 変幻する水の誘惑 『イバラ交』浦歌無子
 新しい女たちと飛行機 『お嬢さん、空を飛ぶ』松村由利子
 柔らかい空気 『一〇一年目の孤独 希望の場所を求めて』高橋源一郎
 口ごもる怒りの誠実さ 『アノヒカラ・ジェネレーション 東日本大震災と東北の若者』笠原伊織
 生類のえにしに添う 『祖さまの草の邑』石牟礼道子
 春風駘蕩気骨之苦言 『老骨の悠々閑々』半藤一利
 表現の自由を護る 『戯れ言の自由』平田俊子
 二宮金次郎に連なる大物たち 『幕末明治 異能の日本人』出久根達郎
 こんな日本に誰がした 『B面昭和史 1926~1945』半藤一利
 女性アナキストの真実 『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』栗原康
 ブン屋魂と戦後民主主義 『昭和の子』三原浩良
 無為のゆかしさと自由 『緑の色鉛筆』串田孫一
 樹を巡る壮大な叙事詩 『人の樹』村田喜代子
 ホイットマンからディランを経て 『幼年の色、人生の色』長田弘
  
Ⅲ 書評・海外編
 少年が見た移民の物語 『ナターシャ』ディヴィッド・ベズモーズギス
 パスタとお洒落の他にも 『イタリア的―「南」の魅力』ファビオ・ランベッリ
 ブはブラッドベリのブ 『さよなら、コンスタンス』レイ・ブラッドベリ
 書くことのカタログとして 『ほとんど記憶のない女』リディア・デイヴィス
 その年、中国に何が起きたか 『温故一九四二』劉震雲
 ミステリー手法での新境地 『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ
 百年の性の快楽と純愛 『わが悲しき娼婦たちの思い出』G・ガルシア=マルケス
 ことばの生命力と冒険 『息のブランコ』ヘルタ・ミュラー
 運命には翻弄されても 『ばかものギンぺルと10の物語』アイザック・B・シンガー
 幼年時代こそふるさと 『庭園の五人の子どもたち』シモーヌ・ド・サン=テグジュペリ
 華麗でみじめ 男の哀歓 『リヴァ・ベラ』パトリス・ルコント
 百科全書でもある自伝 『ブラッドベリ、自作を語る』レイ・ブラッドベリ、サム・ウェラー
 奥深いイタリアの陰影 『カオス。シチリア物語』ルイジ・ピランデッロ
 名シェフたちのアラカルト 『天使エスメラルダ 9つの物語』ドン・デリーロ
 生と死の世界を往来し 『私のいた場所』リュドミラ・ペトルシェフスカヤ
 イスラムに生きる女性 『幸せの残像』パリヌッシュ・サニイ
 故国喪失者の内なる壁 『愛と障害』アレクサンダル・ヘモン
 骨がきしむほどの愛の詩 詩集『牢屋の鼠』劉暁波
 虚無と快楽が反転して 『ランサローテ島』ミシェル・ウエルベック
 アンチヒーローの文学遺産 『黄泉の河にて』ピーター・マシーセン
 非凡で静かな男の一生 『ストーナー』ジョン・ウィリアムズ
 半生を育んだ幸と不幸 『潟湖』ジャネット・フレイム
 現実透視の奇妙な魅力 『元気で大きいアメリカの赤ちゃん』ジュディ・バドニッツ
 ケルトの薄明と精霊たち 『赤毛のハンラハンと葦間の風』W・B・イェイツ
 一度は子供だった人へ『子供時代』リュドミラ・ウリツカヤ著 ウラジーミル・リュバロフ絵
 ドイツ初の文芸ミステリー 『希望のかたわれ』メヒティルト・ボルマン
 国と言葉を選び直すと 『べつの言葉で』ジュンパ・ラヒリ
 封印した過去への巡礼 『迷子たちの街』パトリック・モディアノ
 毒あるユーモアと意外性 『けだものと超けだもの』サキ
 日常とずれる旅先の心理 『異国の出来事』ウィリアム・トレヴァー

コラム
 対談の妙味
 ハカタ・猫町
 本をめぐる出会い
 現代の相聞歌
 スペインの固ゆで卵
 本のゆくえ
 ラテン・アメリカの熱き語り部
 思いがけぬ再会
 偉大なる悪ガキ・カポーティの宝
 拝啓 ヴェンダーズ様
 地球煉獄編
 書物のゆくえ
 図書設計
 食欲の記録
 とろくらかん
 河童を生きる町誌
 喫茶店文化
 銀行員の詩集
 「松原五人衆」の絵本
 モノ語り詩集
 町に恋して
 最初の授業
 金で買えない喜び
 沈黙のためのことば
 漫画が描く読者の喜び
 原作・漫画・映画
 天に宝を積む人
 これもニュー・マンガ
 降りて降りずの人生指南
 五月病にはやさしい毒を
 SF作家の超絶書評集
 タイトルにひかれて
 源太さん 星になる?
 〈愚行権〉と憲法
 三骨
 禁じられない青春
 紙葉の反詩集
 詩人の「饗音遊戯」
 ABBECEDARIO
 コオリ・トラヒコという作家
 新鋭短歌のつむじ風
 水音楽の詩人
 翻訳ということ
 市井の大人の詩集
 幻の探偵作家を追って
 賞のあとさき
 オンデマンド出版
 野枝に火と水の鎮魂詩を
 身を削って残された詩

あとがき