ADHD当事者が書いた、ADHD克服法を伝授!

ポジティブADHD

ADHDの当事者『あーさ』が、
その特徴と克服法を分かりやすくマンガで解説!
当事者やその家族、学校の先生はもちろん、
コミュニケーションで悩んでいる人、
ポジティブな生き方を望む人にもオススメ

「めざせ!ポジティブADHD」
ギャグマンガで読み解く基礎知識&克服法
著者:あーさ
監修:久留米大学小児科准教授 山下裕史朗
   九州看護福祉大学助教 水間宗幸

A5判変形、並製、268ページ 4刷
定価:本体2,000円+税
ISBN978-4-902108-53-8 C2049

ADHDとは「注意欠陥多動性障害」のこと。著者のあーさは、そのことに大人になって気づき、それまでの自分の違和感に納得。自分のことを知ろうと、何冊も本を読むが、「むずかしい」「わかりにくい」「読むと落ち込む」。そんなADHD界に一石を投じようと、ホームページを開設。文章を読むのが苦手な人の多いADHDの人のため、得意とするギャグマンガで解説することを思いつく。今回、出版にあたり、全ページ書き下ろした。とにかくこの本、従来のADHDの本とは正反対!主人公の「あーさ」とその相棒「あかし」…この二人が織り成すギャグによって進められていく解説は、「おもしろい」「わかりやすい」「元気が出る」。当事者ならではの実用的な改善策の数々は、ADHDの人のみならず、非ADHDの人にも必見!本いっぱいにポジティブ思考のオンパレードです。

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著者プロフィール

あーさ
小学校に入った頃から漫画を描いてばかりの人生。小学生の頃、坪田愛華さんの『地球の秘密』という、環境問題をテーマにした漫画に影響され「いつか私も世のため人のためになるような漫画を描くんや!」と意気込む。21歳の時、自分がADHDであることを知る。自分自身のことを知ろうとADHDについて猛勉強。「もっと早く知っていれば…」との思いから、平成15年に「漫画で解説『フロンティア★ADHD』」のホームページを立ち上げる。順調にアクセスを伸ばし、好評を博す。「読む前と後とで、世界が違って見えるような漫画」を描くことが目標。

漫画で解説『フロンティア★ADHD』
http://homepage2.nifty.com/ryantairan/

ADHDの基本的な特徴

・ちょっとしたことで注意が逸れやすい
・整理能力が低い
・計画性がない
・時間を守れない
・衝動的
・感情的
・自分をコントロールするのが苦手
・常に体や気持ちが落ち着かない

以上のことが、7歳以前からあり、2つ以上の状況にあてはまり、生活に支障が出ている

中面イメージ



掲載情報

NHK教育テレビ「きらっといきる」(2010/2/19(金)放送)の「こうすれば大丈夫!ADHD」に、著者のあーさーさんが登場しました。本の紹介もでました。
西日本新聞2008/12/3(水)夕刊に韓国版発売の記事が掲載されました。
・「めざせ!ポジティブADHD」の韓国版「わいわい!ADHD研究クラブ」(2008/11/24発行)が教育地帯より出版されました。

目次

プロローグ
この本を楽しむための補足

第一章 基礎知識編
ADHDってどんな障害?
ADHDってなにが原因?
どうして前頭葉が働かないの?
ADHDの有名人
ADHDの嬉しい長所
ADHDが陥りやすい二次障害
ADHDに向いてる仕事
ADHDの悲しみ
アンケート企画(1)ADHDの人に聞きました
 『過去に言われて嫌だった言葉』
ADHDによく似た障害

第二章 診察編
クリニックへ行く前に
診察を受けに行こう
教えて!上田先生
リタリンってどんな薬?
上田先生の患者さんとの出会い
ADHD少年の悩み
くまぷー先生の一言(親御さんへ)
ADHD少年へのサポート
くまぷー先生の一言(学校の先生へ)
くまぷー先生の一言(病院へ)
そして新たな旅立ちへ
サポートの心得

