第六詩集

臭皮袋の私

「詩集 臭皮袋の私」
清沢桂太郎

A5判上製、104ページ 
定価:本体2,000円+税
ISBN978-4-86385-214-3 C0092

装幀 宮島亜紀
装画 佐藤ゆかり「時の花たち」

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著者プロフィール

清沢 桂太郎(きよさわ・けいたろう)
1941年 千葉県市川市に生まれる
1961年 大阪大学理学部生物学科入学
1967年 大阪大学大学院理学研究科修士課程生理コース終了
1969年 大阪大学大学院理学研究科博士課程生理コース中退、理学博士
      植物細胞生理学・生物物理化学・溶液化学を研究 
所属  「PO」の会・関西詩人協会・日本詩人クラブ
     
既刊詩集 第一詩集『シリウスよりも』 (2012年 竹林館)
     第二詩集『泥に咲く花』 (2013年 竹林館)
     第三詩集『大阪のおじいちゃん』 (2014年 竹林館)    
     第四詩集『ある民主主義的な研究室の中で』 (2014年 竹林館)
     第五詩集『風に散る花』 (2015年 竹林館)
     第七詩集『宇宙の片隅から』 (2016年 書肆侃侃房)

もくじ

プロローグ 神田好能さんへ

蜘蛛の糸
花が咲いている
触れる
星は
助手の論文は残った
八月十五日
エキストラの一人
とかくこの世は住みにくい
孫もいつか
同級生の死に
若いころ出会った言葉
臭皮袋の私
アサギマダラ
「君の名は」
ノーベル賞がとれなくても
ホジキン・ハックスレイの理論の中のマックスウエルの悪魔と、
タサキとそのグループの新しい発見
マックスウエルの悪魔
そしてカナブンのように
今は死なない

エピローグ 道に咲く花

あとがき

臭皮袋の私

風呂に入る
石鹼で洗った後でも
指でこすると
沢山の垢が出てくる

体の皮膚は
死にながら 新しい細胞を作り
新しい細胞を作りながら
死んでいるのだ

それで
私という形を保っている
袋としての私を形作っている

私は毎日
朝ごはんと昼ごはんと夕ごはんを食べ
お茶かコーヒーを飲み牛乳を飲み水を飲み
一時間か二時間に一回オシッコをし
一日に一回か二、三回ウンチをする
しょっちゅう体の表面に汗もかく

カロリーと栄養のある
塩分・ミネラルを含んだ物を
食べたり飲んだりして
それらを消化吸収し
それよりカロリーと栄養の少ない物や
老廃物や塩分・ミネラルを
ウンチとしオシッコとし汗として
体の外に出している

食事の食べ物とウンチとオシッコの
カロリーと栄養と老廃物の差と
摂取した水分と塩分・ミネラルと
オシッコと汗の水分と塩分・ミネラルの
バランスで生きている私

生きながら死んでいる私
それでも生きている私

不思議な臭皮袋の私

これらの働きが 
老化や病気で
不調になったり止まったりすれば
個体としての私の体は死に
特別な処理をしない限り
腐敗し形は崩れ白骨となる

生と死
不思議なバランスで
生きている私の臭皮袋の体