絵本のように大人の心に響く物語

うさと私

「うさと私」
高原英理

四六判並製、144ページ
定価:本体1,300円+税
ISBN978-4-86385-232-7 C0093

装幀・装画 宮島亜紀

「地味な兎ですが、ずっとつきあってください」

誕生日にもらったポストカードにはこう書かれていた。
私は決意した。
半月後、兎は私の右側に座っている。

「うさと私」の懐の深い日々の会話が、沈みがちな心にやさしい風を送ってくれる。まるで絵本のように大人の心に響く「うさと私」の物語。

2016年8月下旬全国書店にて発売。

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著者略歴

高原英理(たかはら・えいり)
1959年、三重県生まれ。小説家、文芸評論家。立教大学文学部卒業。東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程修了(価値システム専攻)。1985年、小説「少女のための鏖殺作法」で幻想文学新人賞受賞(選考委員は澁澤龍彦・中井英夫)。1996年、三島由紀夫と江戸川乱歩を論じた評論「語りの事故現場」で群像新人文学賞評論部門優秀作を受賞。著書に『不機嫌な姫とブルックナー団』『ゴシックハート』(講談社)、『ゴシックスピリット』(朝日新聞社)、『叙情的恐怖論』(毎日新聞社)、編著に『リテラリーゴシック・イン・ジャパン 文学的ゴシック作品選』『ファイン/キュート 素敵かわいい作品選』(ちくま文庫)など。

本文より

「いるだけうさぎ」

 うさが悲しそうにいう「うさ、役に立たないね、ちっともみきのこと助けてないね、いるだけだね」
 私がいう「うさ、あんまり役に立つことばっかりやってると、役に立つことがうさの一番大事なところになるよ、いるだけだといるだけがうさの大事なところ」
「そうか、いるだけうさぎ」
「そう、いるだけうさぎ」