第三詩集

詩集 青銅の馬

「詩集 青銅の馬」
船田 崇

四六判、並製、128ページ 
定価:本体2,000円+税
ISBN978-4-86385-149-8 C0092

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著者プロフィール

船田 崇(ふなだ・たかし)
1966年北九州市生まれ。新聞社に勤務。
詩集『空が最も青くなる時間』(書肆侃侃房・2010年)
詩集『旅するペンギン』(書肆侃侃房・2012年)
「侃侃」同人。
日本現代詩人会会員。

もくじ

 Ⅰ

半月
汀のカフェで
家出
崩壊
日課
こびと
授業

 Ⅱ

うわの空
船がみた夢
液体
埠頭
堤防の上
冬の朝

円周

 Ⅲ

記念日
角を曲がると
列車の窓
ある日の戦い
朝のブルー
青銅の馬
紙ひこうき
朝の儀礼
会話

鬱金にきく
                                 

青銅の馬

午後8時の日比谷通り
メタリックな夜
東京の胸郭にぱっくりと
傷口が開いて
そこから
紅蓮の炎が見えている

人は縁石に
縁石は節足動物に
節足動物は地下鉄に
進化しようとしていた
株価のように乱高下する
陽気な音楽に包まれて
女は今夜も
ガラスの布団で眠るだろう

遠くから響くクラクションは
流星になってワイシャツを引き裂く
昨日と明日へ
僕はまた切り分けられる
後ろの闇から
行く手の闇に架かる
ノイズで塗り固められた鋼鉄の吊り橋
その下で
巨大な船影が
夢の暗渠へ沈んでいく

季節は
春から夏へ
その淫らな姿態を傾けていく
この街を彷徨う死語たちの
金切り声が神経に障ると
僕は女を抱きたくなる
でも抱いたなら
僕も女もただのポリ袋になって
欲望は溢れ出し
神田橋交差点に散乱するだろう

夜は深く
街道は永遠に伸び
路上には今日を過ぎ去る風
零度の月光を浴び
青銅の馬が震えている

関連書籍

「詩集 旅するペンギン」
「詩集 空が最も青くなる時間」