私、まだ人生の取り分は残されているのだろうか

「幸せの残像 THE BOOK OF FATE」

知られざるイスラムの世界
世界が涙する愛と哀しみの物語

Woman's Best
「幸せの残像」
THE BOOK OF FATE
パリヌッシュ・サニイ著  那須省一訳

四六、並製、656ページ
定価:本体2,500円+税
ISBN978-4-86385-122-1 C0097

2回発禁処分を受けたにもかかわらず、発売を続け、すでに20刷、20万部を超える、イラン最大のベストセラー作品。ついに、完全日本語訳完成。1979年のイスラム革命、イスラム共和国の誕生を経て、激動の半世紀を生きるイラン女性の友情と恋愛、恐れと希望の物語が、読む人の心を鋭くとらえる。

イタリアのジョバンニ・ボッカチオ賞受賞
「あなたの世界観が広がる。心行くまで味わうべき書」(アイリッシュ・タイムズ紙)
「傑作。法の裁きで論理的に公然と発禁処分とするのは不可能」(イランの雑誌ブハラ)

2013年9月中旬全国書店にて発売。

Woman's Bestとは、フィクション・ノンフィクション問わず、世界中の女性の生きかたについて書かれた書籍を翻訳出版していく書肆侃侃房の新シリーズです。

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著者プロフィール

パリヌッシュ・サニイ Parinoush Saniee
1949年テヘラン生まれ。大学で心理学を専攻した社会学者。技術・職業訓練教育省の機関で研究調査部門に勤務した経験を持つ。処女作がこの『幸せの残像』(原書SAHME-MAN、ペルシア語タイトルの英訳は“My Share”)。第二作は“The Father of the Other One”(ペルシア語の英訳)。第三作以降の作品は政府検閲の結果待ち。

訳者プロフィール

那須省一 Shoichi Nasu
1954年宮崎県生まれ。宮崎大学卒業。元読売新聞社英字新聞部編集長。著書にマーク・トウェインの小説の翻訳『二人の運命は二度変わる』や、名作の舞台を訪ね歩いた『アメリカ文学紀行』『イギリス文学紀行』など。(いずれも書肆侃侃房刊)

あらすじ

 1979年のイスラム革命が起きる前のイラン・テヘラン。16歳の少女マスーメは学ぶことが好きで、学校教育を続け、中等学校(高校)の修了証を手にすることを夢見る普通の少女だった。ある日、親友と下校途中、薬屋で働く大学生の若者と出会ったその瞬間に恋に落ちる。成績優秀で父親の寵愛を一身に受ける妹に嫉妬する兄のアフマドはマスーメのカバンの中から二人の恋文を見つける。一家の名誉は地に落ちたとアフマドは妹に暴行し、相手の大学生を暴力と暴言で、町から追い出す。狼狽した両親は娘が会ったこともない男に急いで嫁がせる。教育の機会を奪われ、愛のない結婚を強いられたマスーメ。生きる望みを絶たれたかのように絶望の日々を送る彼女に隣家の夫人はささやく。「私たちは皆運命が定められているの。誰もそれにはあらがえないものなのよ」
 結婚後、イランは奇しくも政治・社会変革の激動の時代に突入する。マスーメが嫁いだ相手は反体制派の活動家。彼女の教育への思いには理解を示したものの、彼の関心は家庭生活にはなく、王政を武力で打倒することにあった。ある夜、秘密警察が夫を逮捕しようとマスーメの住居にやって来る。それは、彼女の長い苦難の日々の幕開けだった。彼女の運命はそれまでも家族のしがらみ、しきたりで操られてきていたのだが、さらに国の政治、社会を見舞う荒波に翻弄されていく。あらゆる苦難を乗り越え、三人の子どもを育て、ほっと一息つこうとしたまさにその時、再びあの初恋の人が姿を現す。
 波乱に満ちたマスーメの未来に一瞬の光が差したかに見えたのだが……。
イスラム革命の前から現在に至るまで、激動の半世紀を背景に、友情、愛、恐れ、希望を描いた力強くも切ない物語だ。

 イランで20万部を超え、その勢いは止まらない。イラン史上類をみないほどのイラン最大のベストセラー小説。その後、多くの言語に訳され、たくさんの国で読まれている。

関連書籍

『Woman's Bestジェシカ16歳 夢が私に勇気をくれた True Spirit』
『二人の運命は二度変わる Pudd'nhead Wilson』