第三章 改善策編
これが改善策だ!
ADHD改善の3つの心得
先延ばしの改善
礼儀礼節
アイテムを利用しよう
睡魔対策
前向きになるために
成功経験を脳に刷り込む
時間を守るには?
腹式呼吸で心と体を丈夫にしよう
心と体を丈夫にしよう 〜パート2〜
仕事のできる人間になろう
部屋が整理できた
こんなADHDもアリ?
アンケート企画(2)ADHDの人に聞きました
 『ADHDを乗り越えるのに必要なことは?』
情報を集めよう
自助グループ〜出会い編〜
自助グループ〜結婚話編〜
自助グループ〜しゃべり場編〜
ADHDのおもしろ体験談
コミュニケーションについてちょっと一言
改善策を編み出すコツ

エピローグ
ADHDの人がADHDの人を応援するメッセージ集
ADHDの解説

あとがき

久留米大学小児科准教授 山下 裕史朗
 この漫画の作者「あーささん」と私の出会いは、2年前「ADHD成人当事者の知人が、ADHDの漫画をホームページに公開しているのだけど、医学的監修をしてもらえないだろうか」という相談を九州のADHD成人当事者自助グループの知人からメールで受けたことに始まります。早速、そのホームページ「ADHDを漫画で解説するサイト:フロンティア☆ADHD」(http:// homepage2.nifty.com/ryantairan/ )を見てみました。漫画がとてもユニークで、ぐいぐい引き込まれました。作者のADHDパワーが漫画からあふれ出ています。何よりも「前向きな姿勢」に感銘を受けました。比較的深刻な問題にも、笑い飛ばして克服しようという「超ポジティブ思考」です。ADHD当事者だからこそ語れる悩みやすばらしい工夫・アイデアのオンパレード。漫画の過激なタッチから、最初、作者は男性なのかなと思ったのですが、女性でした!
 どういういきさつで出版の話になったのか、今となってはよく覚えていません(ADHD人間の習性として)が、ADHD当事者の立場から、漫画でADHDを解説した本は世界的にもまだないようなので、出版してはどうだろうかという軽い乗りがスタートだったように思います。あーささんのサイトを、ADHDの子どもを診療しているアメリカの小児科開業医(奥様が日本人)に見てもらったコメント「まるでNaruto meets Pockemon(ナルトとポケモン合体したような)漫画。アメリカのADHDの子どもにも読ませたい」というものでした。世界初であればぜひやりましょうという話に。出版するとしたらお互い顔をあわせないと話が進まないのでと福岡の出版社(書肆侃侃房)であーささんと、もう一人の監修者である九州看護福祉大学の水間先生(教育専門家の立場から監修、「漫画おたく」であることも判明)と三人で初めて顔をあわせることになりました。あーささんは、想像していたよりも、お若く、きれいな女性でした(失礼!)。漫画そのもの、とてもポジティブ思考のチャーミングな女性でした。ADHDの可能性があるけど受診をためらっているお子さん、親御さんが読んでも役立つような内容の漫画にしたいということで、あーささんは、病院も訪問され、ADHDで悩みを抱える親子へのインタビューもされました。その親子は、あーささんの生き生きした姿に「成人ADHDの良いモデルを見た。勇気づけられた」と後日語っていらっしゃいました。
 ピーター・ジェンセンというアメリカのADHD研究の第一人者が、『Making the system work for your child with ADHD』(ギルフォード出版社、2004年発刊)という本を執筆されています。児童精神科教授であり、ADHDの世界的権威であるジェンセン先生ですら、ADHDをもつ息子さんの治療には大変苦労したと記されています。医学書にはADHDのことが詳しく記載されていますが、いざ自分の子どもの治療となると専門医でも具体的方法が分からなかったというのです。行動療法で挫折する、学校が理解してくれない、学校とうまく連携できないなど、治療が軌道に乗るまでには長い道のりがあります。ジェンセン先生の執筆された本には、医学書には書かれていないこと、すなわちADHDの子どもをもつ多くの親御さんから語られた工夫の数々が紹介されています。あーささんの書かれた漫画にも、医学書には書かれていないADHDをもつ成人当事者やADHDの子どもをもつ親御さんの経験から出た工夫やアイデアがちりばめてあります。読者は、そこから学ぶことがたくさんあると思います。
 ADHDの子どもをもつ親御さん、成人の当事者の方の中には、何事にも悲観的になって、うつ状態に陥る方がいらっしゃいます。アメリカの心理学者、ブラウン博士は、これをANTS(Automatic negative thoughts:湧き上がるネガティブ思考)と呼んでいます。そうではなくて、ポジティブ思考に変えていかなければいけません。ANTSは、英語で「蟻(あり)」のことですが、「あり食い」のように「あり」を食べて(克服して)やろうと語っています。
 あーささんの漫画を読んで、元気をもらって、あなたのANTSを退治していただければ幸いです。

あとがき

九州看護福祉大学助教 水間 宗幸
 私がLD(学習障害)とよばれる子どもと最初に関ったのが1991年。LDと言えば、「レーザーディスク」と言われる時代でした。ADHDの子どもと最初に関ったのは1995年。一般的な概念も未整理で、とにかく子どもたちと関って、その中から子どもを理解しようとしていました。そして1996年、愛知県にある無認可の高校「学習障害児のための高校 見晴台学園」で「第1回全国LD実践研究集会」が開かれました。この研究集会では、見晴台学園の学生が「卒業論文」を堂々と発表する姿が見られました。この時、学園のスタッフのある方に、「近い将来、彼らが当事者として声を上げる日が必ず来るよね」と話しかけたのを覚えています。
 それから約10年、時代は変わり、当事者が当事者として活動をはじめ、インターネット上では様々な情報が得られやすくなり、自助グループも増えてきています。
 そんな中で、ADHDの自助グループのメンバーの方からメールをいただきました。内容はあーささんのホームページに掲載されてあるADHDマンガを、研究者の立場から情報が正しいかチェックをして欲しいとのことでした。医学的な立場からのチェックも必要だろうと思い、久留米大学の山下先生に連絡を取りました。実はその前にあーささんのサイトをチェックしていて、「おお、自助グループといい当事者といい、時代はここまで来たなあ」と思ったことを覚えています。10年前の予言が、見事に当たった瞬間でした。
 このマンガの出版に際して、確認事項がありました。それは、基本的にギャグマンガであり、読後感がブルーになるのではなく、ハッピーになるものにするということです。これは、実はとても大切なことでした。「専門書」とよばれるものは小難しく、時として問題点ばかりが書かれることも多くなってしまいます。このことは、当事者にすればあまり面白いものではないからです。あーささんはこれに対し、問題点を踏み越えながら「いかに生活の中でより良く暮らしていけるか」に焦点をあて、いわば「ADHDのためのサバイバル書」にしたいという意向でした。そして、そのテイストは、失われることなく仕上がっていると思います。
 ところで、本書はとてもユニークです。当事者が書いたADHDサバイバル・ギャグマンガというだけでなく、実はADHD体感マンガでもあるのです。
 マンガという表現形態は、非常に独特な文化を持つ、総合的な表現手段の一つです。そのもっとも特徴的なものの一つに、「」があります。1コマの情報量と、そこに表現された時間量、次のコマまでの間、そしてその間の中に存在する瞬発力。この間は作家により異なります。例えば、手塚治虫氏、浦沢直樹氏、西原理恵子氏の三者の間の使い方の差は、一読すれば伝わります。そしてあーささんのこの作品も、あーささんだけのグルーブ(間の使い方やコマ割、ギャグのリズムや唐突さ、1コマの情報量など)になっています。そしてそのグルーブ感は、あーささんご本人と直接お会いして感じるグルーブ感、そしてADHDとよばれる人たちにどこか共通したグルーブ感に仕上がっています。つまり、この作品全体に流れるグルーブ感は、ADHD独特のものがあり、読みながらにしてADHDのテンポやリズム、発想の仕方や考え方そのものに触れることができるという作品なのです。これは、当事者でないと醸しだせないテイストであり、非当事者が書いても感じることができないものです。この点で、本書は非常に稀有な「ADHDを感じることができる」画期的な作品なのです。
 そして今回、この作品を監修するに当たって感じたことは、「マンガという表現方法は卑怯だ」ということです。長々と活字の文章で説明せざるを得ない立場の人間には、数コマで分かりやすい説明ができ、微妙なニュアンスを表現できるマンガというのは……非常にうらやましい限りです。
 最後に、あーささんには、いつか私のつたない論文を分かりやすくマンガに起こして欲しいと、この場を借り、お願いしておきます